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第二章
54 懐かしのアルガルデ王国
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「懐かしい……」
馬車はついにアルガルデ王国の検問所まで到着しました。
「オーブルジェ王国のデインヒール陛下ですな。許可は出ていますので、どうぞお通りください」
以前の検問所とは違う気がします。
私がいた頃はもっと嫌な感じで厳しかったはずです。
他国からの訪問だけでなく、一度外に出た人間の扱いですら、こんなに優しくはなかったのですから。
やはりサージェント陛下に変わり、更に問題の多かった貴族達が一斉にいなくなったのが影響したのでしょうか。
馬車は懐かしの一本道を進み、王宮へと真っ直ぐに進んでいきました。
「リリーよ、懐かしの故郷へ戻ってきた気分はどうだ?」
「何か随分と雰囲気が変わった気がします。私がいた頃と比べて、歩いている人たちもなんとなく明るくなっているような……なんとなくですが活気づいたような気がしますね」
「あれだけの囚人がオーブルジェで捕まったのだからな。しかも上流階級の者達だったのだろう? 支配する者が少なくなって平和になったというわけか……」
以前は異常なまでに民間人を苦しめ、税金を取れるだけ巻き上げるような国でした。
それが無くなっているだけでもいいのですが。
懐かしい光景を進みながら、馬車はついに王宮の敷地へと到着しました。
あまり良い行動ではありませんでしたが、私の好奇心が強かったのですね……。
私はついつい馬車から急いで降りてしまいました。
出迎えていただいたのが……。
「リリーナお嬢様! お元気そうで!」
「ルルガム!!」
今は王宮に仕えていると伝書鳩からの手紙では書かれていましたが、まさか出迎えていただけてるとは驚きです。
嬉しさのあまり、立場を忘れてしまいすぐにルルガムの元へと駆けてしまいました。
「ルルガム……ありがとう! あなたのおかげで私は……」
私の眼から涙がポタポタと溢れます。
彼のおかげでどれだけ人生が変わったことか……。
「いえ、当然のことです。それよりもリリーナお嬢様、今は立場を考えましょう」
「!? ごめんなさい! 嬉しさのあまり我を忘れていました……」
久しぶりにルルガムにお説教をもらいました。
執事の頃から私に対して優しくも、ときには厳しいルルガムだったのです。
これもまた懐かしく思います。
おっと……今はそれよりも陛下やライカル様達を先に先導しないといけませんね。
馬車から降りていたライカル様と共に陛下のいる馬車へ行き、案内をします。
「申し訳ございません陛下。身勝手な行動をとってしまい……」
「気にするでないリリーナ嬢よ。懐かしの場へ帰り、恩人との再会。これを我慢しろなどと言うわけがないであろう」
陛下の優しい言葉を聞き、それでも深くお辞儀をします。
そのとき、王宮の中からこちらへ向かってきたお方が……。
「ようこそお越しくださったオーブルジェ王よ」
「お招き感謝致しますアルガルデ王」
玉座の間で待機しているかと思いましたが、サージェント陛下自らが出迎えてくれるとは驚きました。
広い王宮の庭園で握手を交わしています。
「此度の長旅ご苦労であった。リリーナ殿も元気そうで何より」
「お久しぶりですサージェント陛下。何も告げることができず国を出ていった行為、謝罪する時間もなかったことをお許しください」
「気にするでない。話は全てルルガム殿から聞いておる。むしろ、リリーナには大変感謝しておるのだからな」
追放されたとはいえ、関わりがあったサージェント陛下に何もいえずに出ていったことは悔いが残っていました。
しかし陛下は優しく受け入れてくれたのです。
「私が何かしましたか?」
「勿論である。我国の悪人どもを一斉に検挙し処罰までしてくれたのはリリーナがいたからであろう。それに伴い、協力をしてくださったオーブルジェ王国の方々にも深く感謝する。そして、我国の不祥事でもあった……。大変迷惑をかけてしまったことを謝罪したい」
「お気になさらずアルガルデ王よ。こちらからもとんでもない爆弾を侵入させてしまったようで……」
爆弾とはダスフォール元殿下のことでしょう。
もはやデインヒール陛下は、ダスフォール元殿下のことを自分の息子と思えていないようにも感じますね。
「そう言っていただけると助かる。二度とこのようなことがないよう、これからは我国もしっかりとした国に変えていくつもりである。で、例の鉱山送りの者の件であるが……」
小型化した牢屋を厳重にした馬車へと向かい、中にいるダスフォール元殿下の存在を確認しました。
状況を理解しているようで、既に魂が出ていった抜け殻のような表情をして固まっています。
「承知した。それでは責任を持ってこの者を引き取り、我が国で鉱山行きとして裁くことを誓おう」
牢屋付きの馬車は別の兵士達によって運ばれて行きました。
これで第一の目的はスンナリと達成と言っても良いでしょう。
「それでは本題に入るのだが一旦、皆を連れ王宮へお越しくだされ。歓迎会の準備は整っておりますので」
「感謝するアルガルデ王よ」
周りに邪魔する者がいなくなったおかげでしょうか。
サージェント陛下本来の気質が全面に出ているようです。
更に側近に万能執事であるルルガムもいますからね。
これならきっと、アルガルデ王国も平和になることでしょう。
