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第43話 ダイル・オリゲート死す
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「これはこれは、ダイル・オリゲート、あなたには死んでもらいましょうか」
「ふ、闇丸道化師か、その数全部実体か」
「闇の影を実体化させるだけですよ、これまで殺して来た人達の影ですがね」
「一体どれほど殺したのだ?」
「ざっと109990人ですよ、1人1人愛しみを込めて殺してきましたからねぇい」
闇丸道化師の姿は、闇のようにおぼろであった。
どれが本体かもわからない、全ての闇丸道化師は黒い影のようにゆらりゆらりと蠢いていた。
「さてと、死んでもらいましょうねぇい」
ダイル・オリゲートの記憶に、ファイガスタ帝国15将軍の過去の記録を思い起こしていた。
幼少期、闇丸道化師はただの道化師であった。サーカス団を経営していたが、団長が彼を拷問にかけた。その時、スキル:闇道化を習得して、団長を殺した。その団長を道化分身にして、また人を殺した。その人を道化にして、また人を殺しつくして、1国が滅んだ。それを帝王ラッドンが気に入り配下へとした。
1つの領地を経営させたが、民を殺しつくして、闇丸道化師だけが住む、道化分身の領地となったと記録されている。
孤高でありながら、殺しつくした人の影を追い求めている。
孤独なのだろう。
「だが、これでも、1人の領主、簡単にはやられはせぬぞ」
ダイル・オリゲートのスキル:活性化。これは肉体を活性化させる事が出来る。
彼の肉体年齢は60を過ぎている。だが活性化を使うと、20代頃の年代まで若返る事が出来る。
活性化を使用し続けていると、肉体の細胞が壊死を始める。
さらなるスキル:代償を使う事により、壊死が代償になり、さらなる強化が見込める。
現在、ダイル・オリゲートは最強の武人となり果てる。
その片手に握りしめられている大剣を振り回す。
一刀につき、1人また1人と闇丸道化師が消滅していく。
だが、ダイル・オリゲートの気合が増せば増すほど、連撃で攻撃を繰り出す事が出来る。
終わる事のない、ダイル・オリゲートの斬撃に闇丸道化師は次から次へと葬り去られる。
「くーなかなかやる爺だな」
「こういう時はあれといきましょうか」
「ふっふっふ」
同時に闇丸道化師の闇分身達が言葉を発する。
「スキル:闇呪い」
ダイルは即座にそれがどのようなスキルかを知っていた。
闇道化に覆い隠されると、即死するという恐ろしい呪だ。
「つまり、覆い隠されなければよかろう」
「そう簡単にいきますかねぇい」
闇丸道化師が次から次へとわらわらと現れる。
既にダイル・オリゲートの配下の兵士達は全員が死んでいた。
ダイル唯一人が奮闘を続けている中。
「くううう」
と一瞬諦めたが、脳裏にカイルの顔がよぎった。
それが息子だという事を思い出し、あの馬鹿は国の王となったことを思い出す。
それが謀反だとしても、それはとても嬉しい事なのだ。
その息子の晴れ姿を。
「な」
塔だった。
闇丸道化師の塔が現れた。
それは四方を取り囲み。闇に覆われて。
ダイル・オリゲートは死んだ。
「おやじいいいいいいいい」
カイルの叫び声が聞こえた気がした。
★
カイル・オリゲートの両手の上で、ダイル・オリゲートは何も発さず躯となっていた。
闇の塔は既になくなり、四方を闇丸道化師が囲んでいた。
「なぁ、親父、そんな簡単に死んじまうのかい、なんか言ったらどうだい、なぁ、おい、俺を追放した事を忘れてぇ、勝手に死んでんじゃねーよ」
