7 / 25
アエルにまた相談してみた
しおりを挟む
「……で、嫌いな食べ物がつまったお弁当作戦は大失敗だったのですね……」
「うん。これでもかってくらいに考えて、いっぱい嫌いな食べ物詰め込んだんだけどね」
「結果的に美味しかったと……?」
「そう言われちゃった」
「むしろ微笑ましく思いますし、ミリアナ様が羨ましいです」
いつものカフェで、アエルと一緒に反省会という名のお茶会。
アエルが尊敬の眼差しのような視線を送ってくるが、私にとってはむしろ痛々しい……。
むしろ、『あーあ、本当に婚約破棄されてしまったんですね』という流れになって慰めてもらいたかった。
「それで、最終的にどのようになったのですか?」
「ひざまくらしてもらって寝ちゃった」
「婚約破棄どころか、もうそれってただのノロケですよね!?」
アエルは、むくりと頬を膨らまながら呆れたような目をしていて、妬いているようだった。
だが、私は真剣に悩んでいる。
このままではレインハルト様に対して、自我が強くなってしまい結局私が独占したくなってしまうんじゃないかと。
そうなれば、レインハルト様は一生最愛のシャーリャ王女様と結ばれることはなくなってしまうのだ。
「もっとひどい悪女にならなくては……あぁもうっ……!」
「うーん……、全くもって理解ができませんね」
アエルにはどうして婚約破棄してもらうようにしたいのかは話していない。
レインハルト様の評判を下げてしまうようなことは絶対に言いたくないからだ。
だからアエルが不思議に思っても仕方がないことである。
「あれから他にも方法は考えたんですけどね……」
「教えてほしい。こんなこと他の人には相談できないし、あなただけが頼りなのよ……」
アエルが大好きすぎて仕方がない。
こんなに良い子と仲良くするなとか、両親たちはもっと色々なところに視野を向けて欲しい。
「これは本当に嫌われるタイプの人がやることなのですが……」
「うんうん、それでいい!」
「束縛してみては?」
「束縛?」
アエルの提案は私の予想にもなかったようなものだった。
恋愛小説にもこの手の話で思い当たるような節が見つからない。
「はい。これは小説云々ではなく、異常に束縛をされると気持ちが重く感じてしまったり、相手に対して冷めてしまう傾向があるのですよ」
「なるほど……」
「たとえば、ミリアナ様は料理が大好きですよね?」
「うん、毎日やっていられるくらい好き!」
「もしも、その料理をするなと両親に命令という名の束縛されたらどう思います?」
「え……生きてらんないから家を出ていく!」
「すでに発言そのものが悪女のような気もします……」
自分の好きなことを制限されるなんてとんでもない話だ。
なるほど、最後の一言を除き、アエルの言いたいことはわかった。
つまり、私もレインハルト様に束縛をしてしまって、やりたいことができない環境にしてしまえばいいわけだ。
「あの……、念のためにお伺いしますけれど、恋愛においてどんな束縛をすればいいのかはご存知でしょうか?」
「うん。今回は大丈夫! バッチリプランは浮かんだから」
「……ならよかったです」
アエルは心配そうな表情をしていた。
そりゃ今度こそ完璧な婚約破棄を告げられてしまうのだからな。
無理もないか。
「アエル、ありがとうね!」
「いえ。今度こそはご武運を」
このあと、アエルと小説でざまぁされた残念な経費節約をするキャラの話をしたり、日頃の雑談をしてから解散した。
今回も有意義な時間だったなぁ。
♢
さて、それではさっそくレインハルト様の束縛をする計画をしますか。
今回はその場で口頭で行動しなければならない。
失敗しては意味がないため、なにも知らないお父様相手に実験することにした。
「お父様! 仕事ばっかやってないでいい加減に休みましょう!」
私が突拍子もなくそう告げると、お父様は大きくためいきを吐いてから、その表情が怖くなってきた。
そして、私の目の前まで近づく。
「ばっかもーーん!! 私が仕事をしなければフランフール家は潰れるのだ! そんなことを言う暇があるならば少しは貴族としての嗜みをだな……」
「は……はひぃぃぃーー……」
そのあと、約一時間。
お父様の説教は続いた。
最後に、『だが、ありがとうな』とだけ言ってくれたが、きっと怒りすぎたことを反省して謝罪の意味もこめて言ってくれたに違いない。
