蠱惑

壺の蓋政五郎

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蠱惑『最後の同窓会』

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 御成門の通用口から校庭を抜け校舎に入ると既に初老の男がいた。中田義男一期生卒業時56歳だった。生徒はひとりずつ中田先生に挨拶して自分の席に座る。
「先生はいつも早いですね」
 鎌倉の御成小学校は鎌倉御用邸が昭和六年に廃止され同八年から鎌倉群立御成尋常高等小学校として開校した。その一期生昭和十五年卒業生八回目の同窓会である。毎回8月15日、時間は三回目から深夜二時と決めた。22人が席に着いた。
「揃いましたか?」
 中田先生が生徒達を見回した。
「先生、関根君がまだ来ていませんよ」
 お喋りな徳増が言った。
「関根君はいつもの遅刻です、五分後の男ですから」
 神戸が言って舌を出した。生徒全員が笑う。
「そうですか、それじゃ仕方ない、あと五分待ちましょう」
 中田先生が時計を見た。
「先生は関根君には甘いですね、僕が遅刻した時はビンタを喰らいました」
 クラスで一番大きい麻生が立ち上がり言った。
「君の頬は痛かった、私の掌が腫れたよ。だからあれは私のビンタじゃなくて麻生君の頭突きを掌に喰らったと言うのが正しい」
 麻生が立ち上がり周りを見回しながら頭を掻いた。みなが大笑いする。
「中田先生、どうして関根君だけは特別、遅刻しても叱らなかった。ずっと教えてくれませんでしたね、今日は教えてくださいよ」
 庄屋の倅小泉が立ち上がり中田に訊いた。
「そうですね、これは関根君との約束だから、関根君が来たら本人から話してもらいましょう。もちろん関根君が了解すればのことですが」
 中田は生徒を見回して言った。ひゅーっと一瞬北風に変わった。
「遅れてすいません」
 関根は学帽を脱いで頭を下げた。
「それでは出席を取りましょう」
 吉永級長が出席名簿を読み上げる。呼ばれた子が『はい』と返事をする。『ほい』とかお道化る子もいる。
「男十五人女七人です、全員起立」
 中田先生が教壇の前に立った。
「おはようございます」
 中田先生の挨拶に全員が返した。
「みんな変わらないな」
 中田が見回して言った。
「通用門入れば全員高等小学二年生ですから」
 吉永級長が答えた。遅刻した関根だけが老けている。ともすれば中田先生より年上に見える。だがみなはそれを口にしない。
「岡田君、三枝さん、みんなに砂糖菓子を配ってくれませんか、関根君が用意してくれた菓子とラムネで乾杯しましょう」
 女子生徒が段ボールに入れられた紙袋をそれぞれの机に配った。ラムネはポリバケツに氷を入れて冷やしてある。
 身体の大きな麻生が女子のラムネの栓を抜いて回る。しゅわっと泡が瓶口から零れ落ちる。
「麻生君はやさしくありませんね」
 吉永級長に叱られる。女子に叱られて真っ赤になる麻生をみなが笑った。
卒業当時男女別クラスであったが、入学当時同クラスの男女混合同窓会にした。しかし男は男でかたまり女は女で盛り上がる。男女で一緒にいると冷かされたり虐められたりした記憶のままが同窓会でも反映されていた。そして吉永級長が立ち上がった。
「中田先生、これが最後の同窓会にしましょうと招待状に書いてありましたが残念です。もう続けられないのですか?」
 吉永級長が質問すると「そうだ、そうだ」とみなが賛同した。
「みんな静粛に、大きな声を出すと外に聞こえますよ。昔のように周りは畑じゃありませんからね」
 中田先生が唇に人差し指を当てると静かになった。ランプの灯が廊下を移動する。