カイルが怒りの形相で叫び、ぽつりぽつりと瞳から粒のような水が流れ落ちてきた。
「おい、まじかよ」
顔がゆがむ。脳裏にダイルという親父の馬鹿な姿が浮かぶ。
「俺ぇ、まだ見返してねーぞ親父」
「感動の再開の所申し訳ありませんが、レベル100以下の雑魚はとっとと失せてください」
「おい、お前、覚悟できてんのか」
「はぁ? 狂乱バルゼロの駒にはなかったあなたはレベルが相当低い事も分かるし、鑑定したら100以下ですしね」
「だからなんだ? レベルがなんだ?」
「こちらは、レベル8000で、しかも、闇分身1体ごとにレベル8000、数は数えきれませんよ? 雑魚は雑魚らしく」
「雑魚雑魚るせーんだよ」
カイルの右手にはクワが握られていた。
そのクワをぶんと振り回しただけで、衝撃が飛び、一瞬にして闇丸道化師1000体近くが消滅した。
「な、んだと」
「良いか、俺は今物凄く怒ってる、お前死ぬ気出来てるか?」
「は、バカな、レベル100以下に殺されるはずがない」
「なぁ、これでも俺がレベル100以下の雑魚だと思うか?」
クワを地面に叩きつける。大地そのものが割れる。
その大地に吸い込まれるようにして無数の闇丸道化師が吸い込まれていく。
さらに、カイルは両手で大地を閉ざす。
それは圧倒的な怪力がなせる技であったのだが。
「嘘だろお前、大地をその手で開き、その手で閉じたのか」
「こんなの簡単だろうが、おい、おめーら皆殺しにしてやるからなぁ」
カイルはクワをぶんと大地に叩きつけて、跳躍した。
そのスピードはコンマ数秒。
一瞬にして闇丸道化師が蒸発する。
クワで叩き潰されただけなのだ。
右に左に上に下にと次から次へと攻撃を繰り出す。
終わる事のない衝撃の矢継ぎばやし。
そうして、最後の1人となったとき。
闇丸道化師が全員死亡した。
本体の闇丸道化師を除いて。
彼は即座に逃げていたのだから。
「ぜぇぜぇ、おやじいいいいいいい」
「ふ、闇丸道化師か、その数全部実体か」
「闇の影を実体化させるだけですよ、これまで殺して来た人達の影ですがね」
「一体どれほど殺したのだ?」
「ざっと109990人ですよ、1人1人愛しみを込めて殺してきましたからねぇい」
闇丸道化師の姿は、闇のようにおぼろであった。
どれが本体かもわからない、全ての闇丸道化師は黒い影のようにゆらりゆらりと蠢いていた。
「さてと、死んでもらいましょうねぇい」
ダイル・オリゲートの記憶に、ファイガスタ帝国15将軍の過去の記録を思い起こしていた。
幼少期、闇丸道化師はただの道化師であった。サーカス団を経営していたが、団長が彼を拷問にかけた。その時、スキル:闇道化を習得して、団長を殺した。その団長を道化分身にして、また人を殺した。その人を道化にして、また人を殺しつくして、1国が滅んだ。それを帝王ラッドンが気に入り配下へとした。
1つの領地を経営させたが、民を殺しつくして、闇丸道化師だけが住む、道化分身の領地となったと記録されている。
孤高でありながら、殺しつくした人の影を追い求めている。
孤独なのだろう。
「だが、これでも、1人の領主、簡単にはやられはせぬぞ」
ダイル・オリゲートのスキル:活性化。これは肉体を活性化させる事が出来る。
彼の肉体年齢は60を過ぎている。だが活性化を使うと、20代頃の年代まで若返る事が出来る。
活性化を使用し続けていると、肉体の細胞が壊死を始める。
さらなるスキル:代償を使う事により、壊死が代償になり、さらなる強化が見込める。
現在、ダイル・オリゲートは最強の武人となり果てる。
その片手に握りしめられている大剣を振り回す。
