67 / 67
2章
ドレス(3)
しおりを挟む「あ、待ってトト。」
「なに??ククどうしたの???」
「そういえばアトゥール様が、ティアラが結婚式の時にご着用なさっていた思い出のドレスをリメイクして、ソフィアに着て欲しいなって呟いてたよ。今からしたら古いデザインかもだけど、ソフィアに母親の事を少しでも感じて欲しいからって。
僕らがドレスを持ってるから、そこは僕らで決めていいって。トト。どうする?」
「そうね、、あのまましまったままではドレスも可哀想よね、、是非使いましょう!今回は精霊達も力を貸してくれるんですもの。ティアラのドレスがソフィアに似合う素敵なドレスになると私は思いますわ!」
「そうだね、、、ティアラのためにも素晴らしい式とドレスにしなくてはね!それじゃあ、僕はあのドレスを取ってくるからこの場は君に任せるよ。すぐ戻る」
そういうと、ククはドレスを取りに自身の宮に戻った。
「では、ククが戻ってくる間に、役割を決めましょう。
私たち神は皆で意見を出し合って作ります。元はティアラのドレスをリメイクするから、あんまり派手にならないように、ソフィアの美しさを際立たせるようなイメージにできるといいと思いますわ。今回は精霊たちも力を貸してくれることですし、素晴らしいドレスになると思いますわ!
みなさんもそう思いませんこと?」
「えぇ!あのティアラ様のドレスの下地は私達が作らせて頂いたのですもの。リメイクくらいお手の物ですわっ!」
そう言って手を挙げたのはアフロディーテとクァンインとエウメニデスである。
この3人は特にティアラのことを慕っており、是非にと主神のアトゥールに頼み込んでドレスの作成を担当したのだ。彼らの傑作であるドレスがティアラの娘のソフィアが着てくれるということで、再びやる気が増していた。
「そうですね、とりあえず原型はそのままで、派手にならない程度に宝石やレースを散りばめましょう。あと、スカートをもう少しだけ広めにしましょう。あの頃はピッタリのデザインが流行っていましたから、スカートが広がっていないので後ろになびくように長さとふんわりさを出しましょう。その方がソフィアちゃんに似合うと思いますの。」
「そうね、、あと、精霊達の鱗粉をドレスに散りばめるのと精霊石を使ったティアラを作りましょう!やっぱりお姫様にはティアラがなきゃ!」
「あと、細かいアクセサリーが必要ですわ。首元を飾るアクセサリーはエドワードくんに任せるとして、イヤリングはやはりティアラと同じく精霊石を。色は一番貴重なクリアスターストーンとも呼ばれるあれを使いましょう。」
すると、魔石の神であるダイアナと鉱物の神であるクリスが反応をした。
「おぉ!それはちょうどいいわ!今年は何故かとても大きいものが前もって採れていたのよ!」
「ほんとにね!みんなもあの大きさ見たら驚くはずだわ。あれ、今まででいちばん大きいもの。」
精霊石とは精霊の住まう精霊宮でとることが出来るものである。原理はハッキリとは分かってはいないが、精霊宮にある石や葉など彼らの操る様々なものが、なにかのきっかけで精霊たちの力を蓄えて、そのままの形で結晶とかしたもののことだといわれている。
そのため精霊石はいつどこでできるのか神でさえも分からず、精霊は見つけ次第厳重に保管をし、神に報告し、預けるという掟があるという。
なぜそんな掟があるのかと言うと、過去に精霊石を巡って争いが起きてしまったからである。彼らの力を蓄えた精霊石は強力な武器になるため残虐なことを考える人間達によって盗まれ、悪事に利用されてしまった。だから、もう二度とそんなことが起きないように、神が全て管理することになったのだ。
その中でもクリアスターストーンと呼ばれる物はとても貴重で精霊王の住まう宮でしか取れず他の精霊石よりも採れる量が格段と少ない上に小さいため、滅多にお目にかかることが出来ないのだ。それが今年は大きさや量が違うという。これはソフィアのために使ってくれと言っているようなものだろう。神達はそう考えるのであった。
「じゃあ、私たちはそれをガーゴイルとスプリガンと作り上げますわ!形はどんな風にしましょう、、?トト様。」
「そうね、、やっぱり定番のお姫様の付けるようなデザインにしましょう!ティアラと違ってソフィアは可愛いですもの!可愛くなきゃ!とびっきり可愛くしてエドくんの独占欲を増幅させましょうっ!」
「「「「「それは名案です!」」」」」
「では、各自よろしくお願いしますわ!」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
こうしてソフィアのドレス、ティアラ、イヤリングは彼らの手によって作り上げられていった。
ーーーーーーーーーーー
最終的に出来上がったドレスは結婚式のお楽しみです!
ソフィアが着てくれるのを皆様も楽しみに待っていてください(*´꒳`*)
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(169件)
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【コミカライズ企画進行中】ヒロインのシスコンお兄様は、悪役令嬢を溺愛してはいけません!
あきのみどり
恋愛
【ヒロイン溺愛のシスコンお兄様(予定)×悪役令嬢(予定)】
小説の悪役令嬢に転生した令嬢グステルは、自分がいずれヒロインを陥れ、失敗し、獄死する運命であることを知っていた。
その運命から逃れるべく、九つの時に家出を決行。平穏に生きていたが…。
ある日彼女のもとへ、その運命に引き戻そうとする青年がやってきた。
その青年が、ヒロインを溺愛する彼女の兄、自分の天敵たる男だと知りグステルは怯えるが、彼はなぜかグステルにぜんぜん冷たくない。それどころか彼女のもとへ日参し、大事なはずの妹も蔑ろにしはじめて──。
優しいはずのヒロインにもひがまれ、さらに実家にはグステルの偽者も現れて物語は次第に思ってもみなかった方向へ。
運命を変えようとした悪役令嬢予定者グステルと、そんな彼女にうっかりシスコンの運命を変えられてしまった次期侯爵の想定外ラブコメ。
※コミカライズ企画進行中
なろうさんにも同作品を投稿中です。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
今年は更新ありますか?|д゚)チラッ
どんどん衣装が出来上がっていく(((* ॑꒳ ॑* ≡ * ॑꒳ ॑* )))ソワソワ
妖精宮∑(´゚д゚`)