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第14話 ゴミダメの王国でパーティー追放されちゃいました
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「おい、お前、いつも荷物持ちばっかりで、その謎のゴミガチャってスキルは使わないのかよ」
仮初の剣という冒険者パーティーがある。
そこに8名のメンバーで、ダンジョン攻略をしていたのだが。
リーダーで戦士であるエイプリル、ヒーラーであるオーガス、剣士であるオクトパス、商人であるマンス、バッファーであるムーン、バーサーカーであるファスト、弓使いであるアーチェリー、そして荷物運びのゴイル。
それが、パーティーメンバーだった。
ゴイルには【スキル:ゴミガチャ】というスキルがあり、さらに【スキル:圧縮】というスキルがある。
圧縮で物を小さくして、バッグに収納出来る事から、素材やアイテム、装備などの運搬を任せられている。
「伝説のアイテムボックスがありゃーお前なんかいらないんだけどなー」
ゴイルがへこへこと頭を下げて、彼等についていく。
そこへ、ダンジョン最下層に出てくるボスモンスターが現れる。
皆それぞれ、奮闘して倒したのだが。
エイプリルが大きな深手を負ってしまった。
商人のマンスが困った顔をしていたが。エイプリルに耳打ちしていた。
それから、エイプリルをファストが背負って運び、ゴミ王国へと帰還した。
「ここはーいつ見てもゴミだらけだな」
「エイプリルの怪我は」
「ゴイル、ありゃーSランク級のポーションが必用でな、今回のダンジョン攻略では資金が足りねー、このままいけば、エイプリルは死ぬ」
「どうすれば」
ゴイルはおどおどと尋ねる。
「俺に出来る事があれば」
「よく言った」
そうファストが呟くと。
「お前、ゴミ王国の奴隷になれ」
「はい?」
「そしたら、こっちに金が入ってくる。いわゆるお前はパーティー追放って奴だ。今までの恩を返してもらって良いか?」
「でも、奴隷になったら」
「大丈夫だ。ゴミ王国で10年間奴隷になれば開放されるから、だろ?」
「頼む、ゴイル、この冒険者パーティーの命運なんだ」
「ゴイルの力が必要だ」
「ゴイルがやってくれれば、俺達は魔王討伐なんて夢見る事が出来る」
「ゴイル頼む!」
全員から懇願されて、ゴイルは涙ながらに歯を食いしばると。
「うん、分かった」
その日、ゴイルはパーティー追放されて、さらにはゴミ王国でごみ処理をするという奴隷へとなった。
それも10年間という月日が必用だという物だったのだが。
ゴイルはどんな時でも辛い時でも笑顔を絶やさない。
父親と母親はジェイグルンド共和国の侵略戦争で死んだ。
その侵略戦争の後で、この王国はゴミダメとなり、ゴミ王国と呼ばれるようになった。
ジェイグルンド共和国の植民地、この国には国王が存在しない。
あるのは、せっせと働く奴隷と、それを支配する。ジェイグルンド共和国の幹部達だったのだから。
後は彼等から仕事を貰って冒険者稼業をするエイプリルみたいな人達。
首に首輪を繋げられ、腕に鎖を繋げられて、圧縮スキルを活用してゴミを運搬する。
多くの奴隷が夢や希望を捨てたような眼をしており。
ゴイルは大きな欠伸を噛みしめながら。
今日もゴミ運搬の生活を始める。
「食事はこれだけか」
パンと小麦が入ったスープ。
回りがゴミの山となっており、そこが住む場所となっている。
「夢や希望がないか、こんなゴミが何になるんだ」
手の平に乗せた。小さな壊れた玩具。
「こんなもの」
ゴイルの瞳から涙がぽつりぽつりと流れてくる。
今年で15歳になった。祝ってくれる友達はいなかった。
ゴミガチャという意味の分からないスキル。圧縮というスキルは物凄く使い勝手は良いが。
いつか、夢を見ている。1人でモンスターの大群を討伐するという。
英雄的な男になる事をだ。
「こんなもの」
ゴミを握りつぶした瞬間。
【ゴミが処理されました。ガチャが3回出来ます】
「は?」