「蚊が入るので線香を焚いて来ました」
 小使いさんの西尾さんが一礼して廊下を去って行った。関根が立ち上がり廊下に出て「ありがとうございます」と西尾の後ろ姿に礼をした。
「そうだ、その前に関根君」
「はい、先生」
「みなが君の遅刻の理由を知りたいと言うんだがどうだろう、今日が最後の同窓会、君から話しちゃくれまいか。実は先生もこのまま永遠のお別れじゃ胸の痞えが取れないままだ。それに君の五分遅れを見逃して麻生君にはビンタをした。生涯麻生君に恨まれてもかなわない」
 みなが笑うと麻生が立ち上がりぺこんと頭を下げた。関根は立ち上がった。
「すいませんが座ったままでいいでしょうか、足腰が痺れるもので」
 みなが拍手で了解した。師の前で発言するのに着席のままでは黒板消しが飛んでくる。そんな高等小学校の授業だった。関根は一度立ち上がり中田先生に一礼して着席した。
「私の遅刻の理由は難しいものではありません。貧しさゆえに畑仕事を手伝っていただけです。父は満州へ出兵していました。病弱な母と幼い私とで畑仕事をしておりました。畑と言っても僅かばかりでしたが生計はそれに頼る以外にありません。私が尋常小学校に入学するには早朝に畑の収穫をしておかなければなりませんでした。母一人で収穫作業は困難でした・・・・・

『正男、学校に遅れるよ』
 ゼンマイの目覚まし時計を持ち歩き、畑の柿の枝にぶら提げて置くのです。ジリリリリリーンと鳴ると私に叫ぶのでした。七時半ですが五分遅れていました。
『全速で走ればまだ間に合うよ母ちゃん』
 私はそう言って野菜を集めました。うちの庭まで運んでおけば後は母が一人でぼちぼちと出来る。私は毎日の日課としました。中田先生に職員室に呼ばれ遅刻の理由を話すよう言われましたが私は黙っていました。下を向いてずっと我慢していました。はっきり言えば先生も許してくれると思っていましたが、苦しく貧しいのは僕だけじゃない、クラスの全員がそうでした。だから私だけが家の事情だと打明けることは出来ませんでした。もっと早く明るくなればと太陽に八つ当たりしたこともあります。ある日学校から帰ると中田先生が土間に居ました。母と話をしていました。僕が挨拶すると先生は立ち上がり僕の肩を叩いて帰りました。
『どうして遅刻してると母ちゃんに言ってくれなかった』
 母は悲しそうに言った。僕は先生を追いました。
『先生、なんで母ちゃんに言ったんだ、僕を叱ればいいじゃないか』
 私は悔しくて中田先生に体当たりしました。先生は腹で受け止めました。私の力は先生の綿のような腹に吸収されてしまいました。先生が私より先に母親に話したことが悔しくてなりませんでした。病弱な母にまたひとつ新たな病気をうつしてしまった」
 ここまで話して関根は咳き込んだ。持ち歩いている痰専用の手拭いに下を向いて吐き出した。吉永級長が関根の背を摩った。関根の背中は骸骨のように骨だらけだった。
「ありがとう吉永級長」
 中田先生が今回で同窓会を終わらせようと持ち掛けたのは関根の体調かもしれないと思った。
「関根君、ありがとう、ここまで無理して同窓会の段取りをしてくれていたのね」
 吉永級長は関根を見つめて言った。深い皺、シミだらけの頬、鼻毛、耳毛、学生服と帽子を被っていなければ老人である。関根はゴホンと咳払いをしてまた話し始めました。
「それから中田先生は私の遅刻を叱らなくなりました。麻生君が一度遅刻した時に往復ビンタを喰らった。その時には心苦しくもありました。・・・・
『おはようございます』
 母と私は飛び起きました。時計はまだ三時です。僕は鎌を持って土間に向かいました。
『誰だ』
『私だ、先生だ、今日は遠足だからお前に遅刻させない。先生も畑手伝う』
