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第三章 それぞれの闇と求める希望の光
【18】
しおりを挟むわたくしは六回目の転生をし、何時もの如く22歳の誕生日に全てを思い出したのです。
記憶を思い出したわたくしは此度こそ絶対に運命へ抗い見事勝利を収めて見せましょう……って何故決意表明をしたのかしら。
いえ、決意と申しましょうかただ今までの陰鬱とした過去世とは違い、今のわたくしはなるべく自身の人生を明るく生きていきたいと思い至りましたの。あぁ今までの人生でもわたくしなりにそう生きて行こうと思い、行動したつもりでした。
確かに行き着く先は思い出したくもない悍ましいバッドエンドが決まっているだろう人生でもです。
なのにどうしてそこまで明るくもポジティブになれるのかと申しますと、やはりわたくしの根幹には結人様のお言葉があるからなのです。
『絶対に諦めない!!』
今までのわたくしは、一度、二度目までは違うかもしれません。でも三回目以降は何処か諦めていた気持ちがあったのでしょうね。だから自然と不幸を呼び込んでしまったのではないのかと思い至りましたの。
何時終わるやもしれない繰り返しの人生でもです。
きっとわたくしと出会う全ての人々にしてみればそれは初めての事であると同時に、またその時のわたくしの人生も然りなのです。こうして思い出し過去を振り返ればどの人生も全て同じに見えて実は全く同じものではなかった事に六回目の人生の中盤で漸くその事に気がついたのです。
日本での結人様との出逢いも。
前回の謎なお父様の行動も。
いいえわたくしが気付いていないだけでまだまだ小さな変化はあったのだと思います。
そして此度の人生もきっと過去のものとは違う何かがあると考えたのです。
ふふ、同じバッドエンドな人生でもほんの少しだけですが心がウキウキと何やら楽しくなってしまいますし、またわたくし自身が先ずこの人生を楽しまなければいけないのですよ。
ただ大人しく最悪なバッドエンドを受け入れたりはしません。
そこはこれから色々と回避出来る様に前回よりももっと強く、大きく立ち回らねばいけないのでしょう。
先ず第一目標として掲げる事はプライステッド大公殿下並びに公爵への関りをなるべく…・・・とは申しましても、これまでの前世でも婚姻へ至るまでに何か特別な繋がりがあったのかと問われればそうでもないのです。
そこは普通に一般的な貴族のお付き合い程度……でしたもの。
ですのでこれからは更に注意深く、神経をとがらせなくてはいけません。それから何が何でも34歳までにどなたかと婚姻若しくは神へこの身を捧げる事に致しましょう。
ああこれは名案です。
最悪婚約結婚は出来なくともです。皇帝陛下の勅命を頂く前に俗世とはすっぱりきっぱりと別れを告げ、生涯を清く正しく神へお仕えすればよいのです。
修道院は最悪なバッドエンドとは真逆な世界なのですもの。
いえいっその事今からでも俗世とお別れをし、修道院で神へ仕えるのも悪くはありません。
何なら今ならば誰にも邪魔をされずに最悪を回避出来ますわね。
あぁそうと決まればタウンハウスに留まらず、シーズン?
社交シーズンなんてこの際どうでも良いですわ。
その様なものは俗世の方々にお任せすればよい事なのです。
兎に角事は一刻を争います。
最初と申しますがこれで呪いじみた転生は最後となるでしょう。
家族には大変申し訳なくまた不出来な娘でごめんなさい。
でもわたくしの行動一つで救われる可愛い少女の存在もあるのです。
シンディー、此度こそあなたをわたくしの悍ましい破滅へ巻き込んだりはしませんからね!!
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