2 / 58
2 ガルカの幼馴染
しおりを挟む
「レムは小さい頃に親を亡くしてな、親戚さえもいなかった。だから今まではお手伝いさんとして一緒に住んでいたのだよ。俺がいなくなっては寂しいというのでな、こっちに住んでもらおうかと」
それも初耳である。結婚の挨拶に行った時もレムさんはいなかったし……。
「使用人としてレムさんを雇うということですか?」
「いや、特にそう堅苦しく縛らなくても良いだろう。自主的な行動ができるし俺の幼馴染だし」
別にレムさんの第一印象が悪いわけではない。
ただ、そういう大事なことを相談もせず、勝手に決めたことに対してガッカリした。
せっかくの新婚生活が……。
だが、どちらにしても、この家の規模だったらいずれ使用人は雇った方が良いだろうし、ガルカの幼馴染が家のことを手伝ってくれるならば、ある程度は安心もできるだろうと思うことにした。
「……わかりました。よろしくお願いしますね、レムさん」
「はーい」
「よし、では今日は夜通しで飲むか」
「あ、それ良いー!」
♢
私の意見など聞きもせず、ガルカとレムさんの飲み会が始まってしまった。
いくら幼馴染との付き合いの方が長いとはいえ、あまりにも勝手すぎるのでは……。
「シェリルさんは何飲みます?」
「あ……、私はアルコール飲めないので、紅茶でも飲みますね」
「じゃあ、私入れてきますねー」
行動はともかく、レムさんは思ったよりも優しいのかもしれない。
二人がアルコールで、私はレムさんが用意してくれた紅茶で乾杯をした。
ハッキリ言って複雑な気分だ。
全然飲んだ気になれない……。
しかも、急に頭がぼーっとしてきてしまった。
「はぁ、眠くなってきたので先に寝ますね……」
結婚式の疲れからだろうか。急に眠気が襲ってきたので先に寝ることにした。
男女間の心配もしていたが、流石に不倫相手を堂々と家に住まわせるようなゲスではないだろう……。
それに結婚式が終わってから、次々とガルカの悪い部分を見てしまったので、今はとてもそういう気分になれない。
結局結婚初夜は一人でぐっすりと寝てしまい、そのまま朝になってしまった。
♢
私は毎日起きたら三時間、新しい服のデザインを書くことが日課である。もちろん稼ぐための仕事だ。
これはガルカと結婚してからも継続していくことは話しているし、了承も得ていた。
早速新しい仕事部屋で作業を開始するのだが……。
「シェリルさーん! お絵かきだったら私もやってみたいです」
なぜ気軽にレムさんは私についてくるのだろう……。好奇心旺盛なのだろうか。
「いえ、これは仕事なので……」
「え!? 洋服の絵ですよね? これが仕事なんですか?」
「えぇ。私はデザイナーなので、新しい服のデザインを書いてるんですよ。ガルカのお父様が大きな工場で服の仕立をやってるので、そこで私のデザインのした服も作ってもらっているんです。その後出来上がった服を、実家で販売してもらっているんです」
「あぁ、だからガルカと結婚を?」
「それとは別です。知り合ったきっかけは仕事からですが、ガルカとは恋愛結婚なので」
私としては、最初はお付き合いするつもりはなかったのだが、グイグイと猛アピールしてこられて根負けした。もちろん今は愛しているが。
細かい経緯は、レムさんに話す必要がないだろう。
それに、彼女はまるで聞いちゃいないようだった。
興味津々に私が書いた絵を見て頷いたり首を傾げていたのだ。
「あの、シェリルさん……ハッキリ言って良いですか?」
「は……はい」
「こんなんで売れるんですか? 私だったら買いませんけど……」
書き上げた紙を見ながら、レムさんはニヤリと笑っていた。
