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お説教
「ミリアナよ、今度はなにをしたのだ!?」
「は、はい!?」
レインハルト様にぎゅーをされた翌日のことだった。
お父様が私をわざわざ呼び出してきて、現在拷問状態になっている。
呼び出された部屋はお父様の書斎で、ここで話をするときは真面目な話と相場が決まっているのだ。
また貴族のゴタゴタで怒られるのだろう。
「公爵様から呼び出しの催促をいただいてしまったのだぞ……!?」
「あぁ、おとといの一件ですね」
「昨日もぼっちゃまがやってくるし、一体なにをやらかしたのだ……」
私は、『婚約破棄されるために頑張って悪女やってますー』などという本当のことは口が裂けても言えない。
だからと言って、両親に対しては嘘をつきたくはない。
今回は本当のことを言うしかないか。
「公爵家で皆様がギャラリーとして見ている中で、『仕事ばっかやってないで私に構って。仕事大好きなのはわかるけど休暇もしろ』とレインハルト様に向かって怒りました」
「はぁぁあああっ、もう胃が……」
「「奥方さまーー!!」」
横で心配そうに見ていたお母様は、それを聞いた途端に目眩を起こしたようでフラつき倒れそうになった。
すぐに使用人たちが支えた。
はい、これもいつもの恒例行事みたいなもので、さすがの使用人だ。
お母様のそばで待機してくれていたから怪我せずにすんだ。
全部私がいけないんだけど、思ったことをしっかりと発言しなきゃいけないときだってあると思う。
「ミリアナよ……おまえはなにをしたのかわかっているのか……?」
わかっている。
全てはレインハルト様のためだ。
レインハルト様が本当に好きな人と幸せになれるために、私に対して気遣わずに済んでむしろ私のことを忘れてくれるようにするためには仕方がなかった。
家のことや貴族のことだけで考えたら、私のやったことはありえない行為だ。
だが……。
やはりお父様にこのように上から目線で言われてしまうと歯向かってしまう。
「わかってますよ。将来の旦那様として、私は当然のことを言っただけです」
「それが王族に対して言っていいことかどうかの判断もつかぬのか!?」
誰がどうこうという問題で解決しようとするから貴族の上下関係は頭にくる。
仮にだが、もしも私が男爵令嬢の親友アエルに同じような説教をしたとしたら、『よくやった』と褒めてくるだろう。
アエルは口には出したことはないのだが、辛い思いを何度もしてきていることを私は知っている。
この差が許せないのだ。
「私はいずれ王族の仲間入りですから。予行練習してもいいでしょう!?」
構わず反抗する。
もはや原因は私だが、ただの親子喧嘩だ。
「そうか。ならばもう私からはなにも言うまい! 今回、呼び出された責任はミリアナよ、お前一人で解決してくるのだ。伯爵家に泥を塗るような結果をだしたらタダでは済まさぬぞ!」
「はいはい、わかりましたよ……。…………? へ? 呼び出されたのって私ですか?」
「そうだ! しかも公爵様直々でミリアナが来るようにとの名指しだ」
ついに、このときがきたんだ。
さすがに今回はレインハルト様だけでなく、公爵家全体を巻き込んで起こした騒動だった。
婚約破棄を宣告されても不思議ではない。
「わかりました。私一人で行って解決してきますよ!」
「今回ばかりはもう限界だ。もしも婚約が破綻したり、伯爵家の名誉に関わるような場合は、お前を修道院送りとするからな!」
「元々覚悟の上なので」
修道院という言葉までついに出てきてしまったか。
いよいよ婚約破棄の現実味が増してきたような気分だった。
準備をして、公爵邸へ向かう。
「は、はい!?」
レインハルト様にぎゅーをされた翌日のことだった。
お父様が私をわざわざ呼び出してきて、現在拷問状態になっている。
呼び出された部屋はお父様の書斎で、ここで話をするときは真面目な話と相場が決まっているのだ。
また貴族のゴタゴタで怒られるのだろう。
「公爵様から呼び出しの催促をいただいてしまったのだぞ……!?」
「あぁ、おとといの一件ですね」
「昨日もぼっちゃまがやってくるし、一体なにをやらかしたのだ……」
私は、『婚約破棄されるために頑張って悪女やってますー』などという本当のことは口が裂けても言えない。
だからと言って、両親に対しては嘘をつきたくはない。
今回は本当のことを言うしかないか。
「公爵家で皆様がギャラリーとして見ている中で、『仕事ばっかやってないで私に構って。仕事大好きなのはわかるけど休暇もしろ』とレインハルト様に向かって怒りました」
「はぁぁあああっ、もう胃が……」
「「奥方さまーー!!」」
横で心配そうに見ていたお母様は、それを聞いた途端に目眩を起こしたようでフラつき倒れそうになった。
すぐに使用人たちが支えた。
はい、これもいつもの恒例行事みたいなもので、さすがの使用人だ。
お母様のそばで待機してくれていたから怪我せずにすんだ。
全部私がいけないんだけど、思ったことをしっかりと発言しなきゃいけないときだってあると思う。
「ミリアナよ……おまえはなにをしたのかわかっているのか……?」
わかっている。
全てはレインハルト様のためだ。
レインハルト様が本当に好きな人と幸せになれるために、私に対して気遣わずに済んでむしろ私のことを忘れてくれるようにするためには仕方がなかった。
家のことや貴族のことだけで考えたら、私のやったことはありえない行為だ。
だが……。
やはりお父様にこのように上から目線で言われてしまうと歯向かってしまう。
「わかってますよ。将来の旦那様として、私は当然のことを言っただけです」
「それが王族に対して言っていいことかどうかの判断もつかぬのか!?」
誰がどうこうという問題で解決しようとするから貴族の上下関係は頭にくる。
仮にだが、もしも私が男爵令嬢の親友アエルに同じような説教をしたとしたら、『よくやった』と褒めてくるだろう。
アエルは口には出したことはないのだが、辛い思いを何度もしてきていることを私は知っている。
この差が許せないのだ。
「私はいずれ王族の仲間入りですから。予行練習してもいいでしょう!?」
構わず反抗する。
もはや原因は私だが、ただの親子喧嘩だ。
「そうか。ならばもう私からはなにも言うまい! 今回、呼び出された責任はミリアナよ、お前一人で解決してくるのだ。伯爵家に泥を塗るような結果をだしたらタダでは済まさぬぞ!」
「はいはい、わかりましたよ……。…………? へ? 呼び出されたのって私ですか?」
「そうだ! しかも公爵様直々でミリアナが来るようにとの名指しだ」
ついに、このときがきたんだ。
さすがに今回はレインハルト様だけでなく、公爵家全体を巻き込んで起こした騒動だった。
婚約破棄を宣告されても不思議ではない。
「わかりました。私一人で行って解決してきますよ!」
「今回ばかりはもう限界だ。もしも婚約が破綻したり、伯爵家の名誉に関わるような場合は、お前を修道院送りとするからな!」
「元々覚悟の上なので」
修道院という言葉までついに出てきてしまったか。
いよいよ婚約破棄の現実味が増してきたような気分だった。
準備をして、公爵邸へ向かう。
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