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俺は君のヒーローだ。
7 先生と指輪?
しおりを挟むキーンコーンカーンコーン
チャイムの音が四時間目の始まりを告げた。
(次は、国語か…)
三時間を終わらせて、次が今日最後の授業だった。
ガラガラと音を立てて田中先生が入ってきた。
「よし、号令。」
「きりーつ、礼」
「「「おねがいしまーす」」」
「着席」
「よーし、最後の授業は国語です。前の三教科は授業入ってたかー?」
先生が、出席確認を取りながらクラスに聞く。
「ガイダンスと自己紹介したよ!」
幸太がそれにいち早く答えた。
「お、そうか…。授業やりたくない人ー?」
少し考えてから先生が聞くとクラスの大半が「はーい」と言って手を挙げた。
「成る程…まぁ、他のクラスでもやらなかったからな。ガイダンスとまた、先生の自己紹介でもするか。まずは、ガイダンスをするぞ。」
そう言って先生はプリントを配り、今後の学習計画と成績の付け方、提出物などの説明をしてくれた。
「よーし、残りは……15分か…。んー、よし、先生に聞きたいことある人いるかー?」
「彼女いますかー」「好きなタイプはー?」
「何才?」「家どこですか?」
先生の問いに一斉に声が上がった。
「おーおー、隣のクラスも授業中だから静かになー。えー、まず聞き取れたのから答えてくぞー。」
先生は咳払いをした。
「まず、彼女はいない。」
「えー、うそだー」
「嘘じゃないぞ。次、好きなタイプは、教えない。」
「えー、教えてよー」
「駄目。それから歳は29。」
「えー、先生二十代前半だと思ってたー」
「おぉ、そうかー。えー、家は、学校から1時間以内の場所にある。あとは何か聞いたか?」
クラスのがやを華麗に返しながら先生は質問に答えて言った。
「よし、もう授業終わるな。ホームルームは朝言った通り無いから、部活動体験をする人は放送と貼ってあるプリントを参考に各自で行くように。号令の後、国語科係は前へ来てくれ。よし、号令。」
「きりーつ、礼」
「「「ありがとうございました」」」
先生に呼ばれた通り、俺は教卓の前に行く。
「お、真木さっそく仕事だ。一緒に国語科の職員室行くぞ。」
そう言って先生は、持って来た教材を俺に渡して教室を出る。俺は、その後を追って歩く。
「国語科の職員室は、二階の別棟にあるからな。あ、普通の職員室も別棟にあるぞ。」
「…はい」
「真木は、部活動体験行くのか?」
「いや…行かないです。」
俺がそう答えると、先生は少し驚いたように俺を見た。
「陸上しないのか?」
「……はい、まぁ。」
俺は、持っている教材を眺めた。
「……そうか。」
先生は、何かを考えてからそう言ってまた歩き出した。
「よし、ここが国語科室だ。授業前と授業後に一応寄って欲しいかな…まぁ、朝のホームルームで来て欲しい時は言うから、言われなかった時は来なくても大丈夫だぞ。」
「わかりました。」
国語科室は、小さな図書館の様に壁の側面が鍵のかかる本棚で埋まっていた。部屋の中心には、先生のと思われる机が1つあった。
「…1つ?」
俺が、不思議に思って声に出すと先生がそれを聞いて答えてくれた。
「あー、この学校国語科の先生は俺を除いて、進路を担当してる人だから基本進路室にいるんだよ。あと、その教材はそこの机に置いてくれ。」
「そう、なんですか。」
「そういえば昔はここ、文学部が部室に使ってたな。本当は、ここは国語科の資料室だったんだが、国語科室自体を俺1人しか使わないからここでいいだろって言われてなー。」
「じゃあ…今の国語科室って…?」
「あぁ、会議室になってる。」
「え、そうなんですか。」
机に教材を置きながら先生と話していると、装飾のないシンプルな指輪が目に入った。
「…先生、結婚してたんですか?」
俺が聞くと、先生はぽかんとしながら振り返り俺の目線の先を見た。
「っ、れはっ…!」
先生は、猛スピードでそれを机の中にしまい俺の肩を掴んだ。
「真木、お前は何も見ていないな。」
「え、あの。」
「見てない。真木は、何も見ていない。いいな。見ていないから、誰にも何も言わないんだぞ。そして、教室に戻りなさい。」
物凄い圧力のある笑顔で俺に言葉の嵐を投げかける先生に押されて声を出す間も無く国語科室を後にする事になった。
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