 中田先生は国で畑仕事の経験があり僕たち親子の倍も働いてくれました。泥だらけになり汗まみれになり、いつもより一時間も早く終わりました。それからも学校で催し物がある時には必ず手伝いに来てくださいました。卒業後すぐに母は亡くなりました。私は十四で一家の主となり、父の帰還に備えて畑を護りました。中田先生は休みの度に訪ねて来て下さり畑仕事を手伝ってくれました。鎌倉は幸い大きな空襲もなくみなが無事に終戦を迎えたことを知り安心していました。みなさんが五分遅れを心配してくれていたならもったいないことで、本当はみんなのために動かなければならない中田先生の貴重な時間を私達親子に割いていただいたのは申し訳ない、この通りです。許してください」
 関根は立ち上がり詫びた。吉永級長が立ち上がり拍手をすると全員が立ち上がり関根と中田に拍手を送った。
「俺の遅刻の原因は夜更かしの寝坊だから往復ビンタは当然だよ」
 麻生が場を明るくした。
「線香の替えを持ちました」
 小遣いさんの酒井が静かにバケツを入れ替えて廊下を戻る。関根が立ち上がり廊下に出て酒井に一礼した。
「中田先生、どうして同窓会を今回で辞めてしまうんですか?みんな続けたいのに」
 女子の三枝が唇を尖らせて聞いた。
「そうだそうだ、戦前戦中戦後ずっと続けて来たのに楽しみがなくなるよ」
 お調子者の神戸が囃した。
「みなさん、中田先生にはそれなりのお考えがあってのことです。静粛にしてお話を伺いましょう」
 吉永級長が騒ぐみなを制した。教室は無音となった。線香の灰が落ちる音が聞こえる。中田先生は壇上から下りて生徒と生徒の間を歩き始めた。
「先ずみんなに礼を言いたい。私はみんなのお陰でこうして同窓会に参加してこられた。君達一期生が卒業当時昭和十五年、私はその時既に五十六歳でした。十年ごとにこの教室で同窓会を開こうと約束してから、二十五年、三十五年、四十五年、五十五年、平成に入り元年、十年、二十年、そして八回目の今日が平成三十年です。生きていれば百三十六歳。昭和三十一年に北鎌倉駅で脳梗塞で倒れそのまま死亡しました。死んでからの方がずっと長くなりました。そしてみなさんもそれぞれの人生を全うされた。二年前に小泉君が入浴中に意識を失い溺死された。そして今存命されているのは関根君だけになりました。その関根君も九十五歳で次回は無理だと連絡をいただきました。みなさんが御成門の通用口から入られるときに車椅子を押している男性がいたでしょ、彼が関根君のお孫さんです。この世の者でなければ通用口は開けられない。私達死人だけではもう校舎に立ち入ることは出来なくなるのです」
 教室の後ろドアが開いた。小遣いさんの酒井さんが線香を取り替えた。その間中田先生は話を止め、みなも酒井さんの所作を見ている。
「これで三炷(シュ)になります」
 酒井は一礼して廊下を戻って行く。線香が三本消える前にそれぞれの場所に戻らなければならない。霊会の約束事である。関根は立ち上がり酒井を見送った。
「私は死んですぐに天国や地獄に行けると思っていましたが実際はそうではなく死んだ場所に留まり、そこにほぼ永遠に居続ける。みんなもあの世に行ってから知ったでしょう。そしてそこに留まり人生を振り返り良いことから悪いことを引き算して残った数が多い人から順に天国に行ける。マイナスになった人は地獄に落ちる。幸い私はプラス2でした。ぎりぎり天国に行けるカードをいただきましたが相当先のようです。死後道先案内人が北鎌倉駅鎌倉寄り上りベンチに私を尋ねて来てそう伝えてくれました」
「中田先生がたったのプラス2じゃ俺は絶対地獄だな」
 麻生が首をしょげた。
「そう落ち込むことはありません。悪いことには嘘も含まれます。私は戦中教育で自分の意思に反してみんなに嘘を教えて来ました。その数は膨大です。先生の嘘を信じて特攻隊に入った生徒もいます。プラス2の評価は出来過ぎだと思っています」
 カサッと線香の燃えカスが崩れバケツの縁に擦れる音が聞こえた。
「中田先生、あと五分です」
 関根がバケツを覗いて言った。中田は頷いた。
「先日、関根君が体力の限界を伝えに北鎌倉駅まで来てくれました。私が脳梗塞で倒れた時に一緒にいた関根君は私が死の世界に旅立つ瞬間まで私の手を握り締めていてくれた。それで彼と私は永遠に繋がったのです。そしてここまで続けて来られた同窓会ですが、関根君の体調悪化により今回で中止と決めました。そうです御成門の通用口はもうここにいる誰にも開けられないのです」
 関根は立ち上がり杖を突いて歩き出した。廊下に出ると小遣いさんの酒井が見送りしている。関根の後を中田先生が進みぞろぞろとみなが続く。関根が肉の削げた腕で通用口を開けて校外に出た。通用口はこの世とあの世の境界で校外に出れば死んだときの姿に戻る。中田が出る。顔と左半分が麻痺している。
「先生、孫の車で北鎌倉駅まで送りますから、あの車でお待ちください」
 中田は会釈して車の屋根から後部座席に侵入した。関根の孫武志はこの同窓会のために運転を頼まれたのは二回目であった。祖父の不思議な言動と行動に始めは認知症と確信し家族に伝えたが、日頃の祖父が発する冴えた脳からして、誰もが信じなかった。定職に就かず農学博士の祖父の秘書を務めている武志は二回目の祖父の同窓会で祖父のおかしな言動が何であるかを感じたかった。
「あっ、おじいちゃん、車に誰か乗ってる」
 武志が目を丸くしている。
「感じたのかねお前も。ああ、私の師だよ、農業のイロハを教えていただいた。北鎌倉駅まで送っておくれ」
 吉永級長が通用門を潜った。全身焼け爛れてお腹が膨れている。
「吉永さんは東京でしたね?」
「上野ですわ、二十歳の時嫁ぎ先で空襲に遭いました。もう一月早くこの子が生まれていれば顔を見れたのですが残念です。こちらの世界に来てからもずっと腹を抱えて上野の森にじっとしています」
 吉永級長は焼け爛れた手で腹を摩った。
「あなたほど級友思いはいないでしょう。いつもあなたが揉め事の間に入り仲直りさせていた。時には女のくせにと罵声を浴びせられていたのを想い出します。それでも毅然と立ち向かっていた。私が遅刻を責められている時も、理由も聞かないで攻めるのは卑怯者よ、と庇ってくれたのを覚えています」
「関根君こそここまで続けてくれてありがとう。だって死んでから八回もみんなに会えたんだもの、こんな嬉しいことはないわ」
 関根は吉永の爛れた手を握った。すると皮がベロット剥けて地面に落ちた。関根が謝ると笑顔で首を振った。その手は熱く、焼けた時のままずっと続いているのである。
「吉永さんには一早く天国から迎えが来るでしょう。神様がほっておかない。お腹のお子さんとご家族とずっと仲良く幸せに暮らしてください」
「ありがとう関根君、あなたこそ思い残すことが無いようにね」
 吉永級長がカーテンを開けるように手を広げると目の前に火の海の上野が映し出された。その画面の中に消えて行った。
「小泉さんは確か金毘羅さんでしたね」
「ええ、友人と金毘羅参りに行って宿の個室温泉で寝てしまい溺死しました。なんともはや面目ない死に方で笑ってやってください」
 小泉は服を脱ぎ右足を上げるとそこに檜風呂が現れた。足から全身浸かった。首まで浸かり潜水艦が潜るようにぶくぶくと泡を吹きながら苦しんでいる。『プハッ』と息継ぎをして『お元気で』とまた潜った。その繰り返しが使者が来るまで永遠に続く。