それも初耳である。結婚の挨拶に行った時もレムさんはいなかったし……。
「使用人としてレムさんを雇うということですか?」
「いや、特にそう堅苦しく縛らなくても良いだろう。自主的な行動ができるし俺の幼馴染だし」
別にレムさんの第一印象が悪いわけではない。
ただ、そういう大事なことを相談もせず、勝手に決めたことに対してガッカリした。
せっかくの新婚生活が……。
だが、どちらにしても、この家の規模だったらいずれ使用人は雇った方が良いだろうし、ガルカの幼馴染が家のことを手伝ってくれるならば、ある程度は安心もできるだろうと思うことにした。
「……わかりました。よろしくお願いしますね、レムさん」
「はーい」
「よし、では今日は夜通しで飲むか」
「あ、それ良いー!」
♢
私の意見など聞きもせず、ガルカとレムさんの飲み会が始まってしまった。
いくら幼馴染との付き合いの方が長いとはいえ、あまりにも勝手すぎるのでは……。
「シェリルさんは何飲みます?」
「あ……、私はアルコール飲めないので、紅茶でも飲みますね」
「じゃあ、私入れてきますねー」
行動はともかく、レムさんは思ったよりも優しいのかもしれない。
二人がアルコールで、私はレムさんが用意してくれた紅茶で乾杯をした。
ハッキリ言って複雑な気分だ。
全然飲んだ気になれない……。
しかも、急に頭がぼーっとしてきてしまった。
「はぁ、眠くなってきたので先に寝ますね……」
結婚式の疲れからだろうか。急に眠気が襲ってきたので先に寝ることにした。
男女間の心配もしていたが、流石に不倫相手を堂々と家に住まわせるようなゲスではないだろう……。
それに結婚式が終わってから、次々とガルカの悪い部分を見てしまったので、今はとてもそういう気分になれない。
結局結婚初夜は一人でぐっすりと寝てしまい、そのまま朝になってしまった。
♢
私は毎日起きたら三時間、新しい服のデザインを書くことが日課である。もちろん稼ぐための仕事だ。
これはガルカと結婚してからも継続していくことは話しているし、了承も得ていた。
早速新しい仕事部屋で作業を開始するのだが……。
「シェリルさーん! お絵かきだったら私もやってみたいです」
なぜ気軽にレムさんは私についてくるのだろう……。好奇心旺盛なのだろうか。
「いえ、これは仕事なので……」
「え!? 洋服の絵ですよね? これが仕事なんですか?」
「えぇ。私はデザイナーなので、新しい服のデザインを書いてるんですよ。ガルカのお父様が大きな工場で服の仕立をやってるので、そこで私のデザインのした服も作ってもらっているんです。その後出来上がった服を、実家で販売してもらっているんです」
「あぁ、だからガルカと結婚を?」
「それとは別です。知り合ったきっかけは仕事からですが、ガルカとは恋愛結婚なので」
私としては、最初はお付き合いするつもりはなかったのだが、グイグイと猛アピールしてこられて根負けした。もちろん今は愛しているが。
細かい経緯は、レムさんに話す必要がないだろう。
それに、彼女はまるで聞いちゃいないようだった。
興味津々に私が書いた絵を見て頷いたり首を傾げていたのだ。
「あの、シェリルさん……ハッキリ言って良いですか?」
「は……はい」
「こんなんで売れるんですか? 私だったら買いませんけど……」
書き上げた紙を見ながら、レムさんはニヤリと笑っていた。
67
あなたにおすすめの小説
裏切られ殺されたわたし。生まれ変わったわたしは今度こそ幸せになりたい。
たろ
恋愛
大好きな貴方はわたしを裏切り、そして殺されました。
次の人生では幸せになりたい。
前世を思い出したわたしには嫌悪しかない。もう貴方の愛はいらないから!!