一刀につき、1人また1人と闇丸道化師が消滅していく。
だが、ダイル・オリゲートの気合が増せば増すほど、連撃で攻撃を繰り出す事が出来る。
終わる事のない、ダイル・オリゲートの斬撃に闇丸道化師は次から次へと葬り去られる。
「くーなかなかやる爺だな」
「こういう時はあれといきましょうか」
「ふっふっふ」
同時に闇丸道化師の闇分身達が言葉を発する。
「スキル:闇呪い」
ダイルは即座にそれがどのようなスキルかを知っていた。
闇道化に覆い隠されると、即死するという恐ろしい呪だ。
「つまり、覆い隠されなければよかろう」
「そう簡単にいきますかねぇい」
闇丸道化師が次から次へとわらわらと現れる。
既にダイル・オリゲートの配下の兵士達は全員が死んでいた。
ダイル唯一人が奮闘を続けている中。
「くううう」
と一瞬諦めたが、脳裏にカイルの顔がよぎった。
それが息子だという事を思い出し、あの馬鹿は国の王となったことを思い出す。
それが謀反だとしても、それはとても嬉しい事なのだ。
その息子の晴れ姿を。
「な」
塔だった。
闇丸道化師の塔が現れた。
それは四方を取り囲み。闇に覆われて。
ダイル・オリゲートは死んだ。
「おやじいいいいいいいい」
カイルの叫び声が聞こえた気がした。
★
カイル・オリゲートの両手の上で、ダイル・オリゲートは何も発さず躯となっていた。
闇の塔は既になくなり、四方を闇丸道化師が囲んでいた。
「なぁ、親父、そんな簡単に死んじまうのかい、なんか言ったらどうだい、なぁ、おい、俺を追放した事を忘れてぇ、勝手に死んでんじゃねーよ」
カイルが怒りの形相で叫び、ぽつりぽつりと瞳から粒のような水が流れ落ちてきた。
「おい、まじかよ」
顔がゆがむ。脳裏にダイルという親父の馬鹿な姿が浮かぶ。
「俺ぇ、まだ見返してねーぞ親父」
「感動の再開の所申し訳ありませんが、レベル100以下の雑魚はとっとと失せてください」
「おい、お前、覚悟できてんのか」
「はぁ? 狂乱バルゼロの駒にはなかったあなたはレベルが相当低い事も分かるし、鑑定したら100以下ですしね」
「だからなんだ? レベルがなんだ?」
「こちらは、レベル8000で、しかも、闇分身1体ごとにレベル8000、数は数えきれませんよ? 雑魚は雑魚らしく」
「雑魚雑魚るせーんだよ」
カイルの右手にはクワが握られていた。
そのクワをぶんと振り回しただけで、衝撃が飛び、一瞬にして闇丸道化師1000体近くが消滅した。
「な、んだと」
「良いか、俺は今物凄く怒ってる、お前死ぬ気出来てるか?」
「は、バカな、レベル100以下に殺されるはずがない」
「なぁ、これでも俺がレベル100以下の雑魚だと思うか?」
クワを地面に叩きつける。大地そのものが割れる。
その大地に吸い込まれるようにして無数の闇丸道化師が吸い込まれていく。
さらに、カイルは両手で大地を閉ざす。
それは圧倒的な怪力がなせる技であったのだが。
「嘘だろお前、大地をその手で開き、その手で閉じたのか」
「こんなの簡単だろうが、おい、おめーら皆殺しにしてやるからなぁ」
カイルはクワをぶんと大地に叩きつけて、跳躍した。
そのスピードはコンマ数秒。
一瞬にして闇丸道化師が蒸発する。
クワで叩き潰されただけなのだ。
右に左に上に下にと次から次へと攻撃を繰り出す。
終わる事のない衝撃の矢継ぎばやし。
そうして、最後の1人となったとき。
闇丸道化師が全員死亡した。
本体の闇丸道化師を除いて。
彼は即座に逃げていたのだから。
「ぜぇぜぇ、おやじいいいいいいい」
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