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一章 云わば、慣れるまでの時間
47. これから、よろしくな
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◇◇
屋根裏部屋にトンと投げ飛ばされた男を見下げる。ずっしりと重たそうな金貨袋と、その側に放り出された短剣。気を失っている男は幸せそうな顔をしていた。
「・・・・・・この実験体といい、オルトン氏といい、よくまあ見つけられたものだ。感謝する」
ありがとうございます、と一言言ってからフェデルタは恭しくお辞儀をする。
「──必ず連れてくるとお約束致しましたので。何が、何でも」
「・・・・・・そうか」
実験体に与えたのは十分な金と対象者のみに扱える短剣。この男以外には剣に手が弾かれてしまうという代物だ。聖女から貰ったケーキを食べさせ、更に金を与えると言ったら快く願ってくれた。
代償は寿命5年分と男の手足。・・・・・・そこから連想される物は。
「──まるでダルマのようだな」
一滴も血を垂らさず、ただ単純に手足のみが無くなった男。切断された様子もなく、そこには無傷の肌だけが張り付いていた。
まあ、これはこれでちょうど良い。最初は逃がそうと思っていたが、この状態になってしまっては不可能。ただ、その代わり管理はしやすくなったが。
私はひとまずソレを放っておくと階段を降りた。先程の依頼者──オルトン氏との交渉は既に終わっている。思いの外、多くの犠牲を払ったようだが。
無機質だった表情も、私を見ればすぐに明るいものへと変わる。その場に跪き頭を垂れた少女たちに私は微笑む。
「──初めまして、私が君たちの主のアゼリカだ」
まだ幼い3つ子。・・・・・・しかし、その奥底に秘める力は強大なもの。
彼女らは顔を上げ、無邪気に笑う。消えた元主人を忘れたかのように・・・・・・何の疑いも無く私に純粋な眼差しを向ける。
「これから、よろしくな」
その小さな桜色の唇が同時に開いた。
「はい! ますたー!!」
3つに重なった声。見た目も仕草も何もかも似ている3人。足りる、フェデルタには劣るが力も十分。十分過ぎるくらいに。
(・・・・・・これもオルトン氏とフェデルタのお陰だな。感謝しないと。まあ、ひとまず・・・・・・)
──これで準備は整ったのだ。
屋根裏部屋にトンと投げ飛ばされた男を見下げる。ずっしりと重たそうな金貨袋と、その側に放り出された短剣。気を失っている男は幸せそうな顔をしていた。
「・・・・・・この実験体といい、オルトン氏といい、よくまあ見つけられたものだ。感謝する」
ありがとうございます、と一言言ってからフェデルタは恭しくお辞儀をする。
「──必ず連れてくるとお約束致しましたので。何が、何でも」
「・・・・・・そうか」
実験体に与えたのは十分な金と対象者のみに扱える短剣。この男以外には剣に手が弾かれてしまうという代物だ。聖女から貰ったケーキを食べさせ、更に金を与えると言ったら快く願ってくれた。
代償は寿命5年分と男の手足。・・・・・・そこから連想される物は。
「──まるでダルマのようだな」
一滴も血を垂らさず、ただ単純に手足のみが無くなった男。切断された様子もなく、そこには無傷の肌だけが張り付いていた。
まあ、これはこれでちょうど良い。最初は逃がそうと思っていたが、この状態になってしまっては不可能。ただ、その代わり管理はしやすくなったが。
私はひとまずソレを放っておくと階段を降りた。先程の依頼者──オルトン氏との交渉は既に終わっている。思いの外、多くの犠牲を払ったようだが。
無機質だった表情も、私を見ればすぐに明るいものへと変わる。その場に跪き頭を垂れた少女たちに私は微笑む。
「──初めまして、私が君たちの主のアゼリカだ」
まだ幼い3つ子。・・・・・・しかし、その奥底に秘める力は強大なもの。
彼女らは顔を上げ、無邪気に笑う。消えた元主人を忘れたかのように・・・・・・何の疑いも無く私に純粋な眼差しを向ける。
「これから、よろしくな」
その小さな桜色の唇が同時に開いた。
「はい! ますたー!!」
3つに重なった声。見た目も仕草も何もかも似ている3人。足りる、フェデルタには劣るが力も十分。十分過ぎるくらいに。
(・・・・・・これもオルトン氏とフェデルタのお陰だな。感謝しないと。まあ、ひとまず・・・・・・)
──これで準備は整ったのだ。
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