俺はヒーローなんかじゃない

ここクマ

文字の大きさ
8 / 68
俺は君のヒーローだ。

5 自己紹介

しおりを挟む

 入学式を終えて、教室へ戻ってきた。

「よし、全員着席してるな。これから自己紹介を始める。これから1年間、もしくはそれ以上一緒にいるかも知れない仲間だ。話はちゃんと聞くように。」

 先生はそう言ったあと、「よしっ!」と言って先生の自己紹介を始めた。

「まずは、先生からだな。名前はさっきも言った通り田中太狼だ。学生の頃はロウとか、テンプレートな名前と言うことでテンテンと呼ばれていた。お前達は、田中大先生様と呼ぶがいい。」

「ふはっ」「大先生様ーw」
「ははは」「大先生様ってw」

 先生が真面目な顔で言うので、クラス内でポツポツと笑いが起きた。

「はい、静かにー。次、大事なとこな、先生の担当教科は何でしょうかっ。はい、さっき一番笑ってた出席番号33番松山幸太。先生の担当教科はなんだ!」

 急に指されて幸太が「うぇぇ?!」と言いながら答える。

「た、体育とかっすか?」

 そう言った瞬間、先生がガクンと肩を落とした。

「あー、やっぱりそう思うよなぁ…みんな、そう言うよなぁ…。はい、ハズレ。じゃぁ、その前の32番真木優翔。先生の担当教科はなんだ」

 当てられると思っていなかったので、驚いたが先生の持っていた教材入れの様な物の中に文学小説がある事に気付いた。

「…国語科、です、か?」

 俺がそう言うとクラス中に溢れる「それは違うでしょ~」と言う空気と、幸太の「それはないでしょぉ~」と言う声。

(……失敗したか…?)

 そう思って先生を見ると満面の笑みでこちらを見ていた。

「あぁ!そうだぞ!先生は国語科だぁ!いやぁ、真木は良い生徒だなぁ~!よし、じゃあ真木から自己紹介はじめるかぁ!」

(んなっ…ま、まぁ、最初の方がこう言うのは楽だしな…。)

 クラスに先生が国語科だと言う意外な情報が残る中、俺は先生に手招きされて教卓の前へ立った。

「真木 優翔、です。中学は桜4中で、部活は陸上。と、以上…です。」

「おぉ、簡潔でいいなぁ。よし、次は…松山は先生の教科を外したからな、前に行って蛇行しよう。原、次自己紹介だ。」

 虎が教卓の前へ行く。

「えっと、原 虎之助です。中学は桜2中で、部活は家庭科部でした。さっき自己紹介してた真木ちゃんとは幼馴染です。これから1年間よろしくお願いします!」

 ニコッと笑って虎がお辞儀をする。

(かっわいぃぃ)

 そう思ってからチラリと周りを見ると、同じ思いなのだろう。口に手を当てた女子が結構いた。

(やっぱり、虎は誰が見ても可愛いんだなぁ…)

 少し得意げになりながら次の自己紹介を聞いた。


 最後に幸太の番になった。

「うっす!松山幸太です!中学はそこに座ってる優翔と同じ桜4中で部活も陸上っした!楽しい事大好きなんで、遊びとかガンガン誘ってください!これからよろしくお願いします!」

「よし、自己紹介終わったな。諸連絡の時間だ。すぐ終わるから、帰るのは待ってくれよなー。明日は、委員会・係り決めをして、教科書配布をする。教科書は重いからそれなりの袋なり鞄なりを持ってくる事をお勧めする。明日も、これくらいの時間に終わるので、昼は用意しなくていいぞ。はい、という事でこれから1年よろしく頼むぞ。よし、起立。礼ー、さよーなら!」

「「「「さよーなら!」」」」

 こうして、無事に入学式が終わったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する

子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき 「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。 そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。 背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。 結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。 「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」 誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。 叶わない恋だってわかってる。 それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。 君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。

好きだからキスしたい

すずかけあおい
BL
「たまには実晴からキスしてみろ」攻めからキスを求められた受けの話です。 〔攻め〕玲央 〔受け〕実晴

泣き虫な俺と泣かせたいお前

ことわ子
BL
大学生の八次直生(やつぎすなお)と伊場凛乃介(いばりんのすけ)は幼馴染で腐れ縁。 アパートも隣同士で同じ大学に通っている。 直生にはある秘密があり、嫌々ながらも凛乃介を頼る日々を送っていた。 そんなある日、直生は凛乃介のある現場に遭遇する。

雪を溶かすように

春野ひつじ
BL
人間と獣人の争いが終わった。 和平の条件で人間の国へ人質としていった獣人国の第八王子、薫(ゆき)。そして、薫を助けた人間国の第一王子、悠(はる)。二人の距離は次第に近づいていくが、実は薫が人間国に行くことになったのには理由があった……。 溺愛・甘々です。 *物語の進み方がゆっくりです。エブリスタにも掲載しています

【8話完結】僕の大切な人はBLゲームの主人公でした。〜モブは主人公の幸せのためなら、この恋も諦められます〜

キノア9g
BL
転生先は、まさかのBLゲームの世界。 モブであるリセルは、恋を自覚した瞬間、幼馴染・セスがこの世界の“主人公”だと気づいてしまう。 このまま一緒にいても、いつか彼は攻略対象に惹かれていく運命——それでも、今だけは傍にいたい。 「諦める覚悟をしたのに、どうしてこんなにも君が愛おしいんだろう」 恋の終わりを知っているモブと、想いを自覚していく主人公。 甘さと切なさが胸を締めつける、すれ違いから始まる運命の物語。 全8話。

happy dead end

瑞原唯子
BL
「それでも俺に一生を捧げる覚悟はあるか?」 シルヴィオは幼いころに第一王子の遊び相手として抜擢され、初めて会ったときから彼の美しさに心を奪われた。そして彼もシルヴィオだけに心を開いていた。しかし中等部に上がると、彼はとある女子生徒に興味を示すようになり——。

だって、君は210日のポラリス

大庭和香
BL
モテ属性過多男 × モブ要素しかない俺 モテ属性過多の理央は、地味で凡庸な俺を平然と「恋人」と呼ぶ。大学の履修登録も丸かぶりで、いつも一緒。 一方、平凡な小市民の俺は、旅行先で両親が事故死したという連絡を受け、 突然人生の岐路に立たされた。 ――立春から210日、夏休みの終わる頃。 それでも理央は、変わらず俺のそばにいてくれて―― 📌別サイトで読み切りの形で投稿した作品を、連載形式に切り替えて投稿しています。  エピローグまで公開いたしました。14,000字程度になりました。読み切りの形のときより短くなりました……1000文字ぐらい書き足したのになぁ。

笑って下さい、シンデレラ

椿
BL
付き合った人と決まって12日で別れるという噂がある高嶺の花系ツンデレ攻め×昔から攻めの事が大好きでやっと付き合えたものの、それ故に空回って攻めの地雷を踏みぬきまくり結果的にクズな行動をする受け。 面倒くさい攻めと面倒くさい受けが噛み合わずに面倒くさいことになってる話。 ツンデレは振り回されるべき。

処理中です...