ガチャという意味を知っていた。
それは何が出るか分からないというものだ。
しかし、どこにもガチャを吐き出す道具は存在しない。
意識で、ガチャを回すと意識すると。
異空間より3個のカプセルが出現した。
【UR=宮本武蔵】
【UR=アキレウス】
【UR=佐々木小次郎】
人の名前だ。
しかもこの世界の人間ではない。
頭の中に流れてくる情報によると、地球と呼ばれる異世界で、遥か昔に活躍した英雄だそうだ。
彼等は死後、地獄にてタルタロスと呼ばれる神との戦争に明け暮れていたとか。
カプセルを開くと。
見た事もない、絹のような羽織のような衣服を身に着けて、髪の毛が縛られている男性が立っていた。
彼は腰に2本の刀と呼ばれる異国の武器を帯刀していた。
次のカプセルも開けると。
見た事もない、革鎧を身に着けている男性がいた。上半身がむき出しになりながらも、その筋肉は盛り上がっており、大きな剣を腰に装備していた。
次のカプセルも開けると。
2本の刀を装備していた男と同じような衣服を身に着けている男性が出てきた。
少しだけ女っぽい顔をしていたが、細長い刀を背中に担いでいた。
最初に出てきた男性が宮本武蔵で、次がアキレウスで、次が佐々木小次郎。
脳内にこの世界の文字ではない情報が流れてくる。
3人はこちらに向かって、片膝をついて。頭を下げた。
「地獄より救っていただき感謝する。この宮本、お主に忠誠を誓おう」
「地獄より出てきた新しい世界。そこで俺は新しい戦場へと狩り出される、何なりと使え、アキレウスをな」
「地獄より救っていただきまして、誠に感謝いたす。宮本がいる事が気に食わないが、主に忠誠を誓おう、佐々木小次郎の剣が導こう」
「お、俺は、今どうなってるんだ」
意味が分からない状態。
ガチャから出されたのは装備でもなくアイテムでもなかった。
それは人間だったのだから。
「おい、そこ、何をさぼっておる!」
看守が走ってきた。
鞭を構えている。
その鞭がしなると、まず最初にゴイルの肩に当たりそうになるが。
アキレウスが片手で掴んでしまった。
「おい、主に無礼だぞ」
「主? ここの主は俺達だが」
「そうとは思えぬ」
「反攻するか!」
その時、看守が笛を鳴らした。
わらわらと20名程の看守が集まってくる。
彼等は鞭を構えている。
ゴイルは真っ青になりながらも。
「主よ命令下されば全員殺しますが」
「出来るものならやって欲しい」
「この宮本承りました」
宮本武蔵が2本の刀を引きぬく。
それは一瞬だった。
鞭を構えた看守が走ってくるだけで、鞭がしなる。
すれ違いざまに宮本武蔵の高速の2刀が翻ると。
ずるりと看守の首が落下した。
だが、落下する過程で、2人目、3人目、4人目と宮本は斬首していった。
残りの16名は唖然としていて、逃げようとしたのだが。
「逃がしませんよー」
佐々木小次郎の細長い剣が伸びる。
「スキル:伸縮自在」
剣が蛇のようにうなり、逃げようとしていた看守の背中をぐさりと突き刺していく。
突き刺さった剣はさらなる獲物を求めて殺していく。
最後に、弓矢が翻った。
アキレウスが片手でそれを掴むと。
思いっ切り投げる。
遠くにいた兵士の頭の真ん中に命中して絶命する。
一瞬にして、20名の看守が死亡し、1名追加された弓兵も死亡した。
1人また1人と奴隷が集まってくる。
彼等は片膝をついた。
「ゴイル、ゴイル、ゴイル!」
なぜか、その名前で呼ばれていた。
【スキル:王者】を獲得したようだ。
このスキルは王としての素質を表し、周りから王として認識されるようになるという、チートスキル。
ただし条件があり、相手から尊敬される事だった。
奴隷だけでも200人はいるだろう。
看守達は異変に気付いて、ゴミ王国から退避を始める。
それはきっとあの冒険者パーティー達も同じなのだろう。
「今、俺に出来る事」
それはゴミを処理、つまり破壊してゴミガチャを発動させると言う物だ。
「俺のレベルは20くらい、そのレベルで処理出来るゴミを集めてきて欲しい」
【御意】
3人の英雄と200人の奴隷から民衆になった人達が動き出す。
