とっととくたばれクソビッチ!!

ヒナタ

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勘違いΩのトラウマ

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「ねぇ姫乃くん、少し話さない?あ,でも余裕なさそうだね。なら俺の家来て。」
そう言って野々村は姫乃の肩を抱いた。
姫乃は恐る恐る野々村の顔を見上げて様子を見た。
すると、野々村は姫乃と目を合わせ,ニヤリと笑った。
獲物を見つけた肉食獣、αが良さげなΩを見つけた時に見せる顔だ。
姫乃は慌てて目を逸らした。
「あ、タクシー」 
姫乃はか細い声で助けを求めるようにタクシーを待っていた方向を見たが、一向に来る気配がない。
結局姫乃は野々村と2人で歩いた。
昨日とは違う理由で視線が痛く,隣を並んで歩きたくない。
小学生時代とは打って変わり、野々村はαらしい姿になっていた。
いくら容姿端麗の姫乃でも,本物に勝つことはできない。
何も知らないβからの羨望の眼差しが余計に痛かった。
「これ、俺の車だから乗って。」
そう言うと野々村は、見るからに高そうな外車の扉を開け、その助手席に姫乃を乗せた。
野々村もすぐさま隣の運転席に座り、様子を伺うようにしばらく姫乃の顔を覗き込んだ。
「姫乃くん,さっきよりも顔色が悪いね。大丈夫そう?車酔いとかしない?」
「ぁ、だいじょーぶ、多分」
姫乃は必死に下を向いた。
見えない何かに押されているように体が重い。
今の野々村は、今まで出会ったαの誰よりもαらしい。
危険だと本能が言っている。 
野々村はそっとアクセルを踏み、ハンドルを回した。
いつも歩いている道とは違う,初めて見る場所を通っていた。
有名なファッションブランドやアパレル店が立ち並ぶ、オシャレな大通りを抜けると、ビルやタワマンがずらりとの上へ伸びている高級住宅街に出た。
キラキラと光る街並みは、そこかしこにαたちがいた。
援助交際をしないと生きていけないような姫乃は,一生かかっても住むことができないような場所だ。
道は比較的にきれいに整備されていたが、車が少しでも揺れるたびに気持ち悪さが倍増する。
あともう少しで吐いてしまいそう。
すると、そこでようやく車が止まった。
街の中でも,一際大きなタワマン。
野々村はそこで一人暮らしをしているらしい。
大きなエントランスを通り抜け、これまた大きなエレベーターに乗り,慣れた手つきで野々村が27階のボタンを押す。
着いた部屋は、窓から見える街並みが,実に絶景な床一面大理石の一人暮らしにしてはあまりにも大きすぎる部屋だった。
「このマンション,うちの親が入学祝いにって買ってくれたんだ。」
流石はα様,と言いたいところだが,それにしても金持ちだ。
親もαなのだろうか?
金持ちすぎてついていけんと姫乃が項垂れていると、野々村が俯瞰した顔でいった。
「うちの親、どっちもαだからさ」
その言葉を聞いて姫乃は目を丸くした。
βの男女同士の結婚はさして珍しいことではない、また、近年ではαから身を守るためにΩ同士の男女が結婚するという話も聞いたことがある。
だが、その逆であるα同士が結婚するという話はあまり聞いたことがない。
「父親の家系が代々優秀なαを輩出している家でさぁ,より優秀な遺伝子を作り出すために、αの母さんとお見合い結婚したんだよ。」 
なるほど、と姫乃は合点がいった。
確かに、沢山のΩに子供を産ませても良いが,それだとβやΩになる確率の方が高い。
ならば、α同士が結婚した方が、今後大物になるであろうαが産まれてくる可能性が高い。
なにせ、両親ともαなのだから。
(うちは両親ともβだっからなぁ)
診断結果を見せた時の両親のあまりにも申し訳なさそうな悲しげな顔を思い出し、ついつい姫乃は下を向いてしまう。
あの時は,両親までもが自分を否定したように感じて,この世の全てが恐ろしかった。
正直トラウマだ。













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