私はいっぱい泣かされて大変な思いをした。
つまり、今回の予行練習は完璧なのである。
明日レインハルト様と会って束縛するのが楽しみだなぁ。
「うん。これでもかってくらいに考えて、いっぱい嫌いな食べ物詰め込んだんだけどね」
「結果的に美味しかったと……?」
「そう言われちゃった」
「むしろ微笑ましく思いますし、ミリアナ様が羨ましいです」
いつものカフェで、アエルと一緒に反省会という名のお茶会。
アエルが尊敬の眼差しのような視線を送ってくるが、私にとってはむしろ痛々しい……。
むしろ、『あーあ、本当に婚約破棄されてしまったんですね』という流れになって慰めてもらいたかった。
「それで、最終的にどのようになったのですか?」
「ひざまくらしてもらって寝ちゃった」
「婚約破棄どころか、もうそれってただのノロケですよね!?」
アエルは、むくりと頬を膨らまながら呆れたような目をしていて、妬いているようだった。
だが、私は真剣に悩んでいる。
このままではレインハルト様に対して、自我が強くなってしまい結局私が独占したくなってしまうんじゃないかと。
そうなれば、レインハルト様は一生最愛のシャーリャ王女様と結ばれることはなくなってしまうのだ。
「もっとひどい悪女にならなくては……あぁもうっ……!」
「うーん……、全くもって理解ができませんね」
アエルにはどうして婚約破棄してもらうようにしたいのかは話していない。
レインハルト様の評判を下げてしまうようなことは絶対に言いたくないからだ。
だからアエルが不思議に思っても仕方がないことである。
「あれから他にも方法は考えたんですけどね……」
「教えてほしい。こんなこと他の人には相談できないし、あなただけが頼りなのよ……」
アエルが大好きすぎて仕方がない。
こんなに良い子と仲良くするなとか、両親たちはもっと色々なところに視野を向けて欲しい。
「これは本当に嫌われるタイプの人がやることなのですが……」
「うんうん、それでいい!」
「束縛してみては?」
「束縛?」
アエルの提案は私の予想にもなかったようなものだった。
恋愛小説にもこの手の話で思い当たるような節が見つからない。
「はい。これは小説云々ではなく、異常に束縛をされると気持ちが重く感じてしまったり、相手に対して冷めてしまう傾向があるのですよ」
「なるほど……」
「たとえば、ミリアナ様は料理が大好きですよね?」
「うん、毎日やっていられるくらい好き!」
「もしも、その料理をするなと両親に命令という名の束縛されたらどう思います?」
「え……生きてらんないから家を出ていく!」
「すでに発言そのものが悪女のような気もします……」
自分の好きなことを制限されるなんてとんでもない話だ。
なるほど、最後の一言を除き、アエルの言いたいことはわかった。
つまり、私もレインハルト様に束縛をしてしまって、やりたいことができない環境にしてしまえばいいわけだ。
「あの……、念のためにお伺いしますけれど、恋愛においてどんな束縛をすればいいのかはご存知でしょうか?」
「うん。今回は大丈夫! バッチリプランは浮かんだから」
「……ならよかったです」
アエルは心配そうな表情をしていた。
そりゃ今度こそ完璧な婚約破棄を告げられてしまうのだからな。
無理もないか。
「アエル、ありがとうね!」
「いえ。今度こそはご武運を」
このあと、アエルと小説でざまぁされた残念な経費節約をするキャラの話をしたり、日頃の雑談をしてから解散した。
今回も有意義な時間だったなぁ。
♢
さて、それではさっそくレインハルト様の束縛をする計画をしますか。
今回はその場で口頭で行動しなければならない。
失敗しては意味がないため、なにも知らないお父様相手に実験することにした。
「お父様! 仕事ばっかやってないでいい加減に休みましょう!」
私が突拍子もなくそう告げると、お父様は大きくためいきを吐いてから、その表情が怖くなってきた。
そして、私の目の前まで近づく。
「ばっかもーーん!! 私が仕事をしなければフランフール家は潰れるのだ! そんなことを言う暇があるならば少しは貴族としての嗜みをだな……」
「は……はひぃぃぃーー……」
そのあと、約一時間。
お父様の説教は続いた。
