【改稿版】旦那様、どうやら御子がおデキになられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉ 

Hinaki

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第二章  五日後に何かが起こる?

【8】

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 そんなヴィヴィアンに暇なんてものはほぼほぼ存在しない。
 先ず第一に夫であるリーヴァイは公爵業と魔導省長官の兼務、そして皇族としての仕事で手一杯と言ったところだ。これ以上の仕事は人間としての許容量を超えてしまうので無理である。そう言う事で公爵領の経営に関しては全使用人達の長であるランド・スチュワードのウィルフレッドにほぼ全てを任せていると言ってもいい。

 そうリーヴァイの件はそれで問題はない。
 ここで問題なのはヴィヴィアンである。
 成人女性皇族、然も国内で最高位の女性ともなれば普通の公爵夫人のままちんまりと納まっている訳にはいかない。

 偶々今日は屋敷内で済む程度の仕事だったのだが、常のヴィヴィアンは実に分刻みのスケジュールに追われているのである。
 例えば孤児院や病院、その他多くの施設への慰問は勿論、国外からの賓客が訪れた際にはヴィヴィアンが率先して妃や王女、幼い王子方の持て成しを一手に引き受けなければいけない。
 無論皇帝の側妃達も色々と手伝ってはくれてはいるのだが、そこはやはり身分的に表立って自由には動けないらしい。

 また国賓を招いての舞踏会ともなれば皇帝は側妃達をパートナーに選ぶのだがしかし皇帝のファーストダンスには側妃Sではなくヴィヴィアンがそのパートナーを務めている。

 これに関しては夫であるリーヴァイにとって実に不満で仕方がないらしい。
 
 国賓のいる前であからさまに怒りはしないもののその全身より漏れ出る不機嫌オーラが駄々洩れ過ぎれば、傍近くにいるだろう皇太子はその様子を見てはゲラゲラと腹を抱えて笑い、毎回リーヴァイへ指摘をしてくるのだから本当に性質が悪い。
 そうして結果溜まりに溜まった怒りとも不機嫌の矛先は妻であるヴィヴィアンへ向いてしまう訳で、その度に彼女は朝までしっかりと抱き潰されてしまうのである。

 それから后妃不在の為定例の皇室主催のお茶会はヴィヴィアンを主にして催さねばならないのである。
 これは皇室と貴族との絆を深めると共に、色々と情報交換や収集を行うのに必要不可欠なもの。
 流石にこの時ばかりは皇室主催故にヴィヴィアン自らお菓子やケーキを作る訳にはいかない。
 とは申せ何事も相手を大切に思う彼女にしてみれば調理はせずとも、テーブルセッティングや当日に飾る花々等がどうしても気になるのだろう。
 だからつい、そうつい忙しいのにも拘らず用意してくれる者達へ色々とお願いをしてしまうのだ。

 因みに皇帝の二人の側妃とヴィヴィアンの関係はすこぶる良好である。

 何と言っても三人の年齢が近い事もあり、それ以外にも実は側妃Sはヴィヴィアンの学園時代の頃の後輩なのだ。
 学生の頃より人当たりが良く心優しい先輩だと、彼女達はずっと心密かにヴィヴィアンへ憧れを抱いていたらしい。

 それ故なのか宮殿へ伺候すれば必ずと言っていい程側妃達は、子供達を交えては彼女を中々公爵邸へ帰したがらない。下手をすれば幾日でも宮殿へ逗留して欲しいと、最近は皇帝までもが彼女達の集まりへ顔を出せば『美味しいワインが手に入ったぞ』と、禁酒をしているヴィヴィアンへ何度か勧めようとするのである。

 年齢が近いとこうも皆フランクになれるのかと、内心この事を知った夫がまた自分へ無体を働いてくるかもしれないと思えばだ。我が身の行く末を思えば皇帝達の誘いへ安易に首を縦に頷く事は出来ないヴィヴィアンだった。
 

 それにしてもこんなぽっちゃりおばさん体型の何処に執着するのだろう……と、ヴィヴィアンは昔からそして今も不思議に思っている。


 真実愛されているのだとつい錯覚をしてしまいそうになるくらいに、リーヴァイは執拗に何時もヴィヴィアンを攻め立て逃げられない様に何処までも追い立てていく。
 そうして何度もせり上がれば真っ白に弾け飛ぶ様な快感に翻弄されながらヴィヴィアンは何度夫の腕の中で意識を飛ばした事だろう。
 

 でもそれももう直ぐで終わりを迎えるわ。


 ヴィヴィアンはそっと静かに嘆息する。

「全てはこの時の為なのだもの」
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