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しおりを挟む「…封印が解けたのか。」
気を失ったセリアと反対に起き上がったその男。
「……聖女。しかも力を奪われているな。」
気を失ったセリアを抱き上げて、立ち上がる男は辺りを見渡しため息をついた。
「この建物がここまで朽ちるほど時間が経ったのか。」
「……に、逃げて……」
「、寝言を言っているのか。」
眉間に皺を寄せて逃げてと、気を失っても男を気遣った言葉を発するセリア。
「聖女というのはいつの時代も同じような魂を持っているか。
その力を奪われて尚、聖力が強く魂に絡みついている。実に美味そうな魂だ。」
ー逃げて、カリアードー
そう言って俺を封印した馬鹿な聖女をいやでも思い出す。
最期に俺に魂をくれてやると言ったのに、逃げられてしまったようだな。
ああ、ずっと楽しみにしていたのに実に残念だ。
お前は最期どのように死んだのか。
それすら分からないままか。
それにしても、聖女がこんなところで粗末な装いでひとりでいるとは今の世の中はどうなっているんだ。
カリアードはセリアを両手に抱えたまま教会から出た。
「森か……俺の瘴気の影響で魔の森が出来ているようだな。」
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