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1-1 井原悠太
新しい友達
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次々に人が入ってくる。上杉は入ってくる人、くる人に声をかけたが、みな挨拶程度で彼を相手にしなかった。初日からぐいぐい行く彼を警戒したのだろう。その気持ちはわかる。でもちょっとかわいそうだった。見ている感じ、拓斗は悪気なさそうなのだ。
「拓斗、こっちこい。」
「悠太!俺のこと拓斗って…!」
「そんなこといいからちょっと校舎探検しよう。」
「うん!」
彼は拾われた子犬のようにうれしそうな表情をしていた。
「あのな。まだ高校1日目だぞ。初日から積極的に話しかけるのは良いと思うけれど…正直みんな迷惑そうにしてたよ。」
「知ってる。」
「知ってる?じゃあなんで。」
言って少し後悔した。説教する先生みたいな感じになったからだ。
「俺がこういうやつだって知ってもらいたかったから。自分を隠して後で晒す方がさ、ああいうやつだったのかって思われて嫌だもん。」
彼にも過去にいろいろとあったのかもしれない。
「印象悪いとか言ってごめん。」
「大丈夫。慣れているし。俺も嘘ついていた、ごめん。」
「嘘?」
「うん。俺はこの学校から近くない。むしろ1時間くらいかかる。いろいろあってさ、遠い学校選んだんだ。」
「俺と同じじゃん。同じ中学校の人がいないところに行きたくてさ、ここにした。親友がここの普通科って聞いた時はびっくりしたけど。」
「そうなんだ。」
拓斗って俺の気持ちわかるかもしれない。ネガティブな感情がすっと抜けていった。
「なあ拓斗、友達になろう。」
「え。いいのか?」
「なんだかお互いわかり会えそうな気がする。良い友達になれると思う。俺の勘だけど。」
「俺の勘って…。」
彼は笑った。それにつられて俺も笑った。
「わかった。悠太、これからよろしくな。」
楽しかった。彼と過ごすのは面白い。
そうして高校で新しい友達ができた。
「拓斗、こっちこい。」
「悠太!俺のこと拓斗って…!」
「そんなこといいからちょっと校舎探検しよう。」
「うん!」
彼は拾われた子犬のようにうれしそうな表情をしていた。
「あのな。まだ高校1日目だぞ。初日から積極的に話しかけるのは良いと思うけれど…正直みんな迷惑そうにしてたよ。」
「知ってる。」
「知ってる?じゃあなんで。」
言って少し後悔した。説教する先生みたいな感じになったからだ。
「俺がこういうやつだって知ってもらいたかったから。自分を隠して後で晒す方がさ、ああいうやつだったのかって思われて嫌だもん。」
彼にも過去にいろいろとあったのかもしれない。
「印象悪いとか言ってごめん。」
「大丈夫。慣れているし。俺も嘘ついていた、ごめん。」
「嘘?」
「うん。俺はこの学校から近くない。むしろ1時間くらいかかる。いろいろあってさ、遠い学校選んだんだ。」
「俺と同じじゃん。同じ中学校の人がいないところに行きたくてさ、ここにした。親友がここの普通科って聞いた時はびっくりしたけど。」
「そうなんだ。」
拓斗って俺の気持ちわかるかもしれない。ネガティブな感情がすっと抜けていった。
「なあ拓斗、友達になろう。」
「え。いいのか?」
「なんだかお互いわかり会えそうな気がする。良い友達になれると思う。俺の勘だけど。」
「俺の勘って…。」
彼は笑った。それにつられて俺も笑った。
「わかった。悠太、これからよろしくな。」
楽しかった。彼と過ごすのは面白い。
そうして高校で新しい友達ができた。
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