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一話完結
もどかしい
しおりを挟む君のことが好きだから、僕は手を伸ばした。
そして、君は、僕の手を取った。
君にもらった感情は言葉になって、溢れ出した。
「大好きだよ」
何回言っても、心は伝えたいって溢れた。
そうして、言葉では足りなくなって、君に触れたいと望んだ。
けれど、触れてしまったら、全て見透かされてしまいそうで、怖かった。
君のことを狂おしいほど大好きで、離したくないと、僕から離れなければいいと望む傲慢な自分を、知られたくなかった。
貴方は、私に手を差し伸べてくれた。私は、貴方に手を伸ばす勇気をもらった。
言葉を放つのが苦手な私に、貴方は優しく微笑んで、何度も愛をくれた。
『大好きだよ』と、微笑んで、貴方は、私を安心させた。
そうして、貴方は壊れ物でも触るようにそっと、私に触れる。
私は、貴方に触れられたことが嬉しくて、貴方の熱が温かくて、このまま貴方のものになってしまいたかった。
貴方が、私を離さないで、永遠に捕まえていてくれるなら、そんなに幸せなことはないとすら、思ってしまう。
けれど、きっと、こんな私を知ったら、貴方は私から離れてしまいそうな予感がする。だから、この心を、底に閉まって今日も愛しい貴方の隣を歩む。
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