ガチャガチャ戦記~ブラックなスキル持ち達の解放戦争~

AKISIRO

文字の大きさ
34 / 70

第34話 速すぎるスライム狩り

しおりを挟む
 アララスタ王国の6つの領地の1つバレスダ領地。
 そこは草原が無限大に広がっている領地とされている。
 草原のあちこちには洞窟の穴が存在しており。
 その洞窟はダンジョンと呼ばれている。
 冒険者が随時攻略しないと、そこからモンスターが溢れてしまうという。
 
「メレル! そっちいったぞ、てか速すぎるだろスライム」
「きゃ、はや」

 ロイは速すぎるスライムを討伐すべく、バレスダ領地のとある草原地帯へとやって来ていた。

「遠目では沢山いるように見えるんだけどなー」
「近づくと逃げていきますよね」

「狩りたい、きっとレベルアップするぞ!」
「残念ですけどそれも相当な数倒す必要がありそうですけどね、今日は夜も遅いですし、近くにジスタラン王国があるからそこの宿で休憩しましょう」

「そうだな、まさか、敵対しているアララスタ王国の領地のバレスダ領地に行くのはやばい気がするしなぁ」

 
★ とある酒場

「ぎゃははは、やっぱり、あの速すぎるスライムは討伐出来ないかー」

 酒場のマスターが豪快に笑っている。

「そうなんだよなぁ」

 回りにはどこぞから集まった冒険者達がいたのだが。

「おめーさんここいらでは見ない顔だな、ジスタラン王国は初めてか?」

「ええ、知り合いにカイル・オリゲートがいたはずなんですけど」

「そうかいって、まじかい、カイル様は俺達奴隷を助けてくださったんでさ、ここは酒場だけど、冒険者ギルドでもあるんだぜい」

「カイルも凄い事になって来たなぁ」

「やぁやぁ、やっぱりロイじゃないか、メレルも、カードゲームでもするかい?」

「お、カイルじゃねーか」

 ロイは久々に見た旧友の顔を見て、少しだけ笑う事しかできなかったが。

「おめーギャンブルしすぎて追放されたそうだな」
「おめーはエルレイム王国を再建したそうじゃないか、しかもスライム纏いなんてなってさ」

「スライム食ってたらこうなっちまったんだよ」
「スライムは食べ物ではないと思うのですが」
「お、剣帝のリラじゃないか」

「お久しぶりですロイ陛下」

「陛下はよしてくれよ」

 ロイはげらげらと笑いながら。

 カイルは問答無用とばかりにテーブルにカードを配り始める。

 ロイとメレルとカイルとリラが1人ずつカードを捲っていく。

「でだ。速すぎるスライムの討伐方法を知りたい」

「あーあれか、あれは無理だな」

「カイルも無理なのか?」

「いや、ロイの足の速さじゃ無理だ。あれは追いかけて殺すもんじゃない、矢とか飛び道具だな」
「なるほど、それは良い事を聞いた」

「ただ。物凄い群生しているらしくてな、バレスダ領地でそれが問題になってる。速すぎて作物を食べられているそうだ」
「それは面倒だ。俺が討伐してやろう」

「そりゃ助かるけど、こっちの畑は城壁に囲まれてるから被害は出てないけどな」
「そりゃよかった」

「そうだ。ロイ、エルレイム王国とジスタラン王国で交易でもしないか」
「そりゃー願ったりだ。うちには最高のポーションと最高のトマトと最高のかき氷があるぜ、まぁそれくらいなのと、メロムメロカダンジョンがあるくらいだな」

「こっちは馬鈴薯と玉蜀黍が尋常じゃない量手に入ってるよ」
「最初はそれ等の交易をしようってところで良いか、あとは情報交換等していこうぜ」

「それは助かる。ただ。アララスタ王国が良い顔しないのと、ジェイグルンド共和国とファイガスタ帝国が色々と動き出している。アララスタ王国はファイガスタ帝国とたたかい続けてるし、最近情報で手に入ったんだが、ジェイグルンド共和国の伝説の勇者達がゴミ王国に攻め入るんじゃないかって噂だ」

「ゴイルが危ないかもしれないなぁ」
「あそこはゴイルが立て直してるそうだけど、あいつなんでそんな事になってるんだ? ただの荷物持ちだっただろう?」

 カイルの問い掛けに、ロイもごくりと頷く。

 カイルとロイとゴイルは深いつながりではないが、不思議と通じるものを感じた3人でもあった。

「噂じゃ、10人前後でとんでもない数を殺したそうだし、もしやばそうだったら、助けにでもいくさ」

 ロイが胸を張って言うと。

「その時は俺達も動くさ、ただ。アララスタ王国がうざいかもしれんからジスタラン王国としてはなかなか動けないかもしれない」

「そりゃーまぁ、そういう時は致し方ないよな」

 ロイがうんうんと頷いていると。

「さてと、俺はそろそろ行くよ、後ほど、誰かにエルレイム王国に訪問させるよ」

「そりゃー助かる。俺はしばらくスライム狩をしてレベルを上げたい」

「なぜにスライムなんだよ」

「俺のご先祖さんがスライムに愛されていたそうだ」

「意味わからね、じゃあな、メレルも」

「体に気を付けてカイル」

 メレルが手をふると、それに答えてリラも手を振った。

「さてと、旧友との再開は終わったところだし、速すぎるスライム討伐を開始しよう」

 ロイは牛乳を飲み干して立ち上がった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

処理中です...