ガチャガチャ戦記~ブラックなスキル持ち達の解放戦争~

AKISIRO

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第32話 リサイクルガチャとゴミガチャ

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 ゴイルは異界魔剣をまた使用して、雪で溢れる世界の空間に亀裂を走らせた。
 ただ、なぜ、ここが魂そのものが記憶していた場所だったのかは分からずじまいだったが。
 ただ。巨大な像が立っていたのは見えた。
 
 その人物がどこからどう見ても自分自身だと思ってしまった。 
 だが、明らかに顔形が違っていた。

 それが不思議だったのだが。

 場所は変わってゴミ王国の城の中。
 そこには避難民が1000人程城下町のあちこちの建物で療養している。
 一応この国から出ていった人達の建物があったので、住むことが出来るには出来たが。

 眼の前には、貴族のようなしっかりとした服装をしたガルフ・ライクドが立っていた。
 その隣にはメイド服のような衣服を身に着けていて、腰には2本の剣を帯剣している女性。
 彼女の名前をゼーニャと言った。
 先程からあちこちを覗き見ている生意気そうな男がギーヴと言う男だった。
 3人は20歳くらいの年齢だと思われる。

「すまない、命を助けていただいてありがとう、キミの力は異界渡りみたいなものなのかい?」

「いや、違う、これはガチャで当てた道具の1つで」

「へぇ、キミもガチャを使うのか」

「お前もなのか?」

「そうそう、俺はリサイクルガチャ、物をリサイクルしてガチャ券にするんだけど、ただし条件がある。そこにあるものが自分の物だと断定できないといけない、だからここが俺の領地にならないとこの領地の物をリサイクル出来ないんだよ、見せれる範囲としては、そうだなこの古びた鉛筆をリサイクルと意識すると、消滅するわけだが、これは俺の所有物だからだ」

 眼の前から鉛筆そのものが消滅した。
 そして1枚の券へとリサイクルされたようだ。

「俺はこのゴミを破壊すると、ガチャを回せる。券とかは出てこない」

 手の平に乗せた小さな布を破ると。ガチャを回せるようになるのだが、数が足りなくてガチャを回せないようだ。

「この、ガチャ券を破ると、こうして、ってこの世界ではURとかで表示されるのか、しかも、ミヤモトだし、一体どいう事だ? 同じ人間を当てるという事なのかな」

「もしかしたら、俺達の世界は崩壊して、ガチャで当てた人やあそこにいた人達は世界と共にどこかへと行ってしまって、また当てたら戻ってくるんじゃ」

「ギーヴ、あまり悲しい事を言わないでよ」

「そうか、またガチャで皆を当てれば良いんだな民も皆も」

「ガルフは強いんだな」

「そうでもないさ、ゴイルだって強いんだろう、この国の王様をやってるくらいだからね」

「そうかもしれないが、何とも言えないよ」

 そう言いながら。

「ミヤモトを出しても良いかな?」

「俺の事か?」

「いや、君はミヤモトとは違うようだけど?」

 そこには、いつの間にか宮本武蔵と佐々木小次郎が立っていた。

「何事かと思って参ったが、不思議な人間達だな」

 眼の前の異空間から出現したのは、ミヤモトという男性だった。
 彼はこちらを見て次にガルフを見ると膝を曲げて屈した。

「このミヤモト只今参上しました。ガルフ様、皆は異世界の狭間に取り残されております」

「それはどういう世界なんだ」

「自分達にもよくわかりません」

「そうか」

 ガルフは大事そうに剣を握りしめている。

「でぇ? だからぁ? 俺達が出来ない事でもあんのかよっぉお、それなら、この世界でまた国を作るだけだ。ばぁあああか」

 その場がシーンと静まり帰った。

「ごめんなさいね、驚いたでしょ、ガルフはいつも気弱な少年なんだけど、武器を握ると豹変してしまうのよ、豹変領主として皆に恐怖されてたの」

「は、はは」

 ゴイルは失笑していると。

 ガルフは武器をから手を放す。

「ゴイル頼みたいことがある」
「何だろうか」

「俺達はこの世界に国を作る必要があるから、村を1つくれ」

「村かー村と言わず近くに滅ぼした街があるんだけどそこをでかくしたりしても良いよ、俺達はゴミ王国さえあれば良いからさ」
「そうか、助かる。街の領主に任命してくれるだけでいいそしたら何もかもこちらが勝手に動く」

