ガチャガチャ戦記~ブラックなスキル持ち達の解放戦争~

AKISIRO

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第47話 王者ラバーンと天使ミカエルの対話

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 その玉座には1人の純白の翼を生やした青年が座っていた。
 右隣りには同じく純白の翼を生やした美女が立っており、左隣には精悍な学者風の男性が同じく純白の翼を生やして立っていた。

 王者ラバーンは剣を抜き打ちざま。
 叫んだ。

「大天使ミカエル! 我が玉座に座るとは何たる挑戦か!」

「はは、ここは元々我ら空の都ですよ、あなたがたが勝手に居座っていただけではないですか、返してもらいますよー」
「どうやら不老長寿の酒を飲んだようだな王者ラバーンあれは我が作った作品だというのに」

「ラファエルさん、あまり言いません事よ、結局は下界に残してしまった遺物なのですからね」

「ラファエルにガブリエル、他の12人も来ているのか」

「そうですねぇ」

 回りの柱から純白の翼を生やした老若男女が現れる。
 彼等は不敵に笑いながら、少しずつ少しずつ王者ラバーンに近づいてくる。

「大天使アリエル、大天使アズラエル、大遠視チャミュエル、大天使ハニエル、大天使エレミエル、大天使ヨフィエル、大天使メタトロン、大天使ラギュエル、大天使ラジエル、大天使サンダルフォン、大天使ウリエル、大天使ザドキエルだと、本当に戻ってきたのか」

 王者ラバーンは1人1人を過去の石板の絵通りだという事を認識した。

「だが、どうやって来た? 光の世界に封じ込められていたのではないのか」

「光の世界から神々は消えましたよそれは天使も同じです。我らは光の世界を捨て、新たなる光の惑星を見つけました。天王星と呼ばれる星です」

「それでも、依り代が必要なはずだ。莫大な力を要しているから」

「そうです。この世界には天使族がいますよねぇ、それを生贄にして、光の世界に招待された人間を送り込むことが出来ました。生贄の魂はそいつらが使い、肉体は我らが使うという事です」

「つまり、魂を15将軍の入れ物にして、肉体を大天使の入れ物にしたと、えげつないことを、魂も肉体も奪われた生命がどうなるか知っているのか!」

「はい、世界そのものからの消滅を意味します」

「死よりおそろしいのですわねぇ」

 ガブリエルが可愛らしい笑顔で笑った。

「王者ラバーンよそなたはもう死ぬことが出来ぬ体。ここから落ちろワイバーンと共に」

「フザケルナ!」

 王者ラバーンは片手に槍を掴むと、走りだした。
 大天使ミカエルは人差し指を下に向けた。
 王者ラバーンが玉座の間の石床に顔面を打ち付ける。
 何度も何度も何度も、その時石床が割れた。

「スキルなど必用ない、なぜなら我らは大天使、天使の力があるのだからね」

「それでも、ここは我が国なのじゃ、代々受け継がれた」

「黙れ、ここは我ら天使の国だ」

 その言葉とともに、王者ラバーンの頭で石床を砕かれ、そのまま、空の都から堕ちた。
 相棒のワイバーンがその背中を掴むと。
 そのまま、どこぞへと滑空していく。
 その日王者ラバーンは何もかも失ったのだ。


 大天使ミカエルは玉座に座りながら笑う。そして嗤う。

「この天の都にセフィロト様を招待せねばなるまい、帝王ラッドンは旨くやっているだろう、タルタロスがこの世界に来る前に先手を打たねばなるまい」

「ですが、ヤマガルドと真・クロウガー、正気を失ったライル・オリゲート、メロカメロムの遺跡別名ハゲスダンジョン。問題は山積みですわね」

 ガブリエルが露出の激しい白い服装でゆったりと歩きながらそう呟いた。

「では、皆さん、手筈通りによろしくお願いしますね」

 大天使ミカエルがそう呟くと、大天使達14名が散った。

 ミカエルは玉座に座りながらふと回想していた。

 光の世界にいた神々と天使達。 
 そこは何もなかった。
 光に包まれており、重力も食べ物も必要としない。

 元々この世界に天使はいた。
 しかし、ライル・オリゲートの謀反から始まり、全てが台無しになり、光の世界へと追放された。

「ようやくだ。ようやく、美味しいリンゴを食べる事が出来そうだ」

 大天使ミカエルの右手には赤黒いリンゴが掴まれていた。
 彼はリンゴをゆっくりと齧ると。
 果汁溢れる中。
 満開の笑みでただただ微笑んだ。

「ライル、そろそろ借りを返すよ、でも君は正気を失ってるそうじゃないか、本当にいつもバカだねぇー」
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