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12話 廃嫡②

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「そういえば、ロアナの婚約者だったウィリアム王子は廃嫡になったわよ」
「へっ」

 頭がいくら悪くても第一継承権を保有するからこそやりたい放題できていたウィリアム王子。私には少し意外な報告だった。

「そうね、ロアナには教えていなかったの。ロアナは優しくて賢いから自分のせいと考えてしまうのではないか、王太子に持ち上げてしまうのではないのか...てね」

 母上の言った言葉を聞いた時、私は過去の自分の行動を思い出した。母上や父上のためだったとはいえウィリアム王子に結果的に尽くしていた。大体がキャンセルかすっぽかされるかのスケジュール管理をしたりキャンセルとすっぽかした人達への謝罪のお手紙を送ったり、多分そこで知ってしまっていたら私の頑張りが少なかった反省しもっと頑張るだろう。それを分かっていて母上は教えなかったのね。

「実はロアナの婚約は四人いる王子の中の王太子になるもの、もしくはロアナが気にいる人ということで王家と合意していたの。それをきちんと王子達には説明をしたのだけれどウィリアム王子は聞いてなかったようね」

 それを知っていたのは母上の口ぶりと貴族たちの今までの対応からすると知っていたのは王家と父上母上のみ。それと可能性があるのは重鎮。

「こんなデタラメな婚約よろしいのですか?」

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