 最後に残った身体の大きい麻生が通用門を潜った。潜り終えると手で首を抑えている。首が半分切れかかり押さえていないと落ちてしまうからだと言う。
「麻生君は交通事故でしたね、新聞を見て驚きました」
「私はここまで生きたからいいが犠牲になった親子は報われません、関根君、あなたも交通事故だけは気を付けてくださいよ。それでは」
 麻生がしゃがむと車の中に座っている。目の前にいた親子がフロントガラスに突っ込んでくる。
「これを毎日ですか?」
 関根は目を背け麻生に訊いた。
「ええ、三秒に一度繰り返します」
 関根の前で二度繰り返され消えて行った。
 通用口の中に小遣いさんの酒井がランプを持って立っている。
「毎回見送りまでしていただきありがとうございます」 
 関根が酒井に深く礼をした。
「いやあこれしき、通用口の段差にでも躓いてはいけませんから」
「酒井さんはこちらでしたね」
「ええ、鎌倉で数少ない戦死者の一人です。子供達を追って運動場を走って逃げたんですけど、手洗い場で機銃掃射に」
「残念です」
「いやあ、毎日子供等が水飲みするのを見ているのが楽しみですよ。もう七十五年間生徒を見送っています」
「今日はありがとうございます」
「寂しいですね、一期生の最後の同窓会ですか。いやお疲れさまでした。関根さんはまだまだお元気ですがあの世とはこれで縁切りですか?」
「そうですねえ、神様のお決めになることですから」
 二人は笑顔で一礼した。後ろを向く酒井の背中は穴だらけでその穴の先に三日月が見えた。通用口がひとりでに閉まった。コンと閂が収まる。武志の押す車椅子に座る。関根を助手席に座らせ車椅子をトランクに仕舞った。運転席に座りシートベルトをする。関根がシートベルトの差し込みに難儀しているのを見て武志が身の乗り出して差し込む。
「やさしいお孫さんですね」
 後部座席の中田先生が言った。関根が笑って首を振った。
「大学を中退して私の秘書もどきをしています。感心なのは山崎辺りにまだ残る田畑に手伝いにやらせていますがそれはさぼらずに続けているようです」
「そうですか、私ももう一度畑仕事がしたい。国じゃずいぶんとやらされました。なにしろ手伝わなければ学校に通わせてもらえませんでしたからね」
 武志は祖父の独り言を聞いていた。だが祖父以外の息も感じていた。
「おじいちゃん、今度中田先生を山崎の畑に連れて行ってあげようよ」
 武志が見えない中田をバックミラーで探る。
「ああ、そうしよう、私が動けるうちなら通じているから。だが早い方がいいな」
 関根は武志に言った。北鎌倉駅に到着した。
「ありがとうございます」
「武志、中田先生はお身体不自由だから車椅子でベンチまで送ってあげなさい」
 武志が車椅子を広げ後部座席のドアを開けた。中田が座ると座布団が沈んだ。
「中田先生、近いうちに伺います」
「ありがとう関根君」
 関根は武志の腕を軽く押した。
「おじいちゃん、駅の改札まだ閉まってる」
 関根が杖を突いて改札に行く。
「吉川さん、吉川さん、中田先生をお連れしました」
 関根が中に向かって駅員を呼んだ。
「お帰りなさい」
 自分の首を右脇に抱えた駅員が出てきた。
「お休みの所申し訳ありません」
「いやあ、暇してますから」
 小脇の顔が笑った。関根が武志に改札を通過するように言った。
「このエレベーターが出来たから便利になった」
 武志と中田が二人切りになった。
「地震だ」
「こりゃ大きいね」
 エレベーターが止まった。吉川駅員が首を回して中を覗いている。電気が付いた。動き出した。武志に中田が見えた。上りホーム木の長椅子に座らせた。
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