王宮内部のパーティー会場として使っていた部屋へ案内されました。
馬車はついにアルガルデ王国の検問所まで到着しました。
「オーブルジェ王国のデインヒール陛下ですな。許可は出ていますので、どうぞお通りください」
以前の検問所とは違う気がします。
私がいた頃はもっと嫌な感じで厳しかったはずです。
他国からの訪問だけでなく、一度外に出た人間の扱いですら、こんなに優しくはなかったのですから。
やはりサージェント陛下に変わり、更に問題の多かった貴族達が一斉にいなくなったのが影響したのでしょうか。
馬車は懐かしの一本道を進み、王宮へと真っ直ぐに進んでいきました。
「リリーよ、懐かしの故郷へ戻ってきた気分はどうだ?」
「何か随分と雰囲気が変わった気がします。私がいた頃と比べて、歩いている人たちもなんとなく明るくなっているような……なんとなくですが活気づいたような気がしますね」
「あれだけの囚人がオーブルジェで捕まったのだからな。しかも上流階級の者達だったのだろう? 支配する者が少なくなって平和になったというわけか……」
以前は異常なまでに民間人を苦しめ、税金を取れるだけ巻き上げるような国でした。
それが無くなっているだけでもいいのですが。
懐かしい光景を進みながら、馬車はついに王宮の敷地へと到着しました。
あまり良い行動ではありませんでしたが、私の好奇心が強かったのですね……。
私はついつい馬車から急いで降りてしまいました。
出迎えていただいたのが……。
「リリーナお嬢様! お元気そうで!」
「ルルガム!!」
今は王宮に仕えていると伝書鳩からの手紙では書かれていましたが、まさか出迎えていただけてるとは驚きです。
嬉しさのあまり、立場を忘れてしまいすぐにルルガムの元へと駆けてしまいました。
「ルルガム……ありがとう! あなたのおかげで私は……」
私の眼から涙がポタポタと溢れます。
彼のおかげでどれだけ人生が変わったことか……。
「いえ、当然のことです。それよりもリリーナお嬢様、今は立場を考えましょう」
「!? ごめんなさい! 嬉しさのあまり我を忘れていました……」
久しぶりにルルガムにお説教をもらいました。
執事の頃から私に対して優しくも、ときには厳しいルルガムだったのです。
これもまた懐かしく思います。
おっと……今はそれよりも陛下やライカル様達を先に先導しないといけませんね。
馬車から降りていたライカル様と共に陛下のいる馬車へ行き、案内をします。
「申し訳ございません陛下。身勝手な行動をとってしまい……」
「気にするでないリリーナ嬢よ。懐かしの場へ帰り、恩人との再会。これを我慢しろなどと言うわけがないであろう」
陛下の優しい言葉を聞き、それでも深くお辞儀をします。
そのとき、王宮の中からこちらへ向かってきたお方が……。
「ようこそお越しくださったオーブルジェ王よ」
「お招き感謝致しますアルガルデ王」
玉座の間で待機しているかと思いましたが、サージェント陛下自らが出迎えてくれるとは驚きました。
広い王宮の庭園で握手を交わしています。
「此度の長旅ご苦労であった。リリーナ殿も元気そうで何より」
「お久しぶりですサージェント陛下。何も告げることができず国を出ていった行為、謝罪する時間もなかったことをお許しください」
「気にするでない。話は全てルルガム殿から聞いておる。むしろ、リリーナには大変感謝しておるのだからな」
追放されたとはいえ、関わりがあったサージェント陛下に何もいえずに出ていったことは悔いが残っていました。
しかし陛下は優しく受け入れてくれたのです。
「私が何かしましたか?」
「勿論である。我国の悪人どもを一斉に検挙し処罰までしてくれたのはリリーナがいたからであろう。それに伴い、協力をしてくださったオーブルジェ王国の方々にも深く感謝する。そして、我国の不祥事でもあった……。大変迷惑をかけてしまったことを謝罪したい」
「お気になさらずアルガルデ王よ。こちらからもとんでもない爆弾を侵入させてしまったようで……」
爆弾とはダスフォール元殿下のことでしょう。
もはやデインヒール陛下は、ダスフォール元殿下のことを自分の息子と思えていないようにも感じますね。
「そう言っていただけると助かる。二度とこのようなことがないよう、これからは我国もしっかりとした国に変えていくつもりである。で、例の鉱山送りの者の件であるが……」
小型化した牢屋を厳重にした馬車へと向かい、中にいるダスフォール元殿下の存在を確認しました。
状況を理解しているようで、既に魂が出ていった抜け殻のような表情をして固まっています。
「承知した。それでは責任を持ってこの者を引き取り、我が国で鉱山行きとして裁くことを誓おう」
牢屋付きの馬車は別の兵士達によって運ばれて行きました。
これで第一の目的はスンナリと達成と言っても良いでしょう。
「それでは本題に入るのだが一旦、皆を連れ王宮へお越しくだされ。歓迎会の準備は整っておりますので」
「感謝するアルガルデ王よ」
周りに邪魔する者がいなくなったおかげでしょうか。
サージェント陛下本来の気質が全面に出ているようです。
更に側近に万能執事であるルルガムもいますからね。
これならきっと、アルガルデ王国も平和になることでしょう。
王宮内部のパーティー会場として使っていた部屋へ案内されました。
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