「じゃあ、キミを新しく着ける領地、ガールーフ領地の領主として任命する」

 ゴイルは貴族の風習に従って、儀礼に乗っ取ったわけだが。
 なぜ、たかだがの唯の冒険者がこんな貴族の風習を覚えていたのか、それが自分自身でも謎であった。

「では、参ろうか、場所はあちらの方角だったな」

「宮本武蔵と佐々木小次郎で案内してやってくれ」
【御意】

 ガルフ・ライクドとギーヴとゼーニャとミヤモトが宮本武蔵と佐々木小次郎の道案内に従って歩き出すと。
 ギーヴが後ろを振り返って呟いた。

「そういや、隣の異世界の扉から他の一団が吐き出されてたな、あいつらは見た事もない乗り物でどこかへと飛んでいったぞ、ありゃー国そのものが飛んでたなー」

「そうでしたわね」

 異世界の扉は2つあった。
 1つはガルフ達がいた異世界。そこは崩壊して異世界の亀裂にその住民達は取り残された。
 だがもう1つがあった。
 そこから吐き出された異世界の猛者達はどうやら空を飛ぶ乗り物に乗って、新しい舞台へと旅だって言ったそうだが。

 どうやら。

「この世界は面白そうだな」
  
 マーリンの呟きがゴイルの左耳にまで届いていたが。源義経は剣を抱く姿で、うずくまりながら何かを考えているようだった。

「なぁ、この世界は1つじゃないとしてだ。俺達がいた世界では源平戦争があったんだが、その世界も1つだとして。一体いくつの異世界があるのだろうか?」

 源義経が不思議そうにそう尋ねていたが。
 その答えを導き出すことがゴイルには不可能であった。

 それから1時間ほど、先程当てたガチャ品達の検証を再び始める事に。

「それにしても、異界魔剣を使うといきなり飛ばされたからなー、気を付けて使わないと」

「傀儡籠手はーふむふむ、この籠手で振れたものを操る事が出来ると、しかも24時間と言う時間限定の元でか」
 
 それは生き物であれ唯の物であれど同じことのようで、試しに本を1冊触れてみた。
 すると、手の平に意識が宿る感じがして。後は自由自在に本を浮かしたりずらしたりする事が出来た。

「スマホ100台って、なんぞやこれ」

 四角い謎の物体。
 モノリスのようなそれは、燃焼発電所のような機械で造られているようだ。
 画面に触れると光出す。
 大きな丸い物体が浮かび上がる。
 そこにはいくつかの大陸が描かれている。
 
「これが惑星という奴なのだろうな」

 タップすると惑星が無数に出現する。
 それがきっと他の世界なのだろう。

 だが、問題があるとすれば、ただ惑星と大陸の様な地図が表示されるが何も操作出来ないという事だろう。

 通信衛星を打ち上げる必要があると、情報とで察する事が出来た。

「この通信衛星だが、傀儡籠手を使って浮遊させてと、これを宇宙と呼ばれる所に飛ばさないといけないと、あとは自然と動くと、本当に機械については意味が分からないよ」

 通信衛星が宇宙に辿り着くとスマホ画面が動き出した。
 すると、情報が頭の中に流れてくる。

「つまりこれがあれば、遠く離れた人とも会話出来ると、滅茶苦茶便利だな」

 100台あるので、後ほどガルフ達にも渡す事を考えて、まずは皆に配ろうと決意した。


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