ガチャガチャ戦記~ブラックなスキル持ち達の解放戦争~

AKISIRO

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第26話 伝説はへぼかった説

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 カイル・オリゲートは空を見上げる。

「あー滅茶暗いなー、朝の太陽はまだ上ってこないのかねー」
「後1時間後くらいには上ってくるでしょうカイル様」

「ふむふむ。あの光輝く点みたいなのが12翼って奴だよな、よし、皆ー最優先であいつらを皆殺しにしてくれ」

【御意】

「こっちもジーバ執事長を抜かして、12翼ってか、ちょっと面白いかもしれない」
「というか、このリラも含まれてるのですね」

「そりゃーそうだろ、キミ、剣帝だろ」
「まぁ、神速のルーム・クラフより剣帝と任命されましたが、あなたが受け継ぐのですよ」

「そりゃー夢だけど、俺はこのクワ1本で戦うよ」
「そのバカ重たいクワより剣を使いましょう」

「なんか、こっちの方がしっくり来るって奴さ、そんじゃ、いきますかー」
「所で、梯子を掛けてきて登ろうとしてくる兵士達はどうします? さすがにジーバ執事長1人で相手に出来るレベルではないかと」

「それなら、皆にも防衛しつつもー12翼殺してちょ」
「そんな無茶苦茶な、12翼と言えば伝説ですよ」

「意外と伝説ってのはへぼいかもしれないよ」
「それはまぁ、カイル様の強さを考えるとそうかもしれませんが」

 空より振動が伝わってくる。
 12翼のワイバーンが城壁の内側へと着陸する。
 その背後よりどっとバナレス卿の兵士達が梯子をかけて上ってやってくる。

「俺の名は光のジニーお前等を殺しに来た伝説だ」

 光のジニーは全身が金ピカリのようなアクセサリーに包まれていた。
 それが何かしらのアイテムまたはアーティファクトだという事が分かるのだが。

「全軍、たかだか辺境の領主、皆殺しにせよ」

 どうやら、少し前に痛めつけたバーナード隊長がやってきたようだ。

「では、専制攻撃と行きますよー」

 カイル・オリゲートは思いっ切りクワをぶん投げた。
 遠心力でぐるぐると回転していき、そのまま、光のジニーのワイバーンの頭を潰してしまった。

「な、んだと、相棒おおおおおお」

 光のジニーの絶叫がこだましていく。
 兵士達の士気が一気に低下したのか、こちらに攻撃を仕掛けて良いのか迷っているようだ。

「さてと、行きますか」

 リラメイド長が2本の剣を引きぬきざま、ぐるりと剣を回転させて。
 兵士を1人また1人と惨殺し始めていく。
 首が胴体が宙を舞う中で。

「えげつねーなリラは」
 
 カイルは一瞬にして先程のクワを投げた場所に跳躍していた。
 クワを拾いざま。

「おめーら容赦しねーからな」

 光のジニーが宝石だらけの剣を引きぬいた時。

 12翼+5万兵士VS11ガチャ+リラ+カイルの戦いが始まろうとしていた。

★ 闇のヤニー
 
 暗闇に包まれている。闇のヤニーとは死神の力を受け継ぎし者であった。
 その大鎌に攻撃されれば、どんな人間も1撃で死ぬ。
 それは致命傷じゃなかろうとも、攻撃が当たれば魂が吸い取られるからだ。

 スキル:闇隠れの力で辺りが闇に包まれている時だけに隠れ続ける事が出来る。
 この弱点は太陽が昇ると解除される事だ。
 ただし、夜の中では最強のスキルと自負しているし、この死神の力を宿した大鎌のおかげで伝説となった。

 今まさにカイル・オリゲートの首に狙いを定め。
 攻撃を繰り出そうとした瞬間。

「うぉっと、まる見えでやんすよーなぜなら、裏世界から見てるです」

 何者かの声が響いた。
 闇でこちらが見えないはずなのに。そいつは2本のナイフを両手で玩具遊びのようにしており。
 体中にはナイフをしまうポケットの穴が空いた服を身に着けていた。

「顔が反対なのか?」

「それが個性ってもんでげすよー」

 突如として、そいつは別の空間に入り消滅したかと思ったら。
 眼の前の空間に亀裂が走り、ナイフが飛来した。

「うぉっと」

 闇のヤニーが大鎌を構える中で。そいつは攻撃を繰り出し。

「スキル:裏世界これがあれば、どんな敵でも暗殺できちゃちゃう」

「お前頭がおかしいのか」

「面白いでげすよーそーらそらそらーそら」

 あちこちの空間の切れ目から、ナイフやらが飛んでくる。
 その数は無数。
 まるで至る所から手が生えているようだった。

「どうしたでげすかー」

 闇のヤニーは防戦一方で、死の大鎌を振るう事が出来なかった。
 
「ふざけるな」

 思いっ切り大振りになった時、両腕がばっくりと両断されて落下した。

「あがやああああああ」

「良い悲鳴でげすねー冥途の土産に名前を教えてあげるでげすよーおれちゃんの名前は裏世界キャンベル」

 至る所の空間から無数のナイフが飛来して、闇のヤニーをめった刺しにしていた。
 1つの伝説が終わった時だった。


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