ゴイルの元へ、次から次へとゴミが集められていった。
そして、ゴイルはゴミを処理し続ける事になる。
仮初の剣という冒険者パーティーがある。
そこに8名のメンバーで、ダンジョン攻略をしていたのだが。
リーダーで戦士であるエイプリル、ヒーラーであるオーガス、剣士であるオクトパス、商人であるマンス、バッファーであるムーン、バーサーカーであるファスト、弓使いであるアーチェリー、そして荷物運びのゴイル。
それが、パーティーメンバーだった。
ゴイルには【スキル:ゴミガチャ】というスキルがあり、さらに【スキル:圧縮】というスキルがある。
圧縮で物を小さくして、バッグに収納出来る事から、素材やアイテム、装備などの運搬を任せられている。
「伝説のアイテムボックスがありゃーお前なんかいらないんだけどなー」
ゴイルがへこへこと頭を下げて、彼等についていく。
そこへ、ダンジョン最下層に出てくるボスモンスターが現れる。
皆それぞれ、奮闘して倒したのだが。
エイプリルが大きな深手を負ってしまった。
商人のマンスが困った顔をしていたが。エイプリルに耳打ちしていた。
それから、エイプリルをファストが背負って運び、ゴミ王国へと帰還した。
「ここはーいつ見てもゴミだらけだな」
「エイプリルの怪我は」
「ゴイル、ありゃーSランク級のポーションが必用でな、今回のダンジョン攻略では資金が足りねー、このままいけば、エイプリルは死ぬ」
「どうすれば」
ゴイルはおどおどと尋ねる。
「俺に出来る事があれば」
「よく言った」
そうファストが呟くと。
「お前、ゴミ王国の奴隷になれ」
「はい?」
「そしたら、こっちに金が入ってくる。いわゆるお前はパーティー追放って奴だ。今までの恩を返してもらって良いか?」
「でも、奴隷になったら」
「大丈夫だ。ゴミ王国で10年間奴隷になれば開放されるから、だろ?」
「頼む、ゴイル、この冒険者パーティーの命運なんだ」
「ゴイルの力が必要だ」
「ゴイルがやってくれれば、俺達は魔王討伐なんて夢見る事が出来る」
「ゴイル頼む!」
全員から懇願されて、ゴイルは涙ながらに歯を食いしばると。
「うん、分かった」
その日、ゴイルはパーティー追放されて、さらにはゴミ王国でごみ処理をするという奴隷へとなった。
それも10年間という月日が必用だという物だったのだが。
ゴイルはどんな時でも辛い時でも笑顔を絶やさない。
父親と母親はジェイグルンド共和国の侵略戦争で死んだ。
その侵略戦争の後で、この王国はゴミダメとなり、ゴミ王国と呼ばれるようになった。
ジェイグルンド共和国の植民地、この国には国王が存在しない。
あるのは、せっせと働く奴隷と、それを支配する。ジェイグルンド共和国の幹部達だったのだから。
後は彼等から仕事を貰って冒険者稼業をするエイプリルみたいな人達。
首に首輪を繋げられ、腕に鎖を繋げられて、圧縮スキルを活用してゴミを運搬する。
多くの奴隷が夢や希望を捨てたような眼をしており。
ゴイルは大きな欠伸を噛みしめながら。
今日もゴミ運搬の生活を始める。
「食事はこれだけか」
パンと小麦が入ったスープ。
回りがゴミの山となっており、そこが住む場所となっている。
「夢や希望がないか、こんなゴミが何になるんだ」
手の平に乗せた。小さな壊れた玩具。
「こんなもの」
ゴイルの瞳から涙がぽつりぽつりと流れてくる。
今年で15歳になった。祝ってくれる友達はいなかった。
ゴミガチャという意味の分からないスキル。圧縮というスキルは物凄く使い勝手は良いが。
いつか、夢を見ている。1人でモンスターの大群を討伐するという。
英雄的な男になる事をだ。
「こんなもの」
ゴミを握りつぶした瞬間。
【ゴミが処理されました。ガチャが3回出来ます】
「は?」
ガチャという意味を知っていた。
それは何が出るか分からないというものだ。
しかし、どこにもガチャを吐き出す道具は存在しない。
意識で、ガチャを回すと意識すると。
異空間より3個のカプセルが出現した。
【UR=宮本武蔵】
【UR=アキレウス】
