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【IF】パラダイムシフト【R18】
其の陸 *
しおりを挟む「あーぁ、結局、コウさんだから、許しちゃうんですねぇ、リンさんは。」
こーくんの横から、ずい、と顔を出したカン君は、呆れたような、それでいて、どこかほっとしたような表情を浮かべる。
「んで?違いは分かったのか?」
「ひゃぅっ?」
「んっぁ・・・鈴、締め、ないでっ」
ファーマスさんが、私の背後から耳元で囁いてきた。
途端に、目の前のこーくんが身悶える。
思わぬ低音イケボのウィスパー攻撃に、腰辺りがぞわりとさざめいた所為で、まだ身体の奥にいたこーくんを締めあげてしまったらしい。
その様子を見て、くく、と低音で笑いながら、ファーマスさんが背中をするりと撫でて、追い討ちをかける。
「ひゃぁあんっ?」
「ほら・・・最後はコウなのは分かったんだろうけど・・・俺とカンは?どっちがどっちだった?」
ん?と耳朶に触れる程の距離で囁くから、力が抜けそうになって。
思わず、目の前のこーくんの首に縋り付く。
「やぁっ、らめぇっ」
「ん?どうしたぁ?なぁ、どっちだよ。」
「く、ぁっ、っ、鈴、ヤバい、っ」
さわり、さわり、と指の腹で背中の表層を撫で上げられる。
触れるか、触れないかの絶妙なタッチは、敏感になっている身体には、キツい刺激。
自分ではどうにも出来ないほどに、ビクビクと震えて。
どうも、お腹の奥が勝手に蠢いているみたいで、こーくんの熱を感じてしまう。
「ふぁぁ・・・っ・・・さい、しょが、ふぁーます、さん、でっ・・・つぎ、が、かんくん、らったぁ・・・」
ぴくり、と指が止まり、刺激が収まった事で一息つく。
ゆる、と、顔を上げると、カン君の不思議そうな顔。
「ホント、何で判別つくんですか?」
首を傾げる彼は、大きな手で、私の頬を撫でる。
それにすら、びくり、と感じてしまう。
「らって・・・おぉきさも、カタチも、そ、だけど・・・匂いが、ちがうからぁ・・・」
「あぁ、『魔力の香り』があるって、言ってましたね・・・」
あぁ、と納得した様子で、カン君は頷いた。
「じゃ、誰のが一番気持ちよかったの?」
「みゃっ!」
今度は、ぎゅ、と抱きしめられ、耳元でこーくんが囁く。
誰って、言われても・・・
「そんなの・・・」
「ん?」
にまり、と蕩けるような笑みを浮かべたこーくんの顔を見ていたら。
急に。ムカ、とした想いが湧き出てきた。
「・・・イッて、ない、から、しらにゃいっっ!」
「あ゛?」「へっ?」「なっ?」
3人の動きが止まる。
でもホント、知らんがな、です。
「アタシは、どエムじゃないっ!かおも、みえない!こえも、きこえない!しばられてっ、つっこまれただけで、なんてっ、きもちく、なんかにゃいっっ!」
「っ!」
思わず、本音がダダ漏れて、悔しくて、泣きそうになる。
でも、全然イケなかったのは確かだ。
寂しさと、怒りと、恐怖だけで、気持ちよさなんてなかった。
しかもあの状態は・・・あり得ないけど、3人以外のモノが入ってくるかもしれなかった、なんてこと、考えただけでも恐ろしくて。
「・・・こわかった・・・もん・・・」
ぎゅう、と、こーくんの首に回していた腕に力を込めて、首元に顔を埋めて、ぐすりと、鼻をすすった。
「あー・・・それは、スマン。」
「ごめんね、リンさん・・・」
「鈴、ホント、ごめん・・・」
私が本気で嫌だったのを、漸く分かってくれたみたいで。
しゅん、とした様子で、3人がそれぞれに謝ってくる。
「・・・もぉ、しない?」
「ん。しない、よ?怖い思いさせて、ごめんね?」
少しだけ身体を離したこーくんが、私の顔を覗き込んで、ちゅ、と額と眦と唇に軽く触れていく。
「リンさん、ごめんなさい。今度は、コウさんが暴走しそうになったら、ちゃんと止めますね?」
「え、僕のせい?」
「だろぅなぁ。」
「ん・・・おねがい、ね?」
「はい。」
若干、おちゃらけたような会話になりながら、カン君の大きな手がまた、私の頬を撫でて。
こーくんの首に回していた手を解かれて、その指先に口付けてきた。
「寂しい思いをさせて、スマンなぁ。」
背後に回っていたファーマスさんが、こめかみに頬をすり寄せてから、キスを落としてきた。
首を捻って後ろを向くと、さっきまで心配そうにしていた強面が、ニヤリと歪む。
・・・嫌な予感。
「でも、そうか・・・イッてなかったのか。それは悪いコト、したな。」
「ふみゃっ?」
よしよし、と頭を撫でられながら、首筋に吸いつかれる。
ペロリと耳朶を舐められ、背筋がぞわりとざわめいた。
「んぁっ?」
