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「光太、顔色悪いよ。」
昼時に理人が来た。
「うん、ちょっと、眠れなくて……。」
「薬出してもらってるんだよね?」
「うん。」
暗がりが怖くて、眠れない。
アイツがいるような気がして怖い。
でもそんなこと、みっともなくて理人には言えない。
「動かないから身体が疲れなくて眠れないんじゃないかな。」
「うーん……。」と今ひとつ納得していない様子の理人。
そりゃあ、適当な言い訳ですから。
「そういえば、おまえ期末試験どうだった?」
「悪くなかったよ。姉ちゃんに教わるようになってから、勉強できるようになってきた。」
まぁ、その分こき使われてるんだけどね~。と、遠い目。
「はいお食事ですよーっと!」
その時、西島さんが昼食を持ってきた。
「あれ理人くん、来てるねー。」
「お邪魔してます~。うちの光太迷惑かけてませんか?」
「かけてる!夜徘徊するんだよおたくの光太くん!」
「あっ!言いつけないで!」
光太、寝ろ。と理人に言われてしまった。
西島さんが笑いながら出ていった。
うう、眠れないんだよなぁ。
せめて明かりをつけさせてもらえれば、少し安心して眠れるんだけれど。
暗いのが怖いなんて恥ずかしくて言えない……。
「いただきます。」
「光太、Open。」
あーん、と口を開ける。
一口分の米が運ばれる。
「Good boy。」
にこっとした理人が頭を撫ぜる。
それが気持ちよくて、嬉しい。
そうやって少しづつお昼ご飯を食べていく。
が、やっぱり半分くらいで胸がつかえる感じがして、お腹いっぱいになってしまった。
「本当にもういいの?」
「……うん、ごめん、なさい。」
「謝ることないけどねー。」
よしよし、と頭をわしわしされる。
たくさん食べて早く治して欲しいからさ。食欲無いと気になっちゃうだけ。と、理人。
確かに自然治癒力を上げるには栄養をたくさん摂取しないといけないよな……。
「そうだ!明日アップルパイ焼いてくるよ!アップルパイ、好き?」
「食べたことない……。」
「じゃあ、明日焼いて持ってくるから楽しみにしてて!」
「うん、楽しみにしてる。」
理人は約束通り次の日のおやつの時間にアップルパイを持ってきた。
絵に描いたようなアップルパイだった。
「これ、見たことある!」
「でしょ?」
自信作!と言って切り分けてくれた。
「はい、口開けて。」
一口食べたら知っている味に似ていた。
近所のクレープ屋さんのシナモンアップルのクレープだ。
「シナモンアップル……?」
「正解!」
頭を撫ぜられる。
とても満たされる感じがした。
サクサク、としたパイ生地が美味しくて一かけペロリと食べおえた。
もしかして、好物かも。
昼時に理人が来た。
「うん、ちょっと、眠れなくて……。」
「薬出してもらってるんだよね?」
「うん。」
暗がりが怖くて、眠れない。
アイツがいるような気がして怖い。
でもそんなこと、みっともなくて理人には言えない。
「動かないから身体が疲れなくて眠れないんじゃないかな。」
「うーん……。」と今ひとつ納得していない様子の理人。
そりゃあ、適当な言い訳ですから。
「そういえば、おまえ期末試験どうだった?」
「悪くなかったよ。姉ちゃんに教わるようになってから、勉強できるようになってきた。」
まぁ、その分こき使われてるんだけどね~。と、遠い目。
「はいお食事ですよーっと!」
その時、西島さんが昼食を持ってきた。
「あれ理人くん、来てるねー。」
「お邪魔してます~。うちの光太迷惑かけてませんか?」
「かけてる!夜徘徊するんだよおたくの光太くん!」
「あっ!言いつけないで!」
光太、寝ろ。と理人に言われてしまった。
西島さんが笑いながら出ていった。
うう、眠れないんだよなぁ。
せめて明かりをつけさせてもらえれば、少し安心して眠れるんだけれど。
暗いのが怖いなんて恥ずかしくて言えない……。
「いただきます。」
「光太、Open。」
あーん、と口を開ける。
一口分の米が運ばれる。
「Good boy。」
にこっとした理人が頭を撫ぜる。
それが気持ちよくて、嬉しい。
そうやって少しづつお昼ご飯を食べていく。
が、やっぱり半分くらいで胸がつかえる感じがして、お腹いっぱいになってしまった。
「本当にもういいの?」
「……うん、ごめん、なさい。」
「謝ることないけどねー。」
よしよし、と頭をわしわしされる。
たくさん食べて早く治して欲しいからさ。食欲無いと気になっちゃうだけ。と、理人。
確かに自然治癒力を上げるには栄養をたくさん摂取しないといけないよな……。
「そうだ!明日アップルパイ焼いてくるよ!アップルパイ、好き?」
「食べたことない……。」
「じゃあ、明日焼いて持ってくるから楽しみにしてて!」
「うん、楽しみにしてる。」
理人は約束通り次の日のおやつの時間にアップルパイを持ってきた。
絵に描いたようなアップルパイだった。
「これ、見たことある!」
「でしょ?」
自信作!と言って切り分けてくれた。
「はい、口開けて。」
一口食べたら知っている味に似ていた。
近所のクレープ屋さんのシナモンアップルのクレープだ。
「シナモンアップル……?」
「正解!」
頭を撫ぜられる。
とても満たされる感じがした。
サクサク、としたパイ生地が美味しくて一かけペロリと食べおえた。
もしかして、好物かも。
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