【UR=佐々木小次郎】
人の名前だ。
しかもこの世界の人間ではない。
頭の中に流れてくる情報によると、地球と呼ばれる異世界で、遥か昔に活躍した英雄だそうだ。
彼等は死後、地獄にてタルタロスと呼ばれる神との戦争に明け暮れていたとか。
カプセルを開くと。
見た事もない、絹のような羽織のような衣服を身に着けて、髪の毛が縛られている男性が立っていた。
彼は腰に2本の刀と呼ばれる異国の武器を帯刀していた。
次のカプセルも開けると。
見た事もない、革鎧を身に着けている男性がいた。上半身がむき出しになりながらも、その筋肉は盛り上がっており、大きな剣を腰に装備していた。
次のカプセルも開けると。
2本の刀を装備していた男と同じような衣服を身に着けている男性が出てきた。
少しだけ女っぽい顔をしていたが、細長い刀を背中に担いでいた。
最初に出てきた男性が宮本武蔵で、次がアキレウスで、次が佐々木小次郎。
脳内にこの世界の文字ではない情報が流れてくる。
3人はこちらに向かって、片膝をついて。頭を下げた。
「地獄より救っていただき感謝する。この宮本、お主に忠誠を誓おう」
「地獄より出てきた新しい世界。そこで俺は新しい戦場へと狩り出される、何なりと使え、アキレウスをな」
「地獄より救っていただきまして、誠に感謝いたす。宮本がいる事が気に食わないが、主に忠誠を誓おう、佐々木小次郎の剣が導こう」
「お、俺は、今どうなってるんだ」
意味が分からない状態。
ガチャから出されたのは装備でもなくアイテムでもなかった。
それは人間だったのだから。
「おい、そこ、何をさぼっておる!」
看守が走ってきた。
鞭を構えている。
その鞭がしなると、まず最初にゴイルの肩に当たりそうになるが。
アキレウスが片手で掴んでしまった。
「おい、主に無礼だぞ」
「主? ここの主は俺達だが」
「そうとは思えぬ」
「反攻するか!」
その時、看守が笛を鳴らした。
わらわらと20名程の看守が集まってくる。
彼等は鞭を構えている。
ゴイルは真っ青になりながらも。
「主よ命令下されば全員殺しますが」
「出来るものならやって欲しい」
「この宮本承りました」
宮本武蔵が2本の刀を引きぬく。
それは一瞬だった。
鞭を構えた看守が走ってくるだけで、鞭がしなる。
すれ違いざまに宮本武蔵の高速の2刀が翻ると。
ずるりと看守の首が落下した。
だが、落下する過程で、2人目、3人目、4人目と宮本は斬首していった。
残りの16名は唖然としていて、逃げようとしたのだが。
「逃がしませんよー」
佐々木小次郎の細長い剣が伸びる。
「スキル:伸縮自在」
剣が蛇のようにうなり、逃げようとしていた看守の背中をぐさりと突き刺していく。
突き刺さった剣はさらなる獲物を求めて殺していく。
最後に、弓矢が翻った。
アキレウスが片手でそれを掴むと。
思いっ切り投げる。
遠くにいた兵士の頭の真ん中に命中して絶命する。
一瞬にして、20名の看守が死亡し、1名追加された弓兵も死亡した。
1人また1人と奴隷が集まってくる。
彼等は片膝をついた。
「ゴイル、ゴイル、ゴイル!」
なぜか、その名前で呼ばれていた。
【スキル:王者】を獲得したようだ。
このスキルは王としての素質を表し、周りから王として認識されるようになるという、チートスキル。
ただし条件があり、相手から尊敬される事だった。
奴隷だけでも200人はいるだろう。
看守達は異変に気付いて、ゴミ王国から退避を始める。
それはきっとあの冒険者パーティー達も同じなのだろう。
「今、俺に出来る事」
それはゴミを処理、つまり破壊してゴミガチャを発動させると言う物だ。
「俺のレベルは20くらい、そのレベルで処理出来るゴミを集めてきて欲しい」
【御意】
3人の英雄と200人の奴隷から民衆になった人達が動き出す。
ゴイルの元へ、次から次へとゴミが集められていった。
そして、ゴイルはゴミを処理し続ける事になる。
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