神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空

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古魔道具屋本日オープン?(2)

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 アマーリエは突然、強力な攻撃魔法を放った。
 エルンは咄嗟に身を躱したが、入り口のドアが吹き飛んだ。その衝撃で棚の商品がばらばらと落下した。
 せっかく直した魔道具が……。
 悔しかった。これ以上被害を出したくない。
 エルンは咄嗟に外へ飛び出した。
 しかし、エルンにはそこからどうしたらいいのかわからない。
 戦う術は、かろうじて攻撃魔法ブランド・ブリッツだけ。だけど実戦経験などない。
 取りあえず発動してみるが……制御できない。あらぬ方向に飛んでいく。
——どうしよう……——
「ガルディさん」
 エルンは叫んだ。しかし、酒の勢いで寝ているガルディには聞こえるはずもない。
——だから酒飲みは嫌いだ。肝心な時に役に立たないんだから——
 とはいえ、こんなことになるなんてエルンだって予想もしてなかった。非難などできようはずもない。
 アマーリエはエルンを執拗に追いかけ、攻撃を放つ。
——こんなところで死ぬわけにはいかないんだ。まだ十歳なんだ。神様だって守ってくれるはずだ——と思ったが、「神は人の人生に干渉しない」とか言ってた。
——助けてくれないということなのか。自分が死んだら、また別の者を採用するってことか? あの爺ぃならやりかねない——
 散々逃げ回り転げまわり、力尽きそうになったとき、エルンの前に黒い影が舞い降りた。
「何を遊んでいるのよエルン。もう子供は寝る時間でしょ」
「ああ、リンダさん。たすけて。あの魔法使いが僕を殺そうとしているんです」
「だったらエルンが自分で戦ったらいいじゃない。それくらいできるでしょ」
「無理です」
「ちゃんと教えたじゃない。攻撃魔法ブランド・ブリッツ」
「でも、うまく制御できないんです」
「あなたが死んだら、私も元に戻るのね、残念だわ」
「……明日開店なんです。ここまできたんですよ。一緒にやりましょうよ」
「お店、壊れてるじゃない。めちゃくちゃじゃない」
「あいつが壊したんです。あいつです」
「私の店を、あいつが破壊したのかしら」
「そうです。リンダさんの店をぶっ壊したんです。鏡から出てきた酷い魔法使いなんです」
「ほう、鏡から出てきたか。あの鏡だね。妙な気配があった」
「アマーリエという魔法使いです」
「アマーリエ……聞いたことないわね。おそらく田舎の三流魔法使いね」
「誰が三流魔法使いだと…… お前こそ……リンダ? 聞いたことないぞ。ついでだ、私の魔杖の露にしてやる」
 アマーリエは巨大な魔法陣を描くと、リンダ目掛けて渾身の力を込めて攻撃を放った。
 しかし、リンダはいとも容易くはじき返す。
「ほほほほ……なにこれ? ちゃんちゃらおかしいわね。そよ風かしら?」
 驚いたのはアマーリエだ。
「今の攻撃を弾いた? 二級魔法使いくらいの資質はありそうだな。次はそうはいかね」
「エルン、練習した通りに撃ちなさい。もう、夜遅いのよ。冷静に集中して」
「へっ?……はい」
 俺は怒りをいったん沈めて、平常心を心がけると再びブランドブリッツを発動した。
 それはとてつもない光となって放たれた。
——ああ、なるほど——
 周囲が昼間のように明るくなった。
「これはブランドブリッツ?……貴様は……イルザ・ドルンヘルツ……」
 直後、閃光はアマーリエへと突き進み、そしてそれはアマーリエに直撃した。
 エルンも驚いた。
「自己紹介する前にお前は消滅するわよ。ホホホホホ……どこへでも転生しなさい。二度と私たちの前に姿を現さないことね」
 アマーリエの姿は一瞬で消し飛んだ。
 叫び声すらもなく……
 静かになった。
「やればできるじゃないエルン」
「そうですね……」
 初めての実戦だった。
 店はひどい状態だ。
「明日の開店は延期ですね」
 エルンは気落ちした。
「騒がしいようだが……どうした。何があった」
 ガルディが眠そうな顔で起きてきた。
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