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「わかった。今度、聞いてみよう」
「そうしてみて。そしたら、もう少し乙女心がわかるようになると思うから」
「…ちなみに君のおすすめはあるか?」
「私は、あんまり恋愛小説は読まないわね…。どちらかというと、冒険小説が好きなの。あと、ファンタジー。最近は、児童文学なんかも読むようになったわ。やっぱり子ども向けに書かれているだけあって、面白いの」
「…そうか。残念だ…。君が惚れるような男を勉強してみたかったんだが」
「私は、恋愛小説を読むと、なんだか気恥ずかしくなってしまうのよね…」
「君らしい」
恋愛小説を読むのが、恥ずかしいのが、私らしいってどういうことかしら。
「君は、ほかの女性と比べて身だしなみを気にしていないようだし」
「む。一応、気は使っているわよ」
「そうか?香水や化粧品の類の匂いがしたことがないから、てっきりしないのかと」
「香水は、確かにつけないわね…お化粧も特別な時以外はしないし…。そういえば、ここの学校の令嬢たちは、気合入っている子が多いものね。そういう子たちと比べると、確かにお金も時間も使ってないといえるかもしれないわ」
「…この手紙。指紋の類はついていなかった」
「あら、そう。…拭ったのかしら」
「一応、気を付けていたらしいな。だが、少しだけ匂いが残っている」
そう言って、ルドルフが手紙を私に渡してくる。
匂い?
私の部屋に置いてあった手紙は、においなんかついていなかったような…。
…思い出せない。あの時は、あまり気にしていなかったから、においなんて、嗅ごうとも思わなかったから。
ルドルフから手紙を受け取り、においをかいでみると、確かに手紙から、香水のほのかに甘い香りがした。
… …この香り、どこかで嗅いだことがある…どこかしら。
とっても嗅ぎなれた匂いなのは間違いないんだけど…。
「手紙に匂いが残るなんて、ずっと手元に置いていたのかしら…。だめ。思い出せないわ」
「本当か?」
「え?」
ルドルフが、私をじっと私を見つめてくる。
なんのことかわからず、私は、困ってルドルフを見つめた。
「どういうこと?」
「この匂い、君の親友がいつもつけている香水の香りだろ」
「え?」
もう一度、手紙の匂いを嗅いでみる。
…確かにリリーがいつも気に入ってつけている百合の香水だ。
確かに嗅ぎなれた匂いなのは、納得できる。毎日、嗅いでいるのだから。
「この匂いが市販品であれば、犯人はわからないがな」
「…特注なの」
「…そうか」
特注で作ってもらった思い出の香水だと、自慢していた彼女の顔を思い出す。
世界に一つだけだと言っていたから、この匂いを持っているのは、リリー以外にいないのだ。
「そうしてみて。そしたら、もう少し乙女心がわかるようになると思うから」
「…ちなみに君のおすすめはあるか?」
「私は、あんまり恋愛小説は読まないわね…。どちらかというと、冒険小説が好きなの。あと、ファンタジー。最近は、児童文学なんかも読むようになったわ。やっぱり子ども向けに書かれているだけあって、面白いの」
「…そうか。残念だ…。君が惚れるような男を勉強してみたかったんだが」
「私は、恋愛小説を読むと、なんだか気恥ずかしくなってしまうのよね…」
「君らしい」
恋愛小説を読むのが、恥ずかしいのが、私らしいってどういうことかしら。
「君は、ほかの女性と比べて身だしなみを気にしていないようだし」
「む。一応、気は使っているわよ」
「そうか?香水や化粧品の類の匂いがしたことがないから、てっきりしないのかと」
「香水は、確かにつけないわね…お化粧も特別な時以外はしないし…。そういえば、ここの学校の令嬢たちは、気合入っている子が多いものね。そういう子たちと比べると、確かにお金も時間も使ってないといえるかもしれないわ」
「…この手紙。指紋の類はついていなかった」
「あら、そう。…拭ったのかしら」
「一応、気を付けていたらしいな。だが、少しだけ匂いが残っている」
そう言って、ルドルフが手紙を私に渡してくる。
匂い?
私の部屋に置いてあった手紙は、においなんかついていなかったような…。
…思い出せない。あの時は、あまり気にしていなかったから、においなんて、嗅ごうとも思わなかったから。
ルドルフから手紙を受け取り、においをかいでみると、確かに手紙から、香水のほのかに甘い香りがした。
… …この香り、どこかで嗅いだことがある…どこかしら。
とっても嗅ぎなれた匂いなのは間違いないんだけど…。
「手紙に匂いが残るなんて、ずっと手元に置いていたのかしら…。だめ。思い出せないわ」
「本当か?」
「え?」
ルドルフが、私をじっと私を見つめてくる。
なんのことかわからず、私は、困ってルドルフを見つめた。
「どういうこと?」
「この匂い、君の親友がいつもつけている香水の香りだろ」
「え?」
もう一度、手紙の匂いを嗅いでみる。
…確かにリリーがいつも気に入ってつけている百合の香水だ。
確かに嗅ぎなれた匂いなのは、納得できる。毎日、嗅いでいるのだから。
「この匂いが市販品であれば、犯人はわからないがな」
「…特注なの」
「…そうか」
特注で作ってもらった思い出の香水だと、自慢していた彼女の顔を思い出す。
世界に一つだけだと言っていたから、この匂いを持っているのは、リリー以外にいないのだ。
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