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第五章:プリンセス、最果ての地に散る
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そして今私とルクス様は第二の試練に挑んでいる。
そしてある意味お約束な展開となっている。
何故なのか……? どうしてなのか? 確かにお姉様にこの試練はさせられない。妙に次は私の番だと張り切るお姉様を宥めるのにすごく苦労した。
だってそうでしょ!? 赤、青、黄、緑。四色の丸が六つずつ一列に並べて描かれたマットを前にした時、私の目からは確実にハイライトが消えたことでしょう。このゲームをお姉様にさせるわけにはいかない!! 私とプレイするならともかく、殿方とさせるわけにはいかない。断じてそれだけは許可できない!!
挑戦者の一人は勇者様で確定だとしてもう一人を誰にするか……私としてはメルさんに押しつけたかったのだけれど、第一の試練をクリアした彼女に押し付けるのはさすがに憚られた。かといってノインさんにさせるわけにも……清廉な騎士の恥ずかしがる姿というのも見たくはあったけれど……。しかし、彼女も失敗したとはいえ最初の試練に挑んでいる。
必然的に私かお姉様にスポットが当たる。
仕方がない。お姉様にさせるくらいなら私が。
説得にはかなり骨が折れたけれど何とか私に譲ってもらった。譲って貰いたいようなものではないのだけれど、お姉様にさせるわけにはいかないのでそれこそ乾いた笑いを浮かべながら喜んだわよ。
そしてゲームを開始したわけだが……始まって数手目には私とルクス様はなかなか際どい感じに接することになった。
望んで挑んだとは言えこれはなかなか辛い。二人きりならともかくとしてみんなの前でエ□モード全開になるわけにはいかない。疼く体をとにかく宥めすかして耐えに耐えて……。
それでもルーレットの目は無情にも若い男女を絡め合おうといやらしい目を指定してくる。狙ってやってるでしょ!? 何度もそう言いたくなった。
今も限界まで伸ばした手足で辛うじて体を支えているのだけれど……微妙な感じで胸やアソコに彼の体が当たって体が官能に震えている。
「ルク……スさま……」
「くっ、わかっている! だが堪えてくれ!!」
同じような体勢でバランスを保つルクスさま。彼の手脚に乗るような体勢の分私の方がまだ余裕があるのかもしれないけれど……ん……。ぁぁ体が熱い……。
「おい、早く次を!!」
「左様でございます。次のルーレットをどうぞ回してくださいませ」
執事のセバスさんがメイドのメアリーの抱えるルーレットを指し示す。
「あと三回ですわね……右手を青……ルクス!」
「聞こえた。右手をあ……お……だろ……うっ!?」
今彼の右手は私の胸の下を通って左手の所にある。この手を青色のマスに移動するには……。
私の手の向こう側にあるあのマスしか無い。
「ルクス様……構いません、どうぞアソコへ手を……」
「しかし!?」
「そこしかありません。ここまで来て失敗するのは嫌です!! 私なら平気ですからどうか!!」
「………………わかった。すまない」
ゆっくりとルクス様が手を伸ばすと半分仰向けになっているルクス様の顔が私の胸の前にやってくる。
ぁん……んん……。
お互いに限界まで体を伸ばしているから触れているというか押し付け合っているような状態で……。
「んくっ!? ブハァッ!! こ、これは厳しい!?」
「ぁ……ぃゃ……だ、ダメです!? 喋らないでくださいっ!!」
「す、すまない!! ワザとではないんだっ!!」
「あ、ぃゃ……で、ですから……話してはダメ……ンァ……れす……」
動きやすいようにとお互いに軽装になったのが仇になっている。勿論前提条件として軽装でなければこのようなゲームは不可能なのだけれど、それでも鎧を着ていればなどとは思ってしまう。
ルクス様が喋る度にその唇の動きを薄手の生地越しにハッキリと感じてしまう。そしてその場所も不味い。既に私の体は完全に快楽に喜んでしまっているのだから。胸なんてそれをこれでもかと主張するアレがあるわけで……。
それが今確実に彼に伝わってしまった。ピンと尖った胸の先端が彼の口元に押し付けられているのだから……。
ぃやぁ……恥ずかしい……。
「さぁ辛うじてバランスを保っておいででございますな。そしてルクス様は随分と役得でございますな、羨ましい。これほどお美しい女性と密着しておいででございますからね。興奮してどこかを滑らせなければいいですな、むふふ」
「不潔ですねエロ執事様」
「何を言うのです!? 男として当然の感覚でございましょうーーですよねルクス様? 貴方様からも何か言ってやってくださいませ」
「バカですか? ルクス様が言えば女の子は「きゃー♪ えっちー♪」でセバス様が言えば「変態! 近寄らないで!!」ですわ」
「酷くありませんかな!? 同じ男ですよ!?」
「鏡をご覧くださいませセバス様」
「笑顔で言うセリフではありませんな……まったく」
「い、いつまで無駄話をするつもりだ! 早く次にいけ!!」
「ぁん……」、
ぃやん……喋らないで……。
「きゃぁ~~キラリ様頑張ってくださいませ」
メアリー棒読み過ぎよ……。
「はいはい、次は私の番だねぇ……」
次はメルさん。そして動くのは私。体勢的には十分どの色でも可能だと思うのだけれど、あう……。ルクス様と触れ合っている部分が……。
「キラリさん! 右手を赤ですわ!!」
ルーレットの目は右手、赤……。
「は、はい……」
届きそうなところは……えっ……。
「これは……うらやま……じゃなくてルクスファイト……だねぇ」
「ノインーー」
「止むを得まい。キラリ外側は無理だ。内側へ行け。私が許可する! ルクス耐えるんだ!」
「お、おう?」
ぁん……だから喋らないで……それともわざとですか?
ただでさえあなたの呼吸で感じているのに唇が動くと色々と辛いのですが……。
「う、動きますね……」
私の右手は今ルクス様の股の間。この右手を内側へ……と言うことは確実に彼のアソコを抱えるような格好になってしまう。外側にも赤のマスがあるけれどそちらに手を伸ばすためには今よりも姿勢を下げなくてはいけない。でもそれは不可能。今でもルクス様の上に乗っているような状態だからこれ以上は彼の体が床に触れてしまう。手や足以外が触れるとゲームセットだから、仕方がないのよ。男の人のアソコを抱えてしまうけれどこれは不可抗力、仕方がない事なのよ!!
自分に言い聞かせるように繰り返して……いざ!!
それにしても勇者の股間を抱く魔族だなんて前代未聞、史上初ではないかしら……?
行くわよ! 一度体重を左手にかけてからーー。
「ぁぁん……ぅん……」
胸が……。でも右手を内側にできた分体勢が良くなった。お陰で体を押し付け合っていた状態からお互いに見つめ合っているような感じに……。しかも密着度は下がったと言っても十が八になったくらいで相変わらず相手の体温を感じられるほどにはくっついている。
「ルクス様……」
あ……思っていたよりもずっと艶のある声が……。
「キラリ……」
ルクス様の表情にもいつもの精悍さがなくかなり無理をしているのではないかしら。
「こ、これは不可効力だから……自然なことだからどうか気にしないでくれ」
「あ、はい……」
そう自然の摂理だわ。私の体が熱くて少し、ほんの少し発情状態なのもあくまでも自然の摂理なのよ。そうよ。勇者様のアソコが立派なサイズと硬さなのもそう言うこと……。
「すまない。まさかこんな事になるとは……」
「気にしないでください……。誰も予想出来ませんでしたから……こんな事になるだなんて……」
いや予想通りですよある意味。だからこそお姉様にはさせられなかったのだし。
予想外なのは私と勇者がイチャイチャとこんなエ□ゲームを真面目にしてることかしらね。
ホント、まさか勇者様とこんな事をすることになるだなんて思いもしなかったわ。
……というかこの感想何度目かしら?
「――次が最後だな」
勇者様の目に強い光が宿る。私が魔族ではなければ……魔王の娘でなければ……。色々と違った未来があったかもしれない。
本来ならこんな風に仲良くエ□イベントをする様な関係ではないはずなのにね。
でも今は共に戦う仲間。だからーー。
「ルクス様、クリアしましょう!」
聖女様達に視線で合図を送る。
いよいよ次がラストだ。途中何度か色々な意味でピンチはあったけれど、これでクリアね!
聖女が回すルーレット。その目が私たちの命運を握る運命の一手。
さぁ! 幸運の女神よ私たちに微笑んでちょうだい!!
シャーッというルーレットの回転音が小さくなりそして止まる。
「「「………………」」」
何故かみんなの表情が引きつっている。
これはもうあれねアレ。嫌な予感しかしねぇぇぇぇぇっっ!!! って言うラノベの主人公の口癖みたいなやつよ!! 何でよ!! この世界そういうの多くない!?
