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聖女は経費削減のためにリストラされました
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「聖女イデアよ、もう祈らなくとも良くなった」
「一体どういうことですか陛下? 国の結界はもういらないということですか?」
「そういうことだ。永きに渡り、ご苦労さんであった」
新米国王のロブリー=ブラークメリル陛下は、当然のことのような表情で私の任務を解任させてきた。
今まで歴代の聖女が国中に結界を張っていたからこそ、危険なモンスターの侵入を防いできていた。
その結果、国が荒らされることもなく地道に発展していたのだが……。
「結界を解いたことがモンスターにバレでもしたら、せっかく発展させてきた街が大変なことになるかもしれませんよ」
私は、ロブリー陛下の考えを改めてもらえるように必死になって訴えた。
ただでさえ、ロブリー陛下は部下や大臣の話や提案すら全く耳にしないことで有名だ。
それでも大事なことなので真剣な顔をして言った。
案の定、ロブリー陛下の顔色がどんどんと険しくなっていく。
「そんなことを言って、イデアもしょせん金目当てだったのか?」
「はい?」
「イデアの結界の力は当然私も理解はしている。だからこそ、年俸として国からの報酬を授けてはいた。だが、国として結界が必要もなくなったのに国の金を使うわけにはいかぬ。そんなところに経費などもったいない……」
この世界じゃ結界は必要不可欠だと思っている。
どの国でも聖女が結界を張ったり、それがダメでも騎士団の結成などを強化したりして、対モンスター対策は欠かせない。
「つまり、ロブリー陛下は今後は結界なしで国を発展させようとお考えなのですか?」
「もちろんだ。私が国王になったからには、ありとあらゆる無駄な経費を削除し、より豊かな国にしてみせようぞ。そもそも、結界をなくしてもモンスターが襲ってくるとはとても思えん。
だからこそ聖女の力など経費として使うわけにはいかぬのだ。それとも、これからはタダで結界を張ってくれるのかね?」
私にも生活がある。
聖女としての年俸だって、一般的な民衆が毎日働いて稼ぐ額よりも少ない。
しかも聖なる力を限界まで国中に発動しているため、他に仕事をするほど体力が残っていないのだ。
頼みの綱のわずかな年俸で、毎日少しばかりの食事で体力を回復させてきたのに、それがなくなったら結界すら存続させることができなくなってしまうだろう。
「安心したまえ。今回の私の政策において、経費削減するのはイデアだけではない」
それを聞いた瞬間、嫌な予感がした。
私だけリストラのような状態になったわけではないのかもしれない。
「一体どういうことですか陛下? 国の結界はもういらないということですか?」
「そういうことだ。永きに渡り、ご苦労さんであった」
新米国王のロブリー=ブラークメリル陛下は、当然のことのような表情で私の任務を解任させてきた。
今まで歴代の聖女が国中に結界を張っていたからこそ、危険なモンスターの侵入を防いできていた。
その結果、国が荒らされることもなく地道に発展していたのだが……。
「結界を解いたことがモンスターにバレでもしたら、せっかく発展させてきた街が大変なことになるかもしれませんよ」
私は、ロブリー陛下の考えを改めてもらえるように必死になって訴えた。
ただでさえ、ロブリー陛下は部下や大臣の話や提案すら全く耳にしないことで有名だ。
それでも大事なことなので真剣な顔をして言った。
案の定、ロブリー陛下の顔色がどんどんと険しくなっていく。
「そんなことを言って、イデアもしょせん金目当てだったのか?」
「はい?」
「イデアの結界の力は当然私も理解はしている。だからこそ、年俸として国からの報酬を授けてはいた。だが、国として結界が必要もなくなったのに国の金を使うわけにはいかぬ。そんなところに経費などもったいない……」
この世界じゃ結界は必要不可欠だと思っている。
どの国でも聖女が結界を張ったり、それがダメでも騎士団の結成などを強化したりして、対モンスター対策は欠かせない。
「つまり、ロブリー陛下は今後は結界なしで国を発展させようとお考えなのですか?」
「もちろんだ。私が国王になったからには、ありとあらゆる無駄な経費を削除し、より豊かな国にしてみせようぞ。そもそも、結界をなくしてもモンスターが襲ってくるとはとても思えん。
だからこそ聖女の力など経費として使うわけにはいかぬのだ。それとも、これからはタダで結界を張ってくれるのかね?」
私にも生活がある。
聖女としての年俸だって、一般的な民衆が毎日働いて稼ぐ額よりも少ない。
しかも聖なる力を限界まで国中に発動しているため、他に仕事をするほど体力が残っていないのだ。
頼みの綱のわずかな年俸で、毎日少しばかりの食事で体力を回復させてきたのに、それがなくなったら結界すら存続させることができなくなってしまうだろう。
「安心したまえ。今回の私の政策において、経費削減するのはイデアだけではない」
それを聞いた瞬間、嫌な予感がした。
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