34 / 155
第3章 また…最初から、始めよう。
前を向きます。
しおりを挟む
真琴さんに…フラれたのかな…。
不思議と涙が出なかった。実感が湧かないからかも知れないけれど…。
(きっと、会えばわかるよね。)
わかるはずなのに…。体が動かなかった。動いたら、終わってしまう気がしたから。
ボーッと一階のソファでテレビを見た。テレビの中では女の子とウサギが歌を歌っていた。近場にリモコンがあったから適当に変える。ニュース番組がやっていて止める。(何も考えたくないからちょうど良いや…。)そう思って海外の映像を見る。
しばらくみると熱愛報道ならぬものが出てきた。それが嫌でまた変えようとリモコンに手を伸ばした。
『ひとつ先に言います。俺は、バイセクシャルです。』「…ぇ…?」『バイセクシャルは、簡単に言うと男性も女性にも魅力を感じてしまうと言うことです。』《では!写真で一緒にいた男性は影坂さんの恋人と言うことで良いんですか!》『はい。彼は、俺の世界で1番大好きな人です。』
影坂と呼ばれた俳優らしき人は真っ直ぐ画面の外の僕を見ていた。
「…どうして…そんなにはっきり…」《影坂さんは、今映画にドラマに活躍中ですが、なぜ今発表したんですか。支障が出るなどは考えなかったのですか?》
『…支障?俺は、今、彼を不安にさせています。彼は、俺から離れようとしています。俺は、それの方が耐えられない。彼がそばにいない方が俺に支障が出ます。俺が今、俺で居られるのは彼のお陰なんです。』
「でも…その人が…自分の事を嫌いになったら?」《その人に、裏切られるとは考えなかったのですか!》『…思わなかったわけないですよ…。でも、好きだったら、裏切るなんて思えないほど信じて信じて、離さないようにしようって思ったんです。』
『馬鹿になろうって思ったんです。』
その言葉と真っ直ぐな瞳に僕は引き込まれていた。
(…僕も、影坂さんみたいに…なれる、かな。)
そう思ってスマホを取り出して影坂について検索してみた。
そこには、『馬鹿になろうって思った』その意味がわかるような文章が多くかかれていた。色々な人に裏切られ悲しみ落ち込み心を閉ざしていた時に手を差し伸べてくれた人。でも、その人はいきなり目の前から消えた。1人になって色々な事を警戒して慎重になった。人間なんて信用ならない。そこまで思っていた。恋なんてしないと思っていた。
最近の影坂のコメントでこんな事が書いてあった。
落ちるとこまで落ちたなら、馬鹿になればいい。そしたら、いつの間にかどん底から這い上がっていて、気が付いたら底が見えないくらい高いとこにいる。
高いところにいたら、落ちる事が怖くなるかもしれない。けど、そんな時こそ馬鹿になれ。馬鹿みたいに今を信じればいい。そしたら、無敵なんだ。
僕の中に衝撃が走った。「馬鹿に、なる…。」前を向いた。テレビの中では影坂が真っ直ぐな瞳で質問に答えていた。
ひとつ頷いて時計を確認する。
「まだ、13時だったんだ。」
もっと時間が経っているものだと思っていた。それほど、自分の中で動いたものが大きかった。
「行ってきます。」
そういって、扉を開けた。
不思議と涙が出なかった。実感が湧かないからかも知れないけれど…。
(きっと、会えばわかるよね。)
わかるはずなのに…。体が動かなかった。動いたら、終わってしまう気がしたから。
ボーッと一階のソファでテレビを見た。テレビの中では女の子とウサギが歌を歌っていた。近場にリモコンがあったから適当に変える。ニュース番組がやっていて止める。(何も考えたくないからちょうど良いや…。)そう思って海外の映像を見る。
しばらくみると熱愛報道ならぬものが出てきた。それが嫌でまた変えようとリモコンに手を伸ばした。
『ひとつ先に言います。俺は、バイセクシャルです。』「…ぇ…?」『バイセクシャルは、簡単に言うと男性も女性にも魅力を感じてしまうと言うことです。』《では!写真で一緒にいた男性は影坂さんの恋人と言うことで良いんですか!》『はい。彼は、俺の世界で1番大好きな人です。』
影坂と呼ばれた俳優らしき人は真っ直ぐ画面の外の僕を見ていた。
「…どうして…そんなにはっきり…」《影坂さんは、今映画にドラマに活躍中ですが、なぜ今発表したんですか。支障が出るなどは考えなかったのですか?》
『…支障?俺は、今、彼を不安にさせています。彼は、俺から離れようとしています。俺は、それの方が耐えられない。彼がそばにいない方が俺に支障が出ます。俺が今、俺で居られるのは彼のお陰なんです。』
「でも…その人が…自分の事を嫌いになったら?」《その人に、裏切られるとは考えなかったのですか!》『…思わなかったわけないですよ…。でも、好きだったら、裏切るなんて思えないほど信じて信じて、離さないようにしようって思ったんです。』
『馬鹿になろうって思ったんです。』
その言葉と真っ直ぐな瞳に僕は引き込まれていた。
(…僕も、影坂さんみたいに…なれる、かな。)
そう思ってスマホを取り出して影坂について検索してみた。
そこには、『馬鹿になろうって思った』その意味がわかるような文章が多くかかれていた。色々な人に裏切られ悲しみ落ち込み心を閉ざしていた時に手を差し伸べてくれた人。でも、その人はいきなり目の前から消えた。1人になって色々な事を警戒して慎重になった。人間なんて信用ならない。そこまで思っていた。恋なんてしないと思っていた。
最近の影坂のコメントでこんな事が書いてあった。
落ちるとこまで落ちたなら、馬鹿になればいい。そしたら、いつの間にかどん底から這い上がっていて、気が付いたら底が見えないくらい高いとこにいる。
高いところにいたら、落ちる事が怖くなるかもしれない。けど、そんな時こそ馬鹿になれ。馬鹿みたいに今を信じればいい。そしたら、無敵なんだ。
僕の中に衝撃が走った。「馬鹿に、なる…。」前を向いた。テレビの中では影坂が真っ直ぐな瞳で質問に答えていた。
ひとつ頷いて時計を確認する。
「まだ、13時だったんだ。」
もっと時間が経っているものだと思っていた。それほど、自分の中で動いたものが大きかった。
「行ってきます。」
そういって、扉を開けた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
62
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる