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1,これを運命と言うのなら
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吹奏楽部の奏でる音。剣道部の放つ奇声。校舎のなかでトレーニングしている2軍のバスケ部の走る音。そして、教室にいる、彼女。
須藤南の女子にしては低い湿った声‥‥。
南は俺の、東 義彦の幼馴染み、兼俺の好きなヤツ。
「義彦。部活行かなくていいの?」
「お前が来いってゆったんだろーが」
南はくすくすと笑った。短い髪が揺れる。
「あのねぇ、義彦には内緒なんてできないし、したくないの。だからゆーね」
俺はゴクリと息を飲んだ。とうとう今日。
俺達は恋人に昇格するん―――
「ウチね、好きな人できたんだ」
は?
驚きで声が出なかった。
もう一度言う。南は俺の幼馴染み、兼俺の好きなヤツ。俺たちはずっと一緒に成長してきた。
そしてこれからもずっと一緒だと思ってた。恋人になって結婚して、一緒に歳をとって。
―――スキナヒトデキタンダ?―――
「‥‥マジで?」
「マジ」
頭がグルグルする。えーと俺は南が好きで、でも南は他に好きなヤツができて。
俺は南をみた。
そっぽをむいて、後ろに組んだ手をいじってる。
赤い。リンゴみたいに赤くなってる。あーぁ。これが俺に対してだったらな。
「どんなヤツだよ」
「それは‥‥‥‥」
南はひたいに手をかけた。考え事している時のクセだ。
「転校生なの。隣のクラスで、今とっても話題。チョーイケメン。カッコイイ!ってゆうよりかわいい系?。なんか風みたいな人だよ」
「風?」
南は頷いた。
「いつの間にか居ないの。ふら~ふら~って、でも爽やかに、綺麗に笑うの。」
風‥‥‥‥か。
「俺はまだ風になれないのか。」
陸上を初めたのは中学から。得意なのは走り高跳び。
でも、『君は飛べない。風になれてないんだもん』
あの時の、あいつのセリフ。俺の胸にはぐさりと。深く。深く刺さった。
あれからもうあんなことあいつに言わせねぇ。って頑張った。そしたら県の中総体でベスト4に入った。
この学校にはスポーツ推薦。誰もが俺の実力を認め、俺は1年ながら陸上部のエースとなる。
でも――――――
俺は南と別れ、階段を上った。
こんなぐちゃぐちゃの心でバーを飛びたくない。俺は図書室に入った。高藤先生いるかな?
高藤先生は、おっとりとした男の先生で、高い身長なのにひょろりとした体だから怖くない外見をしている。
しかし、高藤先生は居なかった。変わりに男子生徒がいた。カウンター席でお昼寝してる。今日みたいな晴天だと気持ちよさそうだ。
俺は窓際に行った。4階の窓。そこからは校庭が広くみえる。サッカー部、陸上部、隣のテニスコートにテニス部。野球部は外周の日だからいない。
みんな頑張っている。失恋したからってサボってるのがバカバカしくなる。でも―――
「初めての恋‥‥だったんだよなぁ」
南は。
「初めての恋‥‥ですか」
驚いて振り返る。そこにいたのは寝ていたはずの男子生徒。まぶたが半開きになっている。が。
「わーお」
イケメンだぁ。
艶のある髪。細い体。灰色の瞳。彼が図書室にいることが、えらく馴染んでる。まるで1枚なの絵画になろうほどのビジュアルだ。キレイだった。
「あれ。陸上部のかたですよね?部活に行かないんですか?」
「今の話を聞いてて言うかふつう。」
男子生徒はコテンと首を傾げた。かわいいな。
ん?
かわいい?
「あ!失れ…」
お前今『失恋』って言おうとしただろ。
俺はリョウシャないツッコミを入れる。男子生徒は申し訳なさそうに身を縮こませた。
ぎゅむむっと硬く口を閉ざす。別にそこまでしなくても。言いたいことはわかっちゃったし。(聞いちゃったし)
俺はふっと笑った。
「じゃあ俺行くわ。」
「え」
「お前と話てたらなんかスッキリしたわ。じゃあな。」
「あっあのっ、」
俺は男子生徒をみた。
「またきますか?」
(別に高藤先生に会いにしょっちゅう図書室に来るし。)
俺は頷いた。
男子生徒は嬉しそうに笑った。綺麗な顔。
俺は男子生徒に別れを告げ、階段を駆け下りた。
うん。スッキリしてる。
長年の恋が終わりを告げた。これからは南は俺の幼なじみで、友達で、もう終わった初恋の相手で。
「あ…」
俺は足をとめた。
やっべぇ。男子生徒の名前聞きそびれた。
まぁしゃーない。いいや。また明日があるんだから。
男子生徒は窓の外をみた。茜色になりかけの空。この時間のこの景色。転校してきて、初めて見た時は、感動した。
そして、いま。同じくらいの感動、いや。それ以上の感動を感じてる。
男子生徒は生徒玄関からでてきた義彦をみた。口もとが緩む。
「しゃべっちゃった」
気のせいか、真か。男子生徒の耳もほのかに茜色に染まっていった…。
須藤南の女子にしては低い湿った声‥‥。
南は俺の、東 義彦の幼馴染み、兼俺の好きなヤツ。
「義彦。部活行かなくていいの?」
「お前が来いってゆったんだろーが」
南はくすくすと笑った。短い髪が揺れる。
「あのねぇ、義彦には内緒なんてできないし、したくないの。だからゆーね」
俺はゴクリと息を飲んだ。とうとう今日。
俺達は恋人に昇格するん―――
「ウチね、好きな人できたんだ」
は?
驚きで声が出なかった。
もう一度言う。南は俺の幼馴染み、兼俺の好きなヤツ。俺たちはずっと一緒に成長してきた。
そしてこれからもずっと一緒だと思ってた。恋人になって結婚して、一緒に歳をとって。
―――スキナヒトデキタンダ?―――
「‥‥マジで?」
「マジ」
頭がグルグルする。えーと俺は南が好きで、でも南は他に好きなヤツができて。
俺は南をみた。
そっぽをむいて、後ろに組んだ手をいじってる。
赤い。リンゴみたいに赤くなってる。あーぁ。これが俺に対してだったらな。
「どんなヤツだよ」
「それは‥‥‥‥」
南はひたいに手をかけた。考え事している時のクセだ。
「転校生なの。隣のクラスで、今とっても話題。チョーイケメン。カッコイイ!ってゆうよりかわいい系?。なんか風みたいな人だよ」
「風?」
南は頷いた。
「いつの間にか居ないの。ふら~ふら~って、でも爽やかに、綺麗に笑うの。」
風‥‥‥‥か。
「俺はまだ風になれないのか。」
陸上を初めたのは中学から。得意なのは走り高跳び。
でも、『君は飛べない。風になれてないんだもん』
あの時の、あいつのセリフ。俺の胸にはぐさりと。深く。深く刺さった。
あれからもうあんなことあいつに言わせねぇ。って頑張った。そしたら県の中総体でベスト4に入った。
この学校にはスポーツ推薦。誰もが俺の実力を認め、俺は1年ながら陸上部のエースとなる。
でも――――――
俺は南と別れ、階段を上った。
こんなぐちゃぐちゃの心でバーを飛びたくない。俺は図書室に入った。高藤先生いるかな?
高藤先生は、おっとりとした男の先生で、高い身長なのにひょろりとした体だから怖くない外見をしている。
しかし、高藤先生は居なかった。変わりに男子生徒がいた。カウンター席でお昼寝してる。今日みたいな晴天だと気持ちよさそうだ。
俺は窓際に行った。4階の窓。そこからは校庭が広くみえる。サッカー部、陸上部、隣のテニスコートにテニス部。野球部は外周の日だからいない。
みんな頑張っている。失恋したからってサボってるのがバカバカしくなる。でも―――
「初めての恋‥‥だったんだよなぁ」
南は。
「初めての恋‥‥ですか」
驚いて振り返る。そこにいたのは寝ていたはずの男子生徒。まぶたが半開きになっている。が。
「わーお」
イケメンだぁ。
艶のある髪。細い体。灰色の瞳。彼が図書室にいることが、えらく馴染んでる。まるで1枚なの絵画になろうほどのビジュアルだ。キレイだった。
「あれ。陸上部のかたですよね?部活に行かないんですか?」
「今の話を聞いてて言うかふつう。」
男子生徒はコテンと首を傾げた。かわいいな。
ん?
かわいい?
「あ!失れ…」
お前今『失恋』って言おうとしただろ。
俺はリョウシャないツッコミを入れる。男子生徒は申し訳なさそうに身を縮こませた。
ぎゅむむっと硬く口を閉ざす。別にそこまでしなくても。言いたいことはわかっちゃったし。(聞いちゃったし)
俺はふっと笑った。
「じゃあ俺行くわ。」
「え」
「お前と話てたらなんかスッキリしたわ。じゃあな。」
「あっあのっ、」
俺は男子生徒をみた。
「またきますか?」
(別に高藤先生に会いにしょっちゅう図書室に来るし。)
俺は頷いた。
男子生徒は嬉しそうに笑った。綺麗な顔。
俺は男子生徒に別れを告げ、階段を駆け下りた。
うん。スッキリしてる。
長年の恋が終わりを告げた。これからは南は俺の幼なじみで、友達で、もう終わった初恋の相手で。
「あ…」
俺は足をとめた。
やっべぇ。男子生徒の名前聞きそびれた。
まぁしゃーない。いいや。また明日があるんだから。
男子生徒は窓の外をみた。茜色になりかけの空。この時間のこの景色。転校してきて、初めて見た時は、感動した。
そして、いま。同じくらいの感動、いや。それ以上の感動を感じてる。
男子生徒は生徒玄関からでてきた義彦をみた。口もとが緩む。
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気のせいか、真か。男子生徒の耳もほのかに茜色に染まっていった…。
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