ガチャガチャ戦記~ブラックなスキル持ち達の解放戦争~

AKISIRO

文字の大きさ
35 / 70

第35話 スピードスライムには投擲スライム

しおりを挟む
 ロイは思考をし続ける。
 回りを見ると結構離れている先に速すぎるスライムがいる。
 彼等の名前をスピードスライムと呼ぶ。

 緑色のスライムで。形が少しだけ歪んでいた。
 地面をバウンドするのではなくて、するすると転がるようにして移動する。
 そのスピードは馬よりも早い、下手したらネズミよりも早い。
 
「速く食いたい」

 きっと不味いのだろう、だけどとても食べてみたい。
 スライムを食べるとなぜか元気になってくる。
 捕食スキルのせいもあるのかもしれないが、スライムは基本的にまずい。

「顔がやばいですよ」

 メレルの悲しい助言を聞きつつも。
 
「よーし」

 ロイは右手にスライムの塊を出現させる。
 それを全身全霊を込めて、ぶん投げる。
 1つの砲撃のように吹き飛び、スピードスライムを跡形もなく消滅させていた。

 吹き飛んだスピードスライム。緑豊かな草原に空いた巨大な穴。

「あなたは大砲ですか」
「いや、スライムの塊をぶん投げただけなんだけどな」

 その大きな穴に向かうと、スピードスライムが沢山いた。

 奴等はこちらに気付くと瞬時に移動を始める。
 だが、クレーター状になっているのでぐるぐるとそこを回っているだけ。

「ぐひひ」

「笑い方がえげつないですよ」

 メレルの悲しき突っ込みを受けながらも。ロイは次なる手とばかりにそこへと躍りかかった。

 クレーターの周りをぐるぐると回転するスピードスライムに対してロイは片端から誕生日に貰った剣で串刺しにする事に成功しなかった。

「あたらねーし」
「速すぎるんですわね」

「心の中で精神統一しつつっと」

 昔、神速のルーム・クラフという老人がいて、彼から戦い方と言う物をふざけ半分で聞いたことがある。
 その話によると、心の目で見よという意味不明な事を言っていた気がするが。

 今のロイにはそれを感じる事が出来るのだろうと、そんな気はしていた。

「って、当たらねーし、何が心の目で見よだ」
「いえ、ロイ、あなたは心の目で見ていませんわ」

「どうやって見るのさ」
「良いですかロイ、こうするんです」

 メレルが投げたナイフ。
 それはスピードスライムの核に命中していた。

「これは技術、応用、そういうものです。レベルなんて関係ありません」

「ふーむ」

 ロイは精神統一をしていくようにして、心の奥底から何かが芽生えるのをうっすらと感じながら。
 そうして、剣を串刺した。

 瞼を開いた時、目をゆっくりとパチパチさせたとき。
 その時分かったんだが。
 スピードスライムを10体同時に倒していた。

「凄い」

「なんかなんとなくだけど分かってきた気がするよ」

 そうして、レベルが11になった。

「ガチャが1回出来るようになったけどさ」

「ここでガチャを回しますか?」

「そりゃーそうだろうな、その前に、スピードスライムでも討伐しまくるとしようかな」

 ロイはにやりと不気味に微笑して見せたのであった。
 それから2時間、スライムの塊を投擲して、爆発させて、クレーターを作りスライムを集めて、心の目で片っ端から動きまくるスライムを殺害しまくった。

 その結果、レベルは12になり、なんとガチャが合計で2回出来るようになった。

 辺りを埋め尽くすスピードスライムの死骸。
 ロイは片っ端から10秒以内に食べまくった。
 まるで飢えに苦しむ餓鬼のように。

 ただひたすら、スピードスライムを捕食し続ける。
 すると、体に纏われていたスライムの膜が緑と青になっていく。
 足に纏えるスライムが靴のように変化していくと。

「うお、すげええええ」

 ロイは馬よりも早くネズミよりも早く走る事が出来るようになった。
 一瞬でバレスダ領地にある草原地帯をぐるっと走り回る。
 通り過ぎていった馬車。空を飛ぶワイバーン。数えきれない動物。
 
 そうして、穴ぼこだらけになってしまった緑色の草原。

 メレルはきょとんと立っており。
 ロイを見て微笑する。

「速すぎますロイ」
「これくらいは当然さ、スピードスライムシューズと名付けようか」

「なんかださいです」
「失礼な!」

 2人し手爆していくと。

「じゃあ、そろそろ、ガチャの時がやってきたようだな」



 


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

処理中です...