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6話 まさかのひざまくら
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「あのう……、レインハルト様は無理をされているのですよね?」
「そんなわけないだろう! 俺が食べ物の好き嫌いが激しく、異常なまでのワガママだということはミリアナも知っているのだろ?」
「だから……余計に無理をしているのかと……」
レインハルト様の嫌いな食べ物ワーストスリーを全てふんだんに使った弁当だ。
今までだったら間違いなく激怒するか無言で残すくらいしても不思議ではないと思っていた。
だが、レインハルト様はそれ以上はなにも言わずに、むしろ夢中になって弁当を食べている。
「美味い……!」
「は?」
私はまたしても口を開けた状態で固まってしまった。
すると、その隙にレインハルト様が持っているフォークが、私の口に入ってきた。
口の中は婚約破棄スペシャルのオムライスで埋め尽くされた。
無意識に食べる。
ぱくっ。
もぐもぐ……。
ごくん。
口に入ってきたものを飲み込んでから、状況を冷静に整理した。
「あわわわわわわ……」
私の頭から湯気が沸騰しているんじゃないかと思うくらい感情が熱くなっていたに違いない。
軽くパニック状態だった。
「俺は国で一番幸せ者なのかもしれんな」
なにを言ってんだこの人は。
なにをしてくれてんだこの人は。
これじゃあ完全にラブラブ状態の恋人同士ではないか。
いや、実際には婚約者同士ではあるけれど。
だが、レインハルト様の本音はシャーリャ王女様のことが大好きなんだ。
これは本人の口からもそう言っていたし紛れもない事実。
それなのに、私に対してこんなにも楽しそうにしながら苦手な食べ物を美味しいフリして食べてくれるなんて……。
私はレインハルト様のことをますます惚れてしまった。
これ以上惚れてしまったら、婚約破棄されたときがとても辛くなってしまう。
結局のところ、私が作ったお弁当はほぼ全てレインハルト様が食べきってしまった。
「本当に美味かった。ところで、これを作るのに一体どれだけ時間をかけたのだ?」
「え? あぁ、徹夜してなんとか……(嫌いな食べ物を混入するための工夫で結構時間使っちゃったし)」
「なんと!? 寝ていないというのか!?」
「まぁ、少しだけ寝れましたけど……」
そういわれてみると、急に眠気が襲ってきた。
婚約破棄や嫌われるプランに集中していたから、精神的にも落ち着けなかったし眠くならなかったんだと思う。
「ならば、今少しでも仮眠したらどうだ?」
「今ですか?」
「そうだ。こうやって……」
「へ? ちょ……、えぇぇぇぇええええ!?」
レインハルト様が私の身体を優しくもグッと誘導してきて、気がついたら私の顔は彼の膝の上。
恋愛小説でよく出てくるような、ひざまくら状態だった。
正直な感想としては、ふとももの上は硬くてイメージしていたフカフカ感とは程遠い。
だが、そんなことはどうでもいい。
レインハルト様の優しさとちょっとした強引さがたまらなかった。
「こんな居心地いい空間提供されちゃったら、本当に寝ちゃいますよ……?」
「あぁ、構わんよ。俺もミリアナとこうしていられるならば、日が暮れるまで付き合おう」
「ひ……」
シャーリャ王女様、ほんとうに申し訳ありません。
お二人が今後幸せな夫婦の営みを考えたら、今すぐにこの状況から脱出したほうが良いというのはわかっています。
でも、幸せすぎて身体が動けないんですぅぅぅう!
眠気はあるが、眠ったらもったいない。
しばらく寝たフリをして、レインハルト様のひざまくらを堪能させてもらった。
そして、いつの間にかぐっすりと寝てしまっていた。
ぐー。
「そんなわけないだろう! 俺が食べ物の好き嫌いが激しく、異常なまでのワガママだということはミリアナも知っているのだろ?」
「だから……余計に無理をしているのかと……」
レインハルト様の嫌いな食べ物ワーストスリーを全てふんだんに使った弁当だ。
今までだったら間違いなく激怒するか無言で残すくらいしても不思議ではないと思っていた。
だが、レインハルト様はそれ以上はなにも言わずに、むしろ夢中になって弁当を食べている。
「美味い……!」
「は?」
私はまたしても口を開けた状態で固まってしまった。
すると、その隙にレインハルト様が持っているフォークが、私の口に入ってきた。
口の中は婚約破棄スペシャルのオムライスで埋め尽くされた。
無意識に食べる。
ぱくっ。
もぐもぐ……。
ごくん。
口に入ってきたものを飲み込んでから、状況を冷静に整理した。
「あわわわわわわ……」
私の頭から湯気が沸騰しているんじゃないかと思うくらい感情が熱くなっていたに違いない。
軽くパニック状態だった。
「俺は国で一番幸せ者なのかもしれんな」
なにを言ってんだこの人は。
なにをしてくれてんだこの人は。
これじゃあ完全にラブラブ状態の恋人同士ではないか。
いや、実際には婚約者同士ではあるけれど。
だが、レインハルト様の本音はシャーリャ王女様のことが大好きなんだ。
これは本人の口からもそう言っていたし紛れもない事実。
それなのに、私に対してこんなにも楽しそうにしながら苦手な食べ物を美味しいフリして食べてくれるなんて……。
私はレインハルト様のことをますます惚れてしまった。
これ以上惚れてしまったら、婚約破棄されたときがとても辛くなってしまう。
結局のところ、私が作ったお弁当はほぼ全てレインハルト様が食べきってしまった。
「本当に美味かった。ところで、これを作るのに一体どれだけ時間をかけたのだ?」
「え? あぁ、徹夜してなんとか……(嫌いな食べ物を混入するための工夫で結構時間使っちゃったし)」
「なんと!? 寝ていないというのか!?」
「まぁ、少しだけ寝れましたけど……」
そういわれてみると、急に眠気が襲ってきた。
婚約破棄や嫌われるプランに集中していたから、精神的にも落ち着けなかったし眠くならなかったんだと思う。
「ならば、今少しでも仮眠したらどうだ?」
「今ですか?」
「そうだ。こうやって……」
「へ? ちょ……、えぇぇぇぇええええ!?」
レインハルト様が私の身体を優しくもグッと誘導してきて、気がついたら私の顔は彼の膝の上。
恋愛小説でよく出てくるような、ひざまくら状態だった。
正直な感想としては、ふとももの上は硬くてイメージしていたフカフカ感とは程遠い。
だが、そんなことはどうでもいい。
レインハルト様の優しさとちょっとした強引さがたまらなかった。
「こんな居心地いい空間提供されちゃったら、本当に寝ちゃいますよ……?」
「あぁ、構わんよ。俺もミリアナとこうしていられるならば、日が暮れるまで付き合おう」
「ひ……」
シャーリャ王女様、ほんとうに申し訳ありません。
お二人が今後幸せな夫婦の営みを考えたら、今すぐにこの状況から脱出したほうが良いというのはわかっています。
でも、幸せすぎて身体が動けないんですぅぅぅう!
眠気はあるが、眠ったらもったいない。
しばらく寝たフリをして、レインハルト様のひざまくらを堪能させてもらった。
そして、いつの間にかぐっすりと寝てしまっていた。
ぐー。
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