「そうだよなぁ。突っ込んで、男だけが気持ちよくなるなんて、無粋だよな。悪かった。ちゃぁぁんと、気持ちよくしてヤるからな?」
くくっと、意地の悪い忍び笑いが聞こえたかと思うと、急に背後から伸びた手が、きゅ、と胸の頂きを摘んできた。
いきなりの刺激に、身体が仰反った。
「ぃやぁぁああっん!」
「あっっ、こらっ、鈴っ締めないでってっ!ファーマスさん!!」
「ほら、コウ、八つ当たりは終わりなんだろ?甘やかしてやれって。」
「にゃぁっっ!やらぁっ!」
ファーマスさんはくつくつと笑いながら、両胸を揉みしだき、頂きへの刺激を続ける。
「ひゃぅっ!?」
そんな最中、左の爪先にぬるり、と生暖かい何かが這っていった。
こーくんの肩越しに見ると、カン君がかぱりと口を開けて、足先を口に含もうとしている。
「かんくんっ!にゃにしてんのっ!?」
「え?気持ちよくなってもらおうかと。」
「やっ!やらぁっ!きたないっ!」
私の拒絶はお構いなしに、彼は親指と人差し指を咥え、その間の股に舌先を入れられる。
その刺激と同時に、胸の頂きを捻られ、下から膨れ上がった楔がうちつけられた。
「にゃあっっっ!!らめぇっっ!!」
ジタバタしても、逃してもらえず。
あらゆる方向から、再度刺激を与えられ。
啼いても、何しても、離してもらえず。
結局、意識を飛ばすまで、されるがままに貪られた。
***
「・・・あてたら、おわりって、いったのに・・・うそつき。」
「「「ごめんなさい。」」」
次の日。
目覚めと同時に、悪戯してこようとした3人を牽制して、掛け布団に包まり、芋虫状態で籠城する。
【 清潔 】をかけてようが、【 回復 】かけられようが。
精神的な疲れは取れません。
「鈴、大丈夫?」
「・・・だいじょばないから、今日1日、近寄らんで下さい。」
「そんな、」
「3人で依頼受けに行ってください。」
「・・・スマンな。」
布団の中から手だけ出して、しっしと追い払う仕草をする。
すごすご、といった様子で大人しく部屋を出ていく3人の気配。
パタリと閉じたドアの音を聞いて、首だけ布団から出す。
あたりを見回して、3人が居ないことを目視で確認すると、ふぃ、と息を吐いて、大きく身体を伸ばす。
ちらり、と身体を見たら、そこかしこに紅い痕。
ーーー ワザと治してくれてない・・・し。
はぁぁ、と、今度は大きな溜息。
治っているはずの腰を、無意識的にさすりながら、ごろりとうつ伏せに転がり、枕を引き寄せた。
愛してる、と、かまってくれるのは嬉しいけど・・・
これは、重いわぁ・・・
そんでもって、悪ノリするし・・・
枕を抱え込んでいると、うとうとと、また、眠気が襲ってきた。
とりま、もう。
複数は勘弁してください。
皆んなが帰ってきたら、そう提案しよう・・・
そう心に決めて、私は微睡の中に落ちていった。
**************
※ これにて、『パラダイム・シフト』は終了です。かなーり、ほったらかしのままで申し訳ない限り。
※ ヤりだすと、コウがヤンデレ風味に傾くのは何故だろう・・・外れても当てても、終わらないってのはねぇ。・・・主人公、お疲れ様なり。
※ ちなみに、この後は、リンは生まれたままの姿で無防備に眠りに落ちてしまったため、帰ってきた3人が滾ったものの。理性を取り戻したカンが、慌てて2人を捕縛するという。そんなオチ。
※ カンと2人のアッチの話こそ、どうしようだなぁ・・・(ぼそ)
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(33件)
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タカ61(ローンレンジャー)様>
ご感想ありがとうございます(*´꒳`*)
あんなに滾ってたけど、どんどん冷静になって、ずーんとなったコウでしたw
イチャラブで見せつけながらかどうかは・・・( ̄∀ ̄)
オッサンがそれを許すかどうかですねww
miya 様>
こちらにもご感想ありがとうございます〜
(^_^*)
腐ネタは、ホント息抜きな感じなので。
斜め読みでどうぞw
基本的に主人公、甘え下手なので。
訳わかんなくなるくらい、モチャモチャ甘やかされちゃうのを目指しております。
拙い文ですが、喜んでいただけて嬉しいです(〃ω〃)
パラダイムシフトの続きですよねぇ・・・
完成させなきゃなぁと思いながら、テンション上がらないと、なかなかコチラにイけないのが申し訳ない限りです・・・
タカ61(ローンレンジャー)様>
お察しの通り、です。
大トリは彼ですよー。
果てさて、八つ当たり展開はどうなるのやら。
そして、いつ書けるのやらwww