そしてある意味お約束な展開となっている。
何故なのか……? どうしてなのか? 確かにお姉様にこの試練はさせられない。妙に次は私の番だと張り切るお姉様を宥めるのにすごく苦労した。
だってそうでしょ!? 赤、青、黄、緑。四色の丸が六つずつ一列に並べて描かれたマットを前にした時、私の目からは確実にハイライトが消えたことでしょう。このゲームをお姉様にさせるわけにはいかない!! 私とプレイするならともかく、殿方とさせるわけにはいかない。断じてそれだけは許可できない!!
挑戦者の一人は勇者様で確定だとしてもう一人を誰にするか……私としてはメルさんに押しつけたかったのだけれど、第一の試練をクリアした彼女に押し付けるのはさすがに憚られた。かといってノインさんにさせるわけにも……清廉な騎士の恥ずかしがる姿というのも見たくはあったけれど……。しかし、彼女も失敗したとはいえ最初の試練に挑んでいる。
必然的に私かお姉様にスポットが当たる。
仕方がない。お姉様にさせるくらいなら私が。
説得にはかなり骨が折れたけれど何とか私に譲ってもらった。譲って貰いたいようなものではないのだけれど、お姉様にさせるわけにはいかないのでそれこそ乾いた笑いを浮かべながら喜んだわよ。
そしてゲームを開始したわけだが……始まって数手目には私とルクス様はなかなか際どい感じに接することになった。
望んで挑んだとは言えこれはなかなか辛い。二人きりならともかくとしてみんなの前でエ□モード全開になるわけにはいかない。疼く体をとにかく宥めすかして耐えに耐えて……。
それでもルーレットの目は無情にも若い男女を絡め合おうといやらしい目を指定してくる。狙ってやってるでしょ!? 何度もそう言いたくなった。
今も限界まで伸ばした手足で辛うじて体を支えているのだけれど……微妙な感じで胸やアソコに彼の体が当たって体が官能に震えている。
「ルク……スさま……」
「くっ、わかっている! だが堪えてくれ!!」
同じような体勢でバランスを保つルクスさま。彼の手脚に乗るような体勢の分私の方がまだ余裕があるのかもしれないけれど……ん……。ぁぁ体が熱い……。
「おい、早く次を!!」
「左様でございます。次のルーレットをどうぞ回してくださいませ」
執事のセバスさんがメイドのメアリーの抱えるルーレットを指し示す。
「あと三回ですわね……右手を青……ルクス!」
「聞こえた。右手をあ……お……だろ……うっ!?」
今彼の右手は私の胸の下を通って左手の所にある。この手を青色のマスに移動するには……。
私の手の向こう側にあるあのマスしか無い。
「ルクス様……構いません、どうぞアソコへ手を……」
「しかし!?」
「そこしかありません。ここまで来て失敗するのは嫌です!! 私なら平気ですからどうか!!」
「………………わかった。すまない」
ゆっくりとルクス様が手を伸ばすと半分仰向けになっているルクス様の顔が私の胸の前にやってくる。
ぁん……んん……。
お互いに限界まで体を伸ばしているから触れているというか押し付け合っているような状態で……。
「んくっ!? ブハァッ!! こ、これは厳しい!?」
「ぁ……ぃゃ……だ、ダメです!? 喋らないでくださいっ!!」
「す、すまない!! ワザとではないんだっ!!」
「あ、ぃゃ……で、ですから……話してはダメ……ンァ……れす……」
動きやすいようにとお互いに軽装になったのが仇になっている。勿論前提条件として軽装でなければこのようなゲームは不可能なのだけれど、それでも鎧を着ていればなどとは思ってしまう。
ルクス様が喋る度にその唇の動きを薄手の生地越しにハッキリと感じてしまう。そしてその場所も不味い。既に私の体は完全に快楽に喜んでしまっているのだから。胸なんてそれをこれでもかと主張するアレがあるわけで……。
それが今確実に彼に伝わってしまった。ピンと尖った胸の先端が彼の口元に押し付けられているのだから……。
ぃやぁ……恥ずかしい……。
「さぁ辛うじてバランスを保っておいででございますな。そしてルクス様は随分と役得でございますな、羨ましい。これほどお美しい女性と密着しておいででございますからね。興奮してどこかを滑らせなければいいですな、むふふ」
「不潔ですねエロ執事様」
「何を言うのです!? 男として当然の感覚でございましょうーーですよねルクス様? 貴方様からも何か言ってやってくださいませ」
「バカですか? ルクス様が言えば女の子は「きゃー♪ えっちー♪」でセバス様が言えば「変態! 近寄らないで!!」ですわ」
「酷くありませんかな!? 同じ男ですよ!?」
「鏡をご覧くださいませセバス様」
「笑顔で言うセリフではありませんな……まったく」
「い、いつまで無駄話をするつもりだ! 早く次にいけ!!」
「ぁん……」、
ぃやん……喋らないで……。
「きゃぁ~~キラリ様頑張ってくださいませ」
メアリー棒読み過ぎよ……。
「はいはい、次は私の番だねぇ……」
次はメルさん。そして動くのは私。体勢的には十分どの色でも可能だと思うのだけれど、あう……。ルクス様と触れ合っている部分が……。
「キラリさん! 右手を赤ですわ!!」
ルーレットの目は右手、赤……。
「は、はい……」
届きそうなところは……えっ……。
「これは……うらやま……じゃなくてルクスファイト……だねぇ」
「ノインーー」
「止むを得まい。キラリ外側は無理だ。内側へ行け。私が許可する! ルクス耐えるんだ!」
「お、おう?」
ぁん……だから喋らないで……それともわざとですか?
