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1章
今世の私
しおりを挟む「んん......」
ここは、どこでしょう?
私は、死んだはずでは?
「あっ!お嬢様....よかった。起きられたんですね。」
メイドらしき人物が涙を流しながら近寄って来ました。
「今、旦那様をお呼びしますわね。」
と言って、出て行きました。
まったく、慌ただしいですわね。
しばらくして、
ドタバタドタバタ、ガチャ
「レイシア~よかった......本当によかった。」
お父様でしょうか?記憶が曖昧で......
私は無意識のうちに首をかしげていたようで、お父様とメイド達は、オロオロとしていました。
「お嬢様、私達のことを覚えてないのですか?」
オロオロしているお父様?の代わりにメイドの1人が尋ねてきました。
でも、私には本当にわからないのです。
だから、必死に思い出そうとしました。
その時でした。
ビリビリビリビリ
「うぁあぁぁ〰️いゃぁあぁ〰️」
私の頭にひどい電流がはしったのです。
「レイシア!?大丈夫か!!!おい!レイシア!」
「レイシアお嬢様!?お嬢様大丈夫ですか!!」
必死にお父様とメイド達が声をかけてくれていました。
そして、私の頭の中には、走馬燈のように私の魂がこの身体に入る直前までのレイシアの記憶が流れてきたのです。
そうレイシアは、婚約者のフェルのことを好きな令嬢......私が言うのもなんですが、私よりも可愛いと自称している伯爵令嬢メンヘル・クルストに毒を盛られたんですよね。
たしか、一週間前のお茶会でしたっけ?
まぁいいでしょう。どうせ、証拠も残ってないことですし......
お父様に聞かれても、わからないと言っておきましょう。その方がいいですしね。
娘の私を大切にしているお父様が、私が毒を盛られたと知ったら......うん。国が滅びますわね。黙っておいた方が国のためですわ。
そういえばフェル様は、政略結婚で結ばれる予定の私のことなんか、大嫌いだと言っていましたし......好都合ですかね?
私が婚約者じゃない方が、幸せになれるでしょうね。
この身体も、もうすぐ限界を迎える可能性が高いことですし。
でも、幸いだったのはレイシアがこの国随一と呼ばれるほどの魔法使いだったことですわ。これなら、困ったとき相手の記憶を消すとかできそうです。
これからどうしようか考えている間にも、痛みが少しずつ和らいでいましたが、身体が耐えられずに再び、意識を失いました。
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