ガチャガチャ戦記~ブラックなスキル持ち達の解放戦争~

AKISIRO

文字の大きさ
31 / 70

第31話 ゴミとはいらぬ人間の事を言うのだよ

しおりを挟む
 ゴミ王国の王となったゴイルは隕石魔法のメテオで大地を揺らした。
 その日、ゴミ王国周辺だけではなく、至る所で大地震が起きた。
 その発端は。

「俺のせいだよなぁ」

 そのせいで、各地の建物は倒壊し、多くの死傷者を出したそうだ。

「終わりの大賢者とはかっけー名前じゃねーかよ」

 宮本武蔵が綺麗に剃った髭を見せびらかしながら腕組みして叫んだ。

「あまり良い名前ではないのでは? 終わりなのですから」

 佐々木小次郎がふっふっふと笑っている。

「それで、大量のゴミというか死体が集まった訳だけど、これでゴミ破壊場で破壊して、ガチャ回数を増やすとして、その後どうするかだけど」
「燃焼発電所で燃やしてしまうのが良かろうかと思いますが」

 アレキサンダー大王が提案してくれるが。

「そんな人の命をゴミみたいに扱って良いのだろうか」
「そもそも、ゴイル様の事を殺そうとしてきた人たちです。いらぬ人間などゴミです」

 アーサー王が少年の顔でその年齢では似つかわしくない発言をするが。

「ふ、ゴミとは確かにだ」

 クー・フーリンがにやりと笑う。

「ゴミだな確かにあれは、ハゲワシがカラスが死体を食っておる、もはや動かぬゴミだ」

 ジークフリートが冷酷に呟く。
 彼等英雄がどのような生れでどのような歴史をたどってきたのか、ガチャで当てた時にうっすらと記憶に流れて来てはいる。

 ただし、全てでは無い事をゴイルは悟っている。

「では動こう」

 その日、200人の元奴隷達と、英雄達の死体処理が始まった。
 死体が破壊される音は、もはや地獄と評して良いだろう。
 その光景をゴイルは眺めているだけだったが。
 何度も口から吐しゃ物を吐き出しそうにはなったが。

 その後ぐちゃぐちゃになった死体と燃やす。電力にするという過程を得て。
 この燃焼発電所の根本的な仕組みは理解しておらず、ただ使えるとだけしか思っていない。

 空には不気味な煙が立ち上る。

「あまりにも気持ちが悪いな」
 
 ゴイルの独り言が空しく響き。

「さてと、10回分のガチャか、思ったより少なめだったな、何人の死体を破壊したのかすら分からないが」

 誰もいないゴミ王国の城の中でガチャを回すわけだが。

【UR=ヒポクラテス】
【UR=源義経】
【UR=マーリン】
【SUR=異界魔剣】
【SUR=傀儡籠手】
【SUR=スマホ100台】
【SUR=通信衛星】
【SUR=10000レベルアップ】
【SUR=10000レベルアップ】
【SUR=10000レベルアップ】

 まずは、ヒポクラテスをカプセルから出した。
 彼は老齢な医者らしいが、見た目的には格闘家と言う感じだった。
 白いハチマキをしており、白いズボンを着用、上半身は裸で筋肉ムキムキだった。
 
「ほー良い臭いがするなーこれは血の匂いじゃ」
「沢山死にました」

「そうかそうか、ちとこの国について学ぼうかのう」

 そう言って、ヒポクラテスはとぼとぼと歩き出してしまった。
 
 次に源義経だが、どことなく宮本武蔵と佐々木小次郎と雰囲気が似ていた。
 情報によると、2人の時代より少し昔の時代の人間らしい。

「これは良い景色ではないですな、あまり綺麗とは言えない景色、だがそれもタルタロスの地獄よりはましだ」
「ここは地獄よりはましなのかもしれませんね」

 源義経が城内の柱に寄りかかって刀を触りながらこちらを見ていた。

 次がマーリンだ。
 彼は魔法使いのような服、つまり黒と紫の縞の入ったローブを着用していた。
 頭にはとんがり帽子を身に着け、老人だと思ったが見た目は青年のイケメン風だった。
 
 なぜ女性が出てこないのだと少しだけ悲観しそうになったゴイルだが。

「これは、主より魔法使いの臭いがしますねぇ、それもかなり物凄い奴」

「はい、大賢者の知識書を読破しました」
「ほほう、それは物凄い、ぜひともその書物を見せていただきたいのですが」
「それなら、玉座のテーブルに置いてあります」

 すると子供のようにマーリンは飛び跳ねて玉座の近くのテーブルから本を取り出して、人差し指と親指で丁寧にページをめくり始めた。

「これはこれは面白い」

 彼の事は放っておいて、他のゴミガチャ品の説明を見ようとした。

「異界魔剣か、これは、魂が行った事がある場所に飛ばせてくれると、不思議な剣だな」

 試しに、空間を異界魔剣で斬ってみると、空間そのものに亀裂が走り向こう側が見えた。
 そこは氷のような大地で、寒々と雪が降っていた。

 大きな扉が2個設置されており、そこはあけ放たれていた。
 突如としてゴイルはそこに引っ張られる。謎の引力のようなもので。

「な」
 
 源義経が慌てて亀裂に入ってくる。マーリンも踊るように入ってきて。
 亀裂は閉ざされた。

 ゴイルの恰好は一応冬場仕様ではない為。
 残念な事に尋常じゃない寒さを感じていた。
 マーリンが小さな杖で人差し指程の凝固した炎を灯すと。
 暖かさが当たりを支配した。
 眼の前の2個の扉。
 そこから無数に人がなだれ込もうとしていた。
 それも何かから逃げているようだった。

「あれは」

「ガルフ! 民がもたない!」
「そう言えども、仕方ねーだろ、世界そのものが崩壊した。皆無事か!」

「八大魔王は行方不明だな、うぉい、どうすんだよ」
「ギーヴ落ち着いて」
「ガルフてめーゼーニャに尻ばっかり叩かれてんじゃねーよ」
「どうすれというんだよこの氷の大地で」

 ゴイルの眼の前には扉から吐き出される多くの人間達が目に映った。
 ざっと1000人程の人間だろうか。
 吐き出し終わると扉がぐーっと閉じていった。

「あれは、他の世界の人間でしょうね」
「だろうけど、キミもだろうマーリン、源義経もか」

「どうでしょう、声をかけてみては? 悪い人達ではないようですし」
「そうしてみるか」

 ゴイルは雪道に足跡を作りながら1歩1歩とどしどしと歩を進めていった。

「そこのものー」
「まさか、この世界の人間か、すまない、俺達の世界が崩壊してしまって、なんとか救ったはずだったんだが」

 その男はこちらに近づきながら手を上げた。

 それがガルフ・ライクドというリサイクルガチャのスキルを持つ人間との出会いだった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

処理中です...