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第1章 女装男子と天然ボーイは恋をする
両片思い。。。
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忘れていた。
あいつが好きなのは、俺じゃない事を。
わかっていなかった。
俺があいつをどれだけ傷付ける事をしているか。
そうだよな。秋桐が好きなのは華宮真琴じゃなくて、花宮琴で…。男じゃなくて、女なんだよな。
そして、俺は朔弥が原因とはいえ秋桐を騙してる。こいつの恋心を、青春を、俺は殺している。
あのデートの後俺は痛いのを痛いままにして家に帰った。
この痛いを悲しいなんて思っちゃいけない。
辛いなんて、思っちゃいけない。
だって、秋桐の方が何倍も痛いし苦しいし悲しいだろうから。
自分の中での常識で考えたらこんな事思わないのに。
でも、俺は人とは違うから。常識が違うから。異質な存在だから…。
俺が暗くなっていると朔弥が俺に声を掛けてきた。
「真琴?どうしたー?珍しく落ち込んでるし。最近ずっと普通でいるし…学校ではいつもだけど、休日までそれなんだろう?」
そうだ、最近秋桐への罪悪感のせいか可愛いものを見たくなくなっている。まぁ、ここは学校だから…いつも通り男だけど。
「うん…。」
俺が重たぁく返事をすると朔弥が俺の前の席に座る。
「お話なら聞きますよ?」
変なノリで朔弥が言う。これも朔弥なりの気遣いなんだろう。ありがたい。
「朔弥はさ…男って好きになる?」
突然の俺の質問に飲んでいたお茶を吹き出しそうになりながら朔弥が
「はぁ?」
と言う。
でも、それから息を整えて
「まぁ、あるんじゃねぇの?」
と俺を見る。
そういえば朔弥は、俺がバイだと知っている。でも、俺は朔弥のそういうのの癖を知らない。
「なに?真琴、まさかあの片岡くんに惚れちゃったの?」
冗談っぽく朔弥が言う。
「うん。」
俺は、素直に答えた。
でも、朔弥は表情を固まらせた。
それから小さく何かを呟いた
「なん…でだよ…」
でも、俺には聞こえなかった。
朔弥の表情がどんどん苦しいものへと変わっていく。
朔弥は、俺がバイだと知っていたはずだ。なのに…やっぱり、変なんだよな。おかしいんだよな。
その時秋桐からメールが来た。
【暇な日ありませんかヾ(๑╹◡╹)ノ"
よかったら、今度は映画でも行きませんか??
お返事まってます╰(*´︶`*)╯♡】
秋桐の宛先の人物の名前を見て更に苦しくなる。
《花宮琴さん》
それは、俺であって俺でない。
秋桐の想いは届くようで届かないし、俺の想いも届かない。
どうしたってすり抜けてしまって違う形になってしまう。違う意味になってしまう。
「俺が好きなのはあいつだけど、あいつが好きなのは俺じゃなくて、でも、俺で…。」
聞かせるわけでもなく呟いたそれを、朔弥が驚いたように悲しく見ていたことを俺は気付いていなかった。
朔弥は優しく左手で俺の頭を撫で
「応援してやる。」
そう言って笑ってくれた。
朔弥の右の拳が強く握られていた事を知らずに。
あいつが好きなのは、俺じゃない事を。
わかっていなかった。
俺があいつをどれだけ傷付ける事をしているか。
そうだよな。秋桐が好きなのは華宮真琴じゃなくて、花宮琴で…。男じゃなくて、女なんだよな。
そして、俺は朔弥が原因とはいえ秋桐を騙してる。こいつの恋心を、青春を、俺は殺している。
あのデートの後俺は痛いのを痛いままにして家に帰った。
この痛いを悲しいなんて思っちゃいけない。
辛いなんて、思っちゃいけない。
だって、秋桐の方が何倍も痛いし苦しいし悲しいだろうから。
自分の中での常識で考えたらこんな事思わないのに。
でも、俺は人とは違うから。常識が違うから。異質な存在だから…。
俺が暗くなっていると朔弥が俺に声を掛けてきた。
「真琴?どうしたー?珍しく落ち込んでるし。最近ずっと普通でいるし…学校ではいつもだけど、休日までそれなんだろう?」
そうだ、最近秋桐への罪悪感のせいか可愛いものを見たくなくなっている。まぁ、ここは学校だから…いつも通り男だけど。
「うん…。」
俺が重たぁく返事をすると朔弥が俺の前の席に座る。
「お話なら聞きますよ?」
変なノリで朔弥が言う。これも朔弥なりの気遣いなんだろう。ありがたい。
「朔弥はさ…男って好きになる?」
突然の俺の質問に飲んでいたお茶を吹き出しそうになりながら朔弥が
「はぁ?」
と言う。
でも、それから息を整えて
「まぁ、あるんじゃねぇの?」
と俺を見る。
そういえば朔弥は、俺がバイだと知っている。でも、俺は朔弥のそういうのの癖を知らない。
「なに?真琴、まさかあの片岡くんに惚れちゃったの?」
冗談っぽく朔弥が言う。
「うん。」
俺は、素直に答えた。
でも、朔弥は表情を固まらせた。
それから小さく何かを呟いた
「なん…でだよ…」
でも、俺には聞こえなかった。
朔弥の表情がどんどん苦しいものへと変わっていく。
朔弥は、俺がバイだと知っていたはずだ。なのに…やっぱり、変なんだよな。おかしいんだよな。
その時秋桐からメールが来た。
【暇な日ありませんかヾ(๑╹◡╹)ノ"
よかったら、今度は映画でも行きませんか??
お返事まってます╰(*´︶`*)╯♡】
秋桐の宛先の人物の名前を見て更に苦しくなる。
《花宮琴さん》
それは、俺であって俺でない。
秋桐の想いは届くようで届かないし、俺の想いも届かない。
どうしたってすり抜けてしまって違う形になってしまう。違う意味になってしまう。
「俺が好きなのはあいつだけど、あいつが好きなのは俺じゃなくて、でも、俺で…。」
聞かせるわけでもなく呟いたそれを、朔弥が驚いたように悲しく見ていたことを俺は気付いていなかった。
朔弥は優しく左手で俺の頭を撫で
「応援してやる。」
そう言って笑ってくれた。
朔弥の右の拳が強く握られていた事を知らずに。
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