ただでさえあなたの呼吸で感じているのに唇が動くと色々と辛いのですが……。
「う、動きますね……」
私の右手は今ルクス様の股の間。この右手を内側へ……と言うことは確実に彼のアソコを抱えるような格好になってしまう。外側にも赤のマスがあるけれどそちらに手を伸ばすためには今よりも姿勢を下げなくてはいけない。でもそれは不可能。今でもルクス様の上に乗っているような状態だからこれ以上は彼の体が床に触れてしまう。手や足以外が触れるとゲームセットだから、仕方がないのよ。男の人のアソコを抱えてしまうけれどこれは不可抗力、仕方がない事なのよ!!
自分に言い聞かせるように繰り返して……いざ!!
それにしても勇者の股間を抱く魔族だなんて前代未聞、史上初ではないかしら……?
行くわよ! 一度体重を左手にかけてからーー。
「ぁぁん……ぅん……」
胸が……。でも右手を内側にできた分体勢が良くなった。お陰で体を押し付け合っていた状態からお互いに見つめ合っているような感じに……。しかも密着度は下がったと言っても十が八になったくらいで相変わらず相手の体温を感じられるほどにはくっついている。
「ルクス様……」
あ……思っていたよりもずっと艶のある声が……。
「キラリ……」
ルクス様の表情にもいつもの精悍さがなくかなり無理をしているのではないかしら。
「こ、これは不可効力だから……自然なことだからどうか気にしないでくれ」
「あ、はい……」
そう自然の摂理だわ。私の体が熱くて少し、ほんの少し発情状態なのもあくまでも自然の摂理なのよ。そうよ。勇者様のアソコが立派なサイズと硬さなのもそう言うこと……。
「すまない。まさかこんな事になるとは……」
「気にしないでください……。誰も予想出来ませんでしたから……こんな事になるだなんて……」
いや予想通りですよある意味。だからこそお姉様にはさせられなかったのだし。
予想外なのは私と勇者がイチャイチャとこんなエ□ゲームを真面目にしてることかしらね。
ホント、まさか勇者様とこんな事をすることになるだなんて思いもしなかったわ。
……というかこの感想何度目かしら?
「――次が最後だな」
勇者様の目に強い光が宿る。私が魔族ではなければ……魔王の娘でなければ……。色々と違った未来があったかもしれない。
本来ならこんな風に仲良くエ□イベントをする様な関係ではないはずなのにね。
でも今は共に戦う仲間。だからーー。
「ルクス様、クリアしましょう!」
聖女様達に視線で合図を送る。
いよいよ次がラストだ。途中何度か色々な意味でピンチはあったけれど、これでクリアね!
聖女が回すルーレット。その目が私たちの命運を握る運命の一手。
さぁ! 幸運の女神よ私たちに微笑んでちょうだい!!
シャーッというルーレットの回転音が小さくなりそして止まる。
「「「………………」」」
何故かみんなの表情が引きつっている。
これはもうあれねアレ。嫌な予感しかしねぇぇぇぇぇっっ!!! って言うラノベの主人公の口癖みたいなやつよ!! 何でよ!! この世界そういうの多くない!?
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