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入院して3日目。
傷はまだ痛むが刺されどころが良かったようで内臓も傷ついておらず出血の割には早く治りそうとの事だった。
夜になるとフラッシュバックがひどく、薬で眠っても夜中に目覚めることが多い。
結局5月の初めに減らした睡眠薬も元の量に戻ってしまった。
「酷い目に合うのは慣れてたはずなのにな……、おかしいな……。」
自嘲気味に笑ってみる。動悸が激しくて気持ちが悪い。
最近甘やかされてたからなあ。
吐きそうだ。
カラカラと点滴台を押しながら廊下に出る。
「こらー、光太くん、また深夜徘徊してるな~!」
「あー、最速で見つかったー。喉乾いちゃったから何か買いたいんです。良いでしょ?」
「特別だよ!」
適当な言い訳だったがせっかく許可を貰ったので自販機で冷たい水を買う。静かな夜の病棟にガタンとペットボトルの落ちてくる音が響く。少し汗をかいたペットボトルを手に取る。
しばらくナースステーション脇のベンチで水を片手にボーとしていた。
眠れない。
眠りたくない。
暗い部屋に戻りたくない。
暗闇が怖かった。
「早く退院したいな……。」
理人が言うにはどうも今回のおれの事件はニュースになったらしく、学校でも話題になっているらしい。もちろんレイプされたなんて話は出てないけれど、夜の公園で刺されたっていう話で、今行ったらちょっとした人気者になれそうらしい。
「面倒臭い……、退院したくねぇ……。」
うぅ、相反する気持ちがせめぎ合う。
まぁ、おそらく退院出来る頃には夏休みに入っているだろうからみんなおれのことなんて忘れてるか……。
「光太くん!まだこんなとこにいたの!?寝ないとダメでしょ!ほら、お部屋帰るよ!」
パワフル看護師西島さんに言われて仕方なく部屋に帰る。
明日は土曜日だから理人が朝から来るかな?
部活休むなよって言っても聞かない。そもそもあいつがおれの言うこと聞いた事あったっけ?いつも理人の言うことにやること言うことに流されている気がする。心身ともに体幹が強い。
羨ましいな。
ぶれぶれのおれはそう思う。
部屋は暗くて怖かった。怒られることを覚悟ででん気をつけた。一人部屋だから故許される行為だ。
「寝よう。」
布団に入る。身をよじった際に傷が痛んだ。
灯りを消されないうちに眠りたかったが、眠気は来ず、見回りに来た看護師さんにでん気は呆気なく消されてしまった。
暗闇の中、後ろにアイツが居そうな気がして怖くて動けないまま、まんじりともせず朝を迎えた。
朝食はほとんど食べられなかった。
傷はまだ痛むが刺されどころが良かったようで内臓も傷ついておらず出血の割には早く治りそうとの事だった。
夜になるとフラッシュバックがひどく、薬で眠っても夜中に目覚めることが多い。
結局5月の初めに減らした睡眠薬も元の量に戻ってしまった。
「酷い目に合うのは慣れてたはずなのにな……、おかしいな……。」
自嘲気味に笑ってみる。動悸が激しくて気持ちが悪い。
最近甘やかされてたからなあ。
吐きそうだ。
カラカラと点滴台を押しながら廊下に出る。
「こらー、光太くん、また深夜徘徊してるな~!」
「あー、最速で見つかったー。喉乾いちゃったから何か買いたいんです。良いでしょ?」
「特別だよ!」
適当な言い訳だったがせっかく許可を貰ったので自販機で冷たい水を買う。静かな夜の病棟にガタンとペットボトルの落ちてくる音が響く。少し汗をかいたペットボトルを手に取る。
しばらくナースステーション脇のベンチで水を片手にボーとしていた。
眠れない。
眠りたくない。
暗い部屋に戻りたくない。
暗闇が怖かった。
「早く退院したいな……。」
理人が言うにはどうも今回のおれの事件はニュースになったらしく、学校でも話題になっているらしい。もちろんレイプされたなんて話は出てないけれど、夜の公園で刺されたっていう話で、今行ったらちょっとした人気者になれそうらしい。
「面倒臭い……、退院したくねぇ……。」
うぅ、相反する気持ちがせめぎ合う。
まぁ、おそらく退院出来る頃には夏休みに入っているだろうからみんなおれのことなんて忘れてるか……。
「光太くん!まだこんなとこにいたの!?寝ないとダメでしょ!ほら、お部屋帰るよ!」
パワフル看護師西島さんに言われて仕方なく部屋に帰る。
明日は土曜日だから理人が朝から来るかな?
部活休むなよって言っても聞かない。そもそもあいつがおれの言うこと聞いた事あったっけ?いつも理人の言うことにやること言うことに流されている気がする。心身ともに体幹が強い。
羨ましいな。
ぶれぶれのおれはそう思う。
部屋は暗くて怖かった。怒られることを覚悟ででん気をつけた。一人部屋だから故許される行為だ。
「寝よう。」
布団に入る。身をよじった際に傷が痛んだ。
灯りを消されないうちに眠りたかったが、眠気は来ず、見回りに来た看護師さんにでん気は呆気なく消されてしまった。
暗闇の中、後ろにアイツが居そうな気がして怖くて動けないまま、まんじりともせず朝を迎えた。
朝食はほとんど食べられなかった。
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