自分が王妃だったこと。どんなに国王を愛していたか思い出すと胸が苦しくなる。でももう前世のことは忘れる。
そして元彼のことも。
現代と夢の中の前世の話が進行していきます。
【完結】大好きな幼馴染には愛している人がいるようです。だからわたしは頑張って仕事に生きようと思います。
たろ
恋愛
幼馴染のロード。
学校を卒業してロードは村から街へ。
街の警備隊の騎士になり、気がつけば人気者に。
ダリアは大好きなロードの近くにいたくて街に出て子爵家のメイドとして働き出した。
なかなか会うことはなくても同じ街にいるだけでも幸せだと思っていた。いつかは終わらせないといけない片思い。
ロードが恋人を作るまで、夢を見ていようと思っていたのに……何故か自分がロードの恋人になってしまった。
それも女避けのための(仮)の恋人に。
そしてとうとうロードには愛する女性が現れた。
ダリアは、静かに身を引く決意をして………
★ 短編から長編に変更させていただきます。
すみません。いつものように話が長くなってしまいました。
【完結】イアンとオリエの恋 ずっと貴方が好きでした。
たろ
恋愛
この話は
【そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします】の主人公二人のその後です。
イアンとオリエの恋の話の続きです。
【今夜さよならをします】の番外編で書いたものを削除して編集してさらに最後、数話新しい話を書き足しました。
二人のじれったい恋。諦めるのかやり直すのか。
悩みながらもまた二人は………
幼なじみと再会したあなたは、私を忘れてしまった。
クロユキ
恋愛
街の学校に通うルナは同じ同級生のルシアンと交際をしていた。同じクラスでもあり席も隣だったのもあってルシアンから交際を申し込まれた。
そんなある日クラスに転校生が入って来た。
幼い頃一緒に遊んだルシアンを知っている女子だった…その日からルナとルシアンの距離が離れ始めた。
誤字脱字がありますが、読んでもらえたら嬉しいです。
更新不定期です。
よろしくお願いします。
【完結】私を裏切った最愛の婚約者の幸せを願って身を引く事にしました。
Rohdea
恋愛
和平の為に、長年争いを繰り返していた国の王子と愛のない政略結婚する事になった王女シャロン。
休戦中とはいえ、かつて敵国同士だった王子と王女。
てっきり酷い扱いを受けるとばかり思っていたのに婚約者となった王子、エミリオは予想とは違いシャロンを温かく迎えてくれた。
互いを大切に想いどんどん仲を深めていく二人。
仲睦まじい二人の様子に誰もがこのまま、平和が訪れると信じていた。
しかし、そんなシャロンに待っていたのは祖国の裏切りと、愛する婚約者、エミリオの裏切りだった───
※初投稿作『私を裏切った前世の婚約者と再会しました。』
の、主人公達の前世の物語となります。
こちらの話の中で語られていた二人の前世を掘り下げた話となります。
❋注意❋ 二人の迎える結末に変更はありません。ご了承ください。
姉の所為で全てを失いそうです。だから、その前に全て終わらせようと思います。もちろん断罪ショーで。
しげむろ ゆうき
恋愛
姉の策略により、なんでも私の所為にされてしまう。そしてみんなからどんどんと信用を失っていくが、唯一、私が得意としてるもので信じてくれなかった人達と姉を断罪する話。
全12話
私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜
みおな
恋愛
大好きだった人。
一目惚れだった。だから、あの人が婚約者になって、本当に嬉しかった。
なのに、私の友人と愛を交わしていたなんて。
もう誰も信じられない。
ほんの少しの仕返し
turarin
恋愛
公爵夫人のアリーは気づいてしまった。夫のイディオンが、離婚して戻ってきた従姉妹フリンと恋をしていることを。
アリーの実家クレバー侯爵家は、王国一の商会を経営している。その財力を頼られての政略結婚であった。
アリーは皇太子マークと幼なじみであり、マークには皇太子妃にと求められていたが、クレバー侯爵家の影響力が大きくなることを恐れた国王が認めなかった。
皇太子妃教育まで終えている、優秀なアリーは、陰に日向にイディオンを支えてきたが、真実を知って、怒りに震えた。侯爵家からの離縁は難しい。
ならば、周りから、離縁を勧めてもらいましょう。日々、ちょっとずつ、仕返ししていけばいいのです。
もうすぐです。
さようなら、イディオン
たくさんのお気に入りや♥ありがとうございます。感激しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる