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第2章 女装をしない女装男子にはラブラブなんて程遠い【真琴編】
絽紀と豪邸と冷たい声。
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絽紀のメッセージで呼び出された俺は、公園に来ている。
「やっぱり来たー。」
絽紀が手を振って俺の方に駆け寄って来る。
「よかった。」
小さな声で絽紀が何かを言った。
「なに?」
おれが聞くと絽紀は、なんでもと言ってから俺の腕を掴み走り出した。
「んな?!ちょ、まて!この!」
俺が急な事に態勢を崩しそうになり反抗すると絽紀は俺の方に振り返って
「やーだよ!」
と笑った。
その悪戯っぽい笑顔が、何故だか“本物”のような気がした。
そして、そんなことを思っているうちに大豪邸が見えて来て俺は固まる。
(こいつ、何処向かってんの?!まさかこの、馬鹿でかい家じゃねぇよな!?)
はい…フラグ立てちゃいましたー。俺のバカ…。
はい、フラグ回収しまーす…(涙
「おかえりなさいませ、坊ちゃん。」
二十代後半ぐらいの顔立ちでスーツを着たオールバックのお兄さんが絽紀にいう。
(あぁ、ガチだー。)
「絽紀って、どっかの坊ちゃん?」
俺が投げやりがちに聞くと絽紀はニコッと笑って
「そうかもね?」
といった。
(こいつ、ガチか…。)
そう思いながら絽紀について行きながら考えていると、部屋についた。絽紀がドアを開けると俺を先に部屋に入れてから口に指を当てて「ちょっと、待っててね。」そう言ってドアを閉めた。
「ったく、なんなんだよ。」
そう言ったら、直ぐにドアの向こうから冷たい女の人の声が聞こえた。
「あら、帰ってたの。もう帰ってこないと思ったのに。」
なんで、帰ってくるんだ。そんな言い方だった。
(ここ、絽紀の家…なんだよな…。なの…に…)
絽紀の貼り付いた笑顔の原因がこの家にあるんじゃないかと、思った。
「………。」
「あら、だんまり?」
パシン「何よ!その目!なんで、なんでそんなに!その髪だって!」
(髪…茶髪にしてる事…かな?)
一拍置いてから堪えるような声で
「……すみません。」
絽紀が言った。多分、今…絽紀は笑ってる。あの貼りついたような笑顔で、堪えてる。
「外へは、この髪で行かないと駄目…なんで。家では、いつも通りにしますから…。」
(いつも通り…?)
俺が、どういうことかと考えていると絽紀が「友人を…待たせているので、失礼します。」そう言った。
部屋に入ってきた絽紀は
「はは、タイミング悪かったや。」
そう言って堪えるように笑った。
「家族喧嘩にしちゃ、冷たい感じだったな。」
俺が言うと絽紀は「喧嘩じゃ、ないから、ね。」と言ってから「でも、ちょうどいいや…。」と言った。
それから、部屋の窓側にある机に向かい引き出しから何かを取り出した。
「とりあえず、これ…みてよ。」
そう言って、一枚の写真を俺に見せた。
「んなっ。」
その写真の中には、ピンクと白を使った可愛いワンピースを着た中学生くらいの女の子が困ったように笑って薔薇園みたいな所に立っていた。
正直に言うと超絶可愛い。
でも、俺が誰だと聞く前に信じられない言葉が聞こえた。
「それ…俺なんだ。」
俺の思考が停止した。
「やっぱり来たー。」
絽紀が手を振って俺の方に駆け寄って来る。
「よかった。」
小さな声で絽紀が何かを言った。
「なに?」
おれが聞くと絽紀は、なんでもと言ってから俺の腕を掴み走り出した。
「んな?!ちょ、まて!この!」
俺が急な事に態勢を崩しそうになり反抗すると絽紀は俺の方に振り返って
「やーだよ!」
と笑った。
その悪戯っぽい笑顔が、何故だか“本物”のような気がした。
そして、そんなことを思っているうちに大豪邸が見えて来て俺は固まる。
(こいつ、何処向かってんの?!まさかこの、馬鹿でかい家じゃねぇよな!?)
はい…フラグ立てちゃいましたー。俺のバカ…。
はい、フラグ回収しまーす…(涙
「おかえりなさいませ、坊ちゃん。」
二十代後半ぐらいの顔立ちでスーツを着たオールバックのお兄さんが絽紀にいう。
(あぁ、ガチだー。)
「絽紀って、どっかの坊ちゃん?」
俺が投げやりがちに聞くと絽紀はニコッと笑って
「そうかもね?」
といった。
(こいつ、ガチか…。)
そう思いながら絽紀について行きながら考えていると、部屋についた。絽紀がドアを開けると俺を先に部屋に入れてから口に指を当てて「ちょっと、待っててね。」そう言ってドアを閉めた。
「ったく、なんなんだよ。」
そう言ったら、直ぐにドアの向こうから冷たい女の人の声が聞こえた。
「あら、帰ってたの。もう帰ってこないと思ったのに。」
なんで、帰ってくるんだ。そんな言い方だった。
(ここ、絽紀の家…なんだよな…。なの…に…)
絽紀の貼り付いた笑顔の原因がこの家にあるんじゃないかと、思った。
「………。」
「あら、だんまり?」
パシン「何よ!その目!なんで、なんでそんなに!その髪だって!」
(髪…茶髪にしてる事…かな?)
一拍置いてから堪えるような声で
「……すみません。」
絽紀が言った。多分、今…絽紀は笑ってる。あの貼りついたような笑顔で、堪えてる。
「外へは、この髪で行かないと駄目…なんで。家では、いつも通りにしますから…。」
(いつも通り…?)
俺が、どういうことかと考えていると絽紀が「友人を…待たせているので、失礼します。」そう言った。
部屋に入ってきた絽紀は
「はは、タイミング悪かったや。」
そう言って堪えるように笑った。
「家族喧嘩にしちゃ、冷たい感じだったな。」
俺が言うと絽紀は「喧嘩じゃ、ないから、ね。」と言ってから「でも、ちょうどいいや…。」と言った。
それから、部屋の窓側にある机に向かい引き出しから何かを取り出した。
「とりあえず、これ…みてよ。」
そう言って、一枚の写真を俺に見せた。
「んなっ。」
その写真の中には、ピンクと白を使った可愛いワンピースを着た中学生くらいの女の子が困ったように笑って薔薇園みたいな所に立っていた。
正直に言うと超絶可愛い。
でも、俺が誰だと聞く前に信じられない言葉が聞こえた。
「それ…俺なんだ。」
俺の思考が停止した。
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