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人物裏話(BLネタ)

どこの世界にも・その肆

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※ ミッドランドの街にコウラルが戻ってきたことで、昔盛り上がっていたおねーさま方の妄想が再燃。BでLな方面です。
※ 耐性無い方は、回れ右でお願いいたします。
※ あくまでも、貴腐人の皆様の妄想ですよ?本編には関係ございませんよ??


*****************




「ファーマスさん。待って下さい!」

「・・・お前、今日も付いてくんのか。」

「はい!よろしくお願いします!」


黒の大剣を背負う赤茶髪の偉丈夫の後ろを、まだあどけなさが残る銀緑の髪の美少年がついて歩く光景。

国立学園騎士科に通う、コウと名乗るその少年は、長期休みとなると実家にも帰らず、冒険者ギルドミッドランド支部に入り浸り、A級ソロ冒険者であるファーマスの後ろにつき、冒険者としての心構えを学んでいた。

当初邪険にしていたファーマスも、強い冒険者になりたいと息巻くコウに絆され、次第に討伐に連れて歩くようになった。


「しっかし、お前、何で冒険者になりたいんだ?学園での成績は良いんだろう?」

「・・・僕の望みは、騎士では叶えられないんで。」

「ふぅん。そうか。」


コウはその望みを口にしないので、ファーマスもそれ以上は言わず、魔獣の特性や討伐方法、解体や、森の恵みの採取についてなどを教えていく。
コウの戦いのセンスは良く、また解体や採取は、誰に師事していたわけでもなかったのに、最初から手際が良かった。



順調に冒険者ランクを上げたコウは、最速でC級へと駆け上がり。
すっかりとファーマスの右腕としての地位を確立していた。

そんなある日人里近くの森にビグベルー熊モドキが出現との報告から、指名討伐依頼がなされ。
その討伐に、ファーマスはコウを伴った。

現れたビグベルー熊モドキは1体。
基本的にファーマスが引きつけて1対1で戦う。
コウは、時々現れる雑魚魔獣を片付けながら、隙を見て背後や足元など狙い、斬りかかっていた。

雑魚もいなくなり、ビグベルーもほぼ体力がなくなってきた頃合だった。

一旦ビグベルーの動きが止まる。
コウはその隙に、足元へと切り込んだ。


「馬鹿野郎!フェイクだ!!」


ファーマスの怒号と同時に、コウの死角からビグベルーの爪が振り抜かれる。


『まずいっ!』


この距離では避けられない。
身体強化をかけ、頭部をガードし、辛うじて来るべき衝撃に備えた。


『・・・あれ?』


しかし衝撃は来ず、目を開け見上げれば、目の前には、ファーマスが大剣でビグベルーの爪を封じている姿があった。


「さっさと斬れ!!」


後ろを振り返る事なく、ファーマスは怒鳴る。
その声に我に返ったコウは、長剣を握り直すと、身体強化と風魔法を合わせ、力任せにビグベルーの脇腹を掻き斬った。
断末魔の叫びをあげ、漸くビグベルーは地に沈んだ。


「馬鹿たれが!」

「いってぇ!」


思い切り脳天への一撃を喰らい、コウは蹲る。
大きな溜息を一つ吐き、ファーマスは向かいに座り込む。


「・・・コウ、最近のお前は、無茶をしすぎだ。何に焦ってる?」


先程までの怒号に代わり、蹲ったままのコウの頭を、大きな手で包むように優しく撫でる。


「何でそんなに、ランクアップを急ごうとする?慌てればそれだけお前の身を削る。もっとじっくりやっていいんだ。」

「でもっ、でも、それじゃぁ!」


がばっ、と顔を上げたコウは、泣きそうな顔でファーマスに詰め寄る。


「ファーマスさんが、1人で無理するじゃないですか!傷ついても何しても、代わりが居なくて、無理を押して依頼仕事に出ざるを得ないっ!僕はっ、だからっ・・・」


コウは、ファーマスの胸に縋り付いた。


「僕は、貴方の側で、貴方の助けになりたい。貴方の背を守りたい。貴方と共に生きたいんです!」

「コウ、お前・・・」

「だから、早く強くなりたい。早く大人になりたい。胸を張って、貴方の隣に立ちたいんです。お願いしますっ!」


涙目で必死に懇願するコウを、ファーマスはそっと腕の中に閉じ込める。


「そうか・・・ありがとうな。でも、大丈夫だ。お前は誰よりも強くなる。俺が育ててやる。・・・だから、あせらず、俺の側でゆっくり成長すればいい。俺が・・・大人にしてやるから。」


そっと身体を離すと、ファーマスはコウの頤に手を添える。
そして、慈しむように・・・







数年ぶりに、ミッドランドに戻ったコウは、ファーマスの姿を探す。
冒険者ギルドで、体躯の大きな赤茶髪を見つけ、駆け出していく。


「ファーマスさん!」

「あぁ、コウ・・・お帰り。」

「ただ今戻りました!僕、言われた通り、強くなりました。だから、ファーマスさん。」


コウは、ファーマスの首に手を回す。


「大人になれたか、確認してください。・・・貴方の側に居られるように。」



*****************



薄い本から顔を上げたリンは、側に置かれていた紅茶を啜り、一息吐く。


「・・・ホントに、この組み合わせあんだねぇ。」

「ですねぇ。ファーマスさんは、絶対王者攻めなんで、この組み合わせでは、コウさんは受け入れ側になるようですよ?」

「おねショタ・・・じゃなくて、おにショタって言うんかなぁ?コレ。若干光源氏計画っぽいけど。あぁ、でも16歳はショタではないか。」

「ショタも光源氏もわかりませんが。まぁ、この組み合わせだと、もれなくファーマスさんが手取り足取り腰取り溺愛、という流れが王道ですね。」

「ミーナちゃん、表現がオヤジや。」

「今更ですぅ。あと、最近では帰ってきたコウさんのご奉仕企画が多いようですよ?」

「・・・検索グー●ル先生ばりの解説どーも。」




*****************

※ 何だろう。ミーナちゃんの立ち位置が腐ネタ解説者だ・・・
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