最後に、『だが、ありがとうな』とだけ言ってくれたが、きっと怒りすぎたことを反省して謝罪の意味もこめて言ってくれたに違いない。
私はいっぱい泣かされて大変な思いをした。
つまり、今回の予行練習は完璧なのである。
明日レインハルト様と会って束縛するのが楽しみだなぁ。
45
あなたにおすすめの小説
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
【完結】溺愛婚約者の裏の顔 ~そろそろ婚約破棄してくれませんか~
瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
(なろうの異世界恋愛ジャンルで日刊7位頂きました)
ニナには、幼い頃からの婚約者がいる。
3歳年下のティーノ様だ。
本人に「お前が行き遅れになった頃に終わりだ」と宣言されるような、典型的な「婚約破棄前提の格差婚約」だ。
行き遅れになる前に何とか婚約破棄できないかと頑張ってはみるが、うまくいかず、最近ではもうそれもいいか、と半ばあきらめている。
なぜなら、現在16歳のティーノ様は、匂いたつような色香と初々しさとを併せ持つ、美青年へと成長してしまったのだ。おまけに人前では、誰もがうらやむような溺愛ぶりだ。それが偽物だったとしても、こんな風に夢を見させてもらえる体験なんて、そうそうできやしない。
もちろん人前でだけで、裏ではひどいものだけど。
そんな中、第三王女殿下が、ティーノ様をお気に召したらしいという噂が飛び込んできて、あきらめかけていた婚約破棄がかなうかもしれないと、ニナは行動を起こすことにするのだが――。
全7話の短編です 完結確約です。
【完結】冷遇・婚約破棄の上、物扱いで軍人に下賜されたと思ったら、幼馴染に溺愛される生活になりました。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
恋愛
【恋愛151位!(5/20確認時点)】
アルフレッド王子と婚約してからの間ずっと、冷遇に耐えてきたというのに。
愛人が複数いることも、罵倒されることも、アルフレッド王子がすべき政務をやらされていることも。
何年間も耐えてきたのに__
「お前のような器量の悪い女が王家に嫁ぐなんて国家の恥も良いところだ。婚約破棄し、この娘と結婚することとする」
アルフレッド王子は新しい愛人の女の腰を寄せ、婚約破棄を告げる。
愛人はアルフレッド王子にしなだれかかって、得意げな顔をしている。
誤字訂正ありがとうございました。4話の助詞を修正しました。
手作りお菓子をゴミ箱に捨てられた私は、自棄を起こしてとんでもない相手と婚約したのですが、私も含めたみんな変になっていたようです
珠宮さくら
恋愛
アンゼリカ・クリットの生まれた国には、不思議な習慣があった。だから、アンゼリカは必死になって頑張って馴染もうとした。
でも、アンゼリカではそれが難しすぎた。それでも、頑張り続けた結果、みんなに喜ばれる才能を開花させたはずなのにどうにもおかしな方向に突き進むことになった。
加えて好きになった人が最低野郎だとわかり、自棄を起こして婚約した子息も最低だったりとアンゼリカの周りは、最悪が溢れていたようだ。
【完結】お荷物王女は婚約解消を願う
miniko
恋愛
王家の瞳と呼ばれる色を持たずに生まれて来た王女アンジェリーナは、一部の貴族から『お荷物王女』と蔑まれる存在だった。
それがエスカレートするのを危惧した国王は、アンジェリーナの後ろ楯を強くする為、彼女の従兄弟でもある筆頭公爵家次男との婚約を整える。
アンジェリーナは八歳年上の優しい婚約者が大好きだった。
今は妹扱いでも、自分が大人になれば年の差も気にならなくなり、少しづつ愛情が育つ事もあるだろうと思っていた。
だが、彼女はある日聞いてしまう。
「お役御免になる迄は、しっかりアンジーを守る」と言う彼の宣言を。
───そうか、彼は私を守る為に、一時的に婚約者になってくれただけなのね。
それなら出来るだけ早く、彼を解放してあげなくちゃ・・・・・・。
そして二人は盛大にすれ違って行くのだった。
※設定ユルユルですが、笑って許してくださると嬉しいです。
※感想欄、ネタバレ配慮しておりません。ご了承ください。
氷の騎士と契約結婚したのですが、愛することはないと言われたので契約通り離縁します!
