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新しい友達(1)
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エルンはその日から魔導書を読み始めた。
丁寧に絵が書いてあってわかりやすかった。
外へ出ることもなく、食事の時間も削って読みふけった。
二日ほどすると思い立ったようにエルンは森へ出ることにした。脇には例の魔導書を携えている。
「ちょっと森へ行ってくるね」
「遠くへ行っちゃ……」
「大丈夫だよ」
エルンにとって、森は庭のようなものだ。
「そうね、遅くならないようにね」
エルンは森の中へ臆することなくずんずんと入っていく。
しばらくは馬車も通れるほどの幅のある道だが、そこから脇道へと入るとどんどん狭くなる。
さらに奥へと進んでいく。
エルンは魔導書に記されていたいくつかのキノコが気になって仕方がなかった。このキノコを探しに行こう。
そう思い立ったら居ても立ってもいられなくなって家を飛び出した。
目当てはツァウバー・ピルツ(魔法のキノコ)とシュヴァルツァー・トッドピルツ(黒い死のキノコ)。ツァウバー・ピルツは全体に黄色く、傘に黒と赤の斑点があるのが特徴で、シュヴァルツァー・トッドピルツは毒々しいほど黒いのが特徴であるとのこと。
これを食べると魔力が増幅すると書かれていた。本当かどうかわからない。知った以上、やってみないではいられない。エルンの中の好奇心が黙っていないのだ。
エルンは様々なキノコが生える一角をすでに見つけていた。あの辺りを探せば、きっとあるに違いない。しかし、両方とも非常に珍しいキノコであるとの但し書きがあった。
目的の場所まで来るとエルンは丹念に探した。落ち葉の下、倒木の下。岩棚、老木の洞。しかし、それらを見つけることはできなかった。
半日ほど探しただろうか、それでも見つからなかった。
エルンはイルゼに作ってもらったサンドイッチを頬張りながらもう少し奥へ行ってみようと思った。天気もいいし、時間もある。
食べ終わると迷わず奥へと向かった。
二時間も歩いただろうか、キノコの群生地を見つけた。そこならありそうな気がした。
そしてそこでも丹念に探す。
すると倒木の影にそれらしきキノコを見つけた。
ツァウバー・ピルツ。全体に黄色く、傘に黒と赤の斑点。
そして、その近くに毒々しいほど黒いシュヴァルツァー・トッドピルツも発見。
そこにあるものを手当たり次第に袋へと詰めた。
大収穫だ。
満足したエルンは帰路に就くことにした。まだ、日は高い。十分に帰れる時刻だ。
帰途についてまもなく、ふと耳を澄ますと、どこからか草木をかき分ける音がする。
それに加えて悲鳴のような声も。
誰かが何者かに追いかけられているのだと直感的にわかった。
——どうしよう——
エルンは恐怖が蘇った。以前、森の中でグロイエルやグリフスに追いかけられたあの恐怖だ。しかし、助けを求めて逃げている人を見捨てて逃げれば、絶対に後悔すると幼心に思った。
僕はいつも守られてきた。きっと今回も守ってくれるに違いない。
声は次第に近づいてくる。女の子の声だ。そして追いかけているのはグリフス。グリフスの数は三頭とわかった。
女の子の姿が見えた。エルンより二、三歳年上のブロンドの髪の女の子だ。しかも村で何度か見かけたことのある女の子だ。名前は知らない。
女の子は恐怖で引きつり、泣くこともできず、必死に走っていた。
「こっち、早く」
エルンは叫んだ。
近くまでくるとエルンは女の子の手を引いて大木の陰へと隠れた。
そして女の子を下にして、その上に覆いかぶさった。
「だめよ、こんなんじゃ。見つかっちゃう。グリフスは嗅覚が……」
「静かにして」
エルンが声を潜めて言った。
丁寧に絵が書いてあってわかりやすかった。
外へ出ることもなく、食事の時間も削って読みふけった。
二日ほどすると思い立ったようにエルンは森へ出ることにした。脇には例の魔導書を携えている。
「ちょっと森へ行ってくるね」
「遠くへ行っちゃ……」
「大丈夫だよ」
エルンにとって、森は庭のようなものだ。
「そうね、遅くならないようにね」
エルンは森の中へ臆することなくずんずんと入っていく。
しばらくは馬車も通れるほどの幅のある道だが、そこから脇道へと入るとどんどん狭くなる。
さらに奥へと進んでいく。
エルンは魔導書に記されていたいくつかのキノコが気になって仕方がなかった。このキノコを探しに行こう。
そう思い立ったら居ても立ってもいられなくなって家を飛び出した。
目当てはツァウバー・ピルツ(魔法のキノコ)とシュヴァルツァー・トッドピルツ(黒い死のキノコ)。ツァウバー・ピルツは全体に黄色く、傘に黒と赤の斑点があるのが特徴で、シュヴァルツァー・トッドピルツは毒々しいほど黒いのが特徴であるとのこと。
これを食べると魔力が増幅すると書かれていた。本当かどうかわからない。知った以上、やってみないではいられない。エルンの中の好奇心が黙っていないのだ。
エルンは様々なキノコが生える一角をすでに見つけていた。あの辺りを探せば、きっとあるに違いない。しかし、両方とも非常に珍しいキノコであるとの但し書きがあった。
目的の場所まで来るとエルンは丹念に探した。落ち葉の下、倒木の下。岩棚、老木の洞。しかし、それらを見つけることはできなかった。
半日ほど探しただろうか、それでも見つからなかった。
エルンはイルゼに作ってもらったサンドイッチを頬張りながらもう少し奥へ行ってみようと思った。天気もいいし、時間もある。
食べ終わると迷わず奥へと向かった。
二時間も歩いただろうか、キノコの群生地を見つけた。そこならありそうな気がした。
そしてそこでも丹念に探す。
すると倒木の影にそれらしきキノコを見つけた。
ツァウバー・ピルツ。全体に黄色く、傘に黒と赤の斑点。
そして、その近くに毒々しいほど黒いシュヴァルツァー・トッドピルツも発見。
そこにあるものを手当たり次第に袋へと詰めた。
大収穫だ。
満足したエルンは帰路に就くことにした。まだ、日は高い。十分に帰れる時刻だ。
帰途についてまもなく、ふと耳を澄ますと、どこからか草木をかき分ける音がする。
それに加えて悲鳴のような声も。
誰かが何者かに追いかけられているのだと直感的にわかった。
——どうしよう——
エルンは恐怖が蘇った。以前、森の中でグロイエルやグリフスに追いかけられたあの恐怖だ。しかし、助けを求めて逃げている人を見捨てて逃げれば、絶対に後悔すると幼心に思った。
僕はいつも守られてきた。きっと今回も守ってくれるに違いない。
声は次第に近づいてくる。女の子の声だ。そして追いかけているのはグリフス。グリフスの数は三頭とわかった。
女の子の姿が見えた。エルンより二、三歳年上のブロンドの髪の女の子だ。しかも村で何度か見かけたことのある女の子だ。名前は知らない。
女の子は恐怖で引きつり、泣くこともできず、必死に走っていた。
「こっち、早く」
エルンは叫んだ。
近くまでくるとエルンは女の子の手を引いて大木の陰へと隠れた。
そして女の子を下にして、その上に覆いかぶさった。
「だめよ、こんなんじゃ。見つかっちゃう。グリフスは嗅覚が……」
「静かにして」
エルンが声を潜めて言った。
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