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「前回はこの学園の主な仕組みや流れなどを説明した。今回はこのクラスについてだ。皆も違和感を覚えているとは思うが、このクラスは少々特殊だ。まず、1年生の間は基礎を固める期間と言われているが、お前たちはそうではない。」
「では、何をするのですか?」
マシューが質問する。
まあそうなるよね。
答えは
「自由だ」自由だ
「我々学園側が何か強要する事はない、自分たちで自主的に取り組んでくれ。もちろん、求められれば必要に応じて、サポートはしていく。」
みんなは唖然としている…私とウィルを除いて
「ただし、定期試験などは他のクラスと同様に受けてもらう。点数が悪ければ、特別講義が課されることも覚えておくように。」
端的に言ってしまえば、私たちに基礎授業はいらないということだ。
まあ、これでも王族の集まりだからねー。
そこら辺の知識は完璧よ。
ということで、
学園側は、1年間を無意味に過ごさせるわけにはいかない!
って、私たちのために、過去の特例を引っ張り出して来たわけさ。
まあ、そう誘導したのは隣のこいつだと思うけど。
ちらっと見上げると、
ニコッ、っと微笑んできやがった…
というか、元々こんな使い方されてたわけじゃなかったのになー。
時代の流れには逆らえないってやつか…。
いつのまにか、立場逆転してるし。
そういえば、無事学園来れたんだなー
って思いながら目の前を見上げると、
ニッコリ微笑んできた…
うん、見なかったことにしよう。
エルはその後、質問が無いようなら、って転移魔法でさっさとどこかに行ってしまった。
私たちのクラス担任、いろんな意味でエルにとっては天職だね。
「リア凄いですわ!」
ん?急にどうしたの?褒められるようなこと、した覚えないんだけど…?
「セルファ先生に笑いかけられるなんて!」
「…?」
なんのことで?
「さっきリアが顔を上げた時、セルファ先生がリアの目を見ながら、優しく微笑みかけてたじゃありませんか!」
リーゼー…。
いったい何重にフィルターかけたら、そんなふうに見えるの!?
あれはどう見ても、嘲笑いだよ!
「確かにあれは凄い破壊力だったよねー。俺たち以外の人だったら、失神してたかもー。」
「「「うんうん」」」
んな、大袈裟な…
「シア?いったい君は何をしたのかな?」
訳:おまえ今度は何やらかした?
ドス黒い笑みでウィルが近づいてくる…
何もしてないってー!
隣にいたなら分かるでしょー!!
ウィルの追求をなんとかかわし、息も絶え絶えになっていると
「それで、みんなはこれからどうするんだ?」
ルトが本題を切り出した。
「んー…そうは言ってもなー。いきなりすぎてよくわかんないやー。」
「まあ、それが妥当な反応だろうね。」
「自由…とだけ言われましても、戸惑ってしまいますものね…。」
半ば予想通り…こうなってしまうのも無理はない
さて、いったいこっからどうする気なのか…
「僕らは研究室をもらうよ」
ん?今聞き捨てならない言葉が聞こえたんだが?
「僕ら」ってなんだ?
「僕ら」ってなんだ?
この場合残っているのは…
「ウィルとリアは研究室か?なんでまた…?」
はい、私だけですー。
はあ、私を巻き込まないでほしい…
「ちょっと研究したいことがあってね。この学園は設備が整っているし。」
それは私も知ってるけど…
あー、どうせならあの途中まで書き上げた公式の続きを…
ってさすがにもう処分されてるかー
「いいねー。研究室!俺ももらっちゃおっかなー。あと、先月、新型ウイルスの論文を発表した教授とも話してみたいなー。」
馬鹿レオの国、オリアンテ王国は医療大国である。
こう見えて、この馬鹿は最年少で医師免許を取得している。
「僕はとりあえず、図書館に篭る。自国では見られなかった文献もあるだろうし。そして、全てを踏破した暁には!この学園の近くにあるとされる、かの有名な…!」
マシューは歴史マニアである。
一度語り出したら止まらない…。
遺跡とかの資料を見つけると、現地まで行こうとするレベルである。
私たちも何度付き合わされたことか…
「たしかこの学園には、かの有名な世界的スタイリスト様がいらっしゃるのよね!?ぜひその方に、わたくしがデザインした服を見て頂きたいですわ!」
リーゼは自身のファッションブランドを持っている。
私も何着かもらった。
デザインから製作まで1人で手がけて、あのクオリティーというのだから驚きだ。
「じゃあ俺はダンジョン討伐にでも行くか。ウィルも一緒にどうだー?たまには体動かした方がいいだろ。」
ルトは自国で騎士団長を務めていた。
え?どういうことだ?って?
簡単言うと、
元騎士団長が怪我で引退して、
その穴埋めを当時の最年少騎士であったルトが務めたってこと。
ファーナジナ帝国は完全実力主義と言われる国だから、
幼いルトが騎士団長になっても全く問題なーし。
今は元騎士団長の息子さんが帰って来て、騎士団長に就任してるよ。
あれー?魔物関係なくない?って思ったそこの君!
そんなことはないんだなー
この学園はあらゆる分野の専門家が揃っている。
植物系魔物によるウイルスを研究する研究者
古代遺跡から魔物の歴史を調べようとする考古学者
瘴気に耐えうる防護服を作ろうとするデザイナー
学園ダンジョン地獄のトレーニングコーチ
などなど
彼らはその道のプロであり、人類の希望とも言える存在だ。
そんな彼らと関わっていく友人たちもまた、この先の未来を担う大きな存在となっていくのだろう。
魔物討伐だけが全てではない。
植物系魔物から難病と言われた病気のワクチンができた
古代遺跡の出土品から魔物が使用してたとされる武器が見つかり、今まで使い道のなかった鉱物が、武器に使用すると特殊な効果を持つことがわかった
瘴気を吸収することで、防御力が高まる繊維が開発された
学園ダンジョン地獄巡りが各国、騎士団などのトレーニングメニューに加えられ、戦力が大幅に高まった
魔物をただ倒すのではなく、彼らと共存しようと努力する、そんな学園が私は好きだ。
まあ、こんなこと、作った張本人には絶対言えないけど。
「では、何をするのですか?」
マシューが質問する。
まあそうなるよね。
答えは
「自由だ」自由だ
「我々学園側が何か強要する事はない、自分たちで自主的に取り組んでくれ。もちろん、求められれば必要に応じて、サポートはしていく。」
みんなは唖然としている…私とウィルを除いて
「ただし、定期試験などは他のクラスと同様に受けてもらう。点数が悪ければ、特別講義が課されることも覚えておくように。」
端的に言ってしまえば、私たちに基礎授業はいらないということだ。
まあ、これでも王族の集まりだからねー。
そこら辺の知識は完璧よ。
ということで、
学園側は、1年間を無意味に過ごさせるわけにはいかない!
って、私たちのために、過去の特例を引っ張り出して来たわけさ。
まあ、そう誘導したのは隣のこいつだと思うけど。
ちらっと見上げると、
ニコッ、っと微笑んできやがった…
というか、元々こんな使い方されてたわけじゃなかったのになー。
時代の流れには逆らえないってやつか…。
いつのまにか、立場逆転してるし。
そういえば、無事学園来れたんだなー
って思いながら目の前を見上げると、
ニッコリ微笑んできた…
うん、見なかったことにしよう。
エルはその後、質問が無いようなら、って転移魔法でさっさとどこかに行ってしまった。
私たちのクラス担任、いろんな意味でエルにとっては天職だね。
「リア凄いですわ!」
ん?急にどうしたの?褒められるようなこと、した覚えないんだけど…?
「セルファ先生に笑いかけられるなんて!」
「…?」
なんのことで?
「さっきリアが顔を上げた時、セルファ先生がリアの目を見ながら、優しく微笑みかけてたじゃありませんか!」
リーゼー…。
いったい何重にフィルターかけたら、そんなふうに見えるの!?
あれはどう見ても、嘲笑いだよ!
「確かにあれは凄い破壊力だったよねー。俺たち以外の人だったら、失神してたかもー。」
「「「うんうん」」」
んな、大袈裟な…
「シア?いったい君は何をしたのかな?」
訳:おまえ今度は何やらかした?
ドス黒い笑みでウィルが近づいてくる…
何もしてないってー!
隣にいたなら分かるでしょー!!
ウィルの追求をなんとかかわし、息も絶え絶えになっていると
「それで、みんなはこれからどうするんだ?」
ルトが本題を切り出した。
「んー…そうは言ってもなー。いきなりすぎてよくわかんないやー。」
「まあ、それが妥当な反応だろうね。」
「自由…とだけ言われましても、戸惑ってしまいますものね…。」
半ば予想通り…こうなってしまうのも無理はない
さて、いったいこっからどうする気なのか…
「僕らは研究室をもらうよ」
ん?今聞き捨てならない言葉が聞こえたんだが?
「僕ら」ってなんだ?
「僕ら」ってなんだ?
この場合残っているのは…
「ウィルとリアは研究室か?なんでまた…?」
はい、私だけですー。
はあ、私を巻き込まないでほしい…
「ちょっと研究したいことがあってね。この学園は設備が整っているし。」
それは私も知ってるけど…
あー、どうせならあの途中まで書き上げた公式の続きを…
ってさすがにもう処分されてるかー
「いいねー。研究室!俺ももらっちゃおっかなー。あと、先月、新型ウイルスの論文を発表した教授とも話してみたいなー。」
馬鹿レオの国、オリアンテ王国は医療大国である。
こう見えて、この馬鹿は最年少で医師免許を取得している。
「僕はとりあえず、図書館に篭る。自国では見られなかった文献もあるだろうし。そして、全てを踏破した暁には!この学園の近くにあるとされる、かの有名な…!」
マシューは歴史マニアである。
一度語り出したら止まらない…。
遺跡とかの資料を見つけると、現地まで行こうとするレベルである。
私たちも何度付き合わされたことか…
「たしかこの学園には、かの有名な世界的スタイリスト様がいらっしゃるのよね!?ぜひその方に、わたくしがデザインした服を見て頂きたいですわ!」
リーゼは自身のファッションブランドを持っている。
私も何着かもらった。
デザインから製作まで1人で手がけて、あのクオリティーというのだから驚きだ。
「じゃあ俺はダンジョン討伐にでも行くか。ウィルも一緒にどうだー?たまには体動かした方がいいだろ。」
ルトは自国で騎士団長を務めていた。
え?どういうことだ?って?
簡単言うと、
元騎士団長が怪我で引退して、
その穴埋めを当時の最年少騎士であったルトが務めたってこと。
ファーナジナ帝国は完全実力主義と言われる国だから、
幼いルトが騎士団長になっても全く問題なーし。
今は元騎士団長の息子さんが帰って来て、騎士団長に就任してるよ。
あれー?魔物関係なくない?って思ったそこの君!
そんなことはないんだなー
この学園はあらゆる分野の専門家が揃っている。
植物系魔物によるウイルスを研究する研究者
古代遺跡から魔物の歴史を調べようとする考古学者
瘴気に耐えうる防護服を作ろうとするデザイナー
学園ダンジョン地獄のトレーニングコーチ
などなど
彼らはその道のプロであり、人類の希望とも言える存在だ。
そんな彼らと関わっていく友人たちもまた、この先の未来を担う大きな存在となっていくのだろう。
魔物討伐だけが全てではない。
植物系魔物から難病と言われた病気のワクチンができた
古代遺跡の出土品から魔物が使用してたとされる武器が見つかり、今まで使い道のなかった鉱物が、武器に使用すると特殊な効果を持つことがわかった
瘴気を吸収することで、防御力が高まる繊維が開発された
学園ダンジョン地獄巡りが各国、騎士団などのトレーニングメニューに加えられ、戦力が大幅に高まった
魔物をただ倒すのではなく、彼らと共存しようと努力する、そんな学園が私は好きだ。
まあ、こんなこと、作った張本人には絶対言えないけど。
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