柚屋志宇
恋愛
「お前を愛することはない」
『氷の騎士』侯爵令息ライナスは、伯爵令嬢セルマに白い結婚を宣言した。
セルマは家同士の政略による契約結婚と割り切ってライナスの妻となり、二年後の離縁の日を待つ。
しかし結婚すると、最初は冷たかったライナスだが次第にセルマに好意的になる。
だがセルマは離縁の日が待ち遠しい。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
煤かぶり姫は光の貴公子の溺愛が罰ゲームだと知っている。
朝霧心惺
恋愛
「ベルティア・ローレル。僕の恋人になってくれないかい?」
煌めく猫っ毛の金髪に太陽の瞳、光の貴公子の名を欲しいがままにするエドワード・ルードバーグ公爵令息の告白。
普通の令嬢ならば、嬉しさのあまり失神してしまうかもしれない状況に、告白された令嬢、ベルティア・ローレルは無表情のままぴくりとも頬を動かさない。
何故なら———、
(罰ゲームで告白なんて、最低の極みね)
黄金の髪こそが美しいという貴族の価値観の中で、煤を被ったような漆黒の髪を持つベルティアには、『煤かぶり姫』という蔑称がある。
そして、それは罰ゲーム結果の恋人に選ばれるほどに、貴族にとっては酷い見た目であるらしい。
3年間にも及ぶ学園生活も終盤に迫ったこの日告白されたベルティア、実家は伯爵家といえども辺境であり、長年の凶作続きにより没落寸前。
もちろん、実家は公爵家に反抗できるほどの力など持ち合わせていない。
目立つ事が大嫌いでありながらも渋々受け入れた恋人生活、けれど、彼の罰ゲームはただ付き合うだけでは終わらず、加速していく溺愛、溺愛、溺愛………!!
甘すぎる苦しみが、ベルティアを苦しめる。
「どうして僕の愛を疑うんだっ!!」
(疑うも何も、そもそもこの恋人ごっこはあなたへの罰ゲームでしょ!?)
【完結】想い人がいるはずの王太子殿下に求婚されまして ~不憫な王子と勘違い令嬢が幸せになるまで~
Rohdea
恋愛
──私は、私ではない“想い人”がいるはずの王太子殿下に求婚されました。
昔からどうにもこうにも男運の悪い侯爵令嬢のアンジェリカ。
縁談が流れた事は一度や二度では無い。
そんなアンジェリカ、実はずっとこの国の王太子殿下に片想いをしていた。
しかし、殿下の婚約の噂が流れ始めた事であっけなく失恋し、他国への留学を決意する。
しかし、留学期間を終えて帰国してみれば、当の王子様は未だに婚約者がいないという。
帰国後の再会により再び溢れそうになる恋心。
けれど、殿下にはとても大事に思っている“天使”がいるらしい。
更に追い打ちをかけるように、殿下と他国の王女との政略結婚の噂まで世間に流れ始める。
今度こそ諦めよう……そう決めたのに……
「私の天使は君だったらしい」
想い人の“天使”がいるくせに。婚約予定の王女様がいるくせに。
王太子殿下は何故かアンジェリカに求婚して来て───
★★★
『美人な姉と間違って求婚されまして ~望まれない花嫁が愛されて幸せになるまで~』
に、出て来た不憫な王太子殿下の話になります!
(リクエストくれた方、ありがとうございました)
未読の方は一読された方が、殿下の不憫さがより伝わるような気がしています……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる