旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉

「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」

 華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。

 彼女の名はサブリーナ。

 エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。

 そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。

 然もである。
 公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
 
 一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
 趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。

 そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。

「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。

 ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。


 拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。


 
 
24h.ポイント 21pt
448
小説 24,145 位 / 187,519件 ファンタジー 3,200 位 / 42,894件

あなたにおすすめの小説

宝石店勤務のOLで疎まれなが生活してましたが異世界で幸せになります!

麻麻(あさあさ)
恋愛
街一番の宝石店の看板娘のエメの前世は宝石大好き!だがそれ故にモテないまま生涯を閉じたOL。 キラキラの宝石を身に纏う来世に期待したが転生した今はそれも無理だと諦めたが(前世よりは前世の知識もあり鑑定やデザインもでき)良い転生ライフを送れていたはずだったが城から使いが来て「姫の結婚式につけるティアラの宝石がなくなったから石が何か当てて!」と鑑定依頼されて住み込みで仕事をする事に。 しかも、モルクルのイジワル?な執事長を側につけられて不安な気持ちで仕事を開始するが、果たしてエメは今度こそ幸せになれるのか?

空白の場所-男性目線-

多田 えみ
恋愛
男性目線のストーリーです。 女性目線の方と分けてみました。 惣一郎がどのような男か 歪んだのは何故か こちらも合わせて読むと面白いかと思います。

四葉とお兄様

うしお
恋愛
両親を相次いで亡くし、身内は兄一人だけになってしまった日賀四葉。これまで別々に暮らしていた兄・陽一朗は、大きな屋敷で一人になった四葉のために帰ってきた。たくさんいた使用人は最低限に減らされ、古くからいた執事や侍女も屋敷を去った。そして、陽一朗から四葉に、ある提案がもたらされる。教えてくれるはずだった両親の代わりに、唯一の身内となった陽一朗が、四葉に秘密の花嫁修業を教えてくれるという。二人きりの寝室で、淫らな花嫁修業が開始される。 シスコンの兄による無知な妹の淫乱調教。近親相姦ものです。

禁断の愛はどこに向かうのか【短編集】

あんドーナツ
大衆娯楽
兄は妹を愛おしく想い、妹は兄を求めていた。 姉の誘惑に弟は困惑する。 ※「カクヨム」にも掲載中。

恋人を目の前で姉に奪い取られたので、両方とも捨ててやりました

皇 翼
恋愛
フローラにはかつて将来を誓い合った男の子がいた。 初恋だった。これ以上ないくらいに儚くて、優しくて、綺麗な――しかし今ではそれ以上に思い出したくないくらいに腹立たしくて、痛くて、汚い感情が心の底からわいてくる。そんな初恋。 なにせ、その初恋は奪われたのだ。実の姉によって。 幼かったフローラの目に映ったのは将来を誓い合った相手とキスをする姉の姿だった――。 ****** ・3人称から1人称にした作品です。

『親友』との時間を優先する婚約者に別れを告げたら

黒木メイ
恋愛
筆頭聖女の私にはルカという婚約者がいる。教会に入る際、ルカとは聖女の契りを交わした。会えない間、互いの不貞を疑う必要がないようにと。 最初は順調だった。燃えるような恋ではなかったけれど、少しずつ心の距離を縮めていけたように思う。 けれど、ルカは高等部に上がり、変わってしまった。その背景には二人の男女がいた。マルコとジュリア。ルカにとって初めてできた『親友』だ。身分も性別も超えた仲。『親友』が教えてくれる全てのものがルカには新鮮に映った。広がる世界。まるで生まれ変わった気分だった。けれど、同時に終わりがあることも理解していた。だからこそ、ルカは学生の間だけでも『親友』との時間を優先したいとステファニアに願い出た。馬鹿正直に。 そんなルカの願いに対して私はダメだとは言えなかった。ルカの気持ちもわかるような気がしたし、自分が心の狭い人間だとは思いたくなかったから。一ヶ月に一度あった逢瀬は数ヶ月に一度に減り、半年に一度になり、とうとう一年に一度まで減った。ようやく会えたとしてもルカの話題は『親友』のことばかり。さすがに堪えた。ルカにとって自分がどういう存在なのか痛いくらいにわかったから。 極めつけはルカと親友カップルの歪な三角関係についての噂。信じたくはないが、間違っているとも思えなかった。もう、半ば受け入れていた。ルカの心はもう自分にはないと。 それでも婚約解消に至らなかったのは、聖女の契りが継続していたから。 辛うじて繋がっていた絆。その絆は聖女の任期終了まで後数ヶ月というところで切れた。婚約はルカの有責で破棄。もう関わることはないだろう。そう思っていたのに、何故かルカは今更になって執着してくる。いったいどういうつもりなの? 戸惑いつつも情を捨てきれないステファニア。プライドは捨てて追い縋ろうとするルカ。さて、二人の未来はどうなる? ※曖昧設定。 ※別サイトにも掲載。

「君とは結婚しない」と言った白騎士様が、なぜか聖女ではなく私に求婚してくる件

百門一新
恋愛
シルフィア・マルゼル伯爵令嬢は、転生者だ。どのルートでも聖人のような婚約者、騎士隊長クラウス・エンゼルロイズ伯爵令息に振られる、という残念すぎる『振られ役のモブ』。その日、聖女様たちと戻ってきた婚約者は、やはりシルフィアに「君とは結婚しない」と意思表明した。こうなることはわかっていたが、やるせない気持ちでそれを受け入れてモブ後の人生を生きるべく、婚活を考えるシルフィア。だが、パーティー会場で居合わせたクラウスに、「そんなこと言う資格はないでしょう? 私達は結婚しない、あなたと私は婚約を解消する予定なのだから」と改めて伝えてあげたら、なぜか白騎士様が固まった。 そうしたら手も握ったことがない、自分には興味がない年上の婚約者だった騎士隊長のクラウスが、急に溺愛するようになってきて!? ※ムーン様でも掲載

〖完結〗婚約者の私より幼馴染みが大切なあなたを、捨てようと思います。

藍川みいな
恋愛
婚約者のハリソン様は、私を愛していない。それどころか、お金を出す道具としか思っていなかった。会いに来るのは、お金が必要な時だけ。 お金を借りに来る理由は毎回同じで、幼馴染みのマーシャさんの体調が悪いと言ってくる。2年間も同じことを繰り返して来たのだから、いい加減うんざりだ。 私は彼と別れる決心をした。2人には、今まで私を利用して来たことを後悔させてあげる。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全12話で完結になります。 誤字報告ありがとうございます!承認不要との事でしたので、こちらでお礼を言わせていただきます。