ガチャガチャ戦記~ブラックなスキル持ち達の解放戦争~

AKISIRO

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第48話 ゴブリンの島

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 1人の少年が墓場の石碑に座っていた。その隣では1人の男性がくたびれていた。
 回りには多くのゴブリンの死体が転がっている。

「へぇ、こんな財宝があったとは、ザイドロン分析よろしく」

 彼の名前をドリーム・ウェイト。
 異世界人であり、秘宝を求めて旅をしている。
 偶然拾ったエイプリルという冒険者と共にだった。

 墓場は全部で10個。
 そこには、トパルと言う名前が記されている。

 空気が一瞬静止した。 
 次に空間そのものに亀裂が走った。
 少しずつ少しずつ、人間がいやドワーフが現れた。
 次に9人が現れた。
 全員が人間ではなかった。
 
 まず全員が何かしらの致命傷を負っていた。
 一番ひどかったのはドワーフの少年だった。

「エイプリル、力を貸してくれ」
「何をしたらいいんだ」

「ぐぅうう、なぜ、ここに人間がいる。ここはゴブリンの島で、墓場の傭兵団の終わりとはじまりの場所なんだぞ」

「君がトパルか、この墓場の石碑に記されてる事本当なのかい」

「ああ、ぐううう」

「まぁ、治療しよう、ぼくは秘宝を集めている。回復ポーションSランクなんて簡単に手に入る物じゃない、しかし今100本も持っている。どうだい、交渉をしようか」

「何を求める」

「君達の物語さ、ぼくは本が好きでね」

 ドリームは一冊の本を異空間から取り出す。

「きっとザイドロンも聞きたいはずさ」

「良いだろう、皆も良いだろう?」

 全員がごくんと頷く。

「じゃあ、ポーションを飲むと良い、その後ぼくの右手を1人ずつ掴んでくれ」

 ドーマスは1人ずつに回復ポーションSランクを配っていく。

 団長トパルに次、残りの9人も回復していく。
 1人また1人と傷がみるみるうちに消えていく。

「回復ポーションSランクとはとてつもない効果だな」

 トパルがそう呟くと。

「では、手を掴もうか」

 最初に団長トパルがドリームの右手を掴んだ。

 ドリームの脳裏によぎったのは、破壊兵器ゴーレムが暴れている姿。
 名前をガロスゴーレム。それも普通のガロスゴーレムではなく、特殊なガロスゴーレム。
 それを開発起動暴走させたのがトパルであり、ドワーフ族をほぼ皆殺しに追い込んだのがトパルであった。

「ありがとう、次」

「次はわたくしね」
 
 その姿は小さなトロール族。
 普通のトロールは5mを遥かに超えるのに、このトロールは1mくらいしかない。

「名前はド・ロールだよ」

 右手を掴んだ。
 沢山のトロールに馬鹿にされ差別され、山奥に捨てられて、河を流されてこの島に辿り着いた。
 しかも女性であることが分かった。
 彼女はトパルと出会った。

「名前はデス・ナイト」

 次はスケルトン族だった。
 骨の姿の彼は黒い鎧をまとっていた。
 屋敷があった。そこで永遠と眠り続けて生活していた。
 家族がいた。だが家族は既に死んで成仏していた。
 デス・ナイトだけが成仏できずに屋敷にいた。
 そこへ冒険者が来て滅茶苦茶にした。そうしてトパルと出会った。

「名前はド・ウ・ケ」

 そいつは人形の姿をしていた。
 小さな玩具の人形だ。
 ピエロのような帽子を被っている。

 何億年だろうか、永遠と忘れ去られて海に流されていた。
 誰にも覚えて貰える事もなく、ただ流された人形は魂が宿った。
 それをトパルが拾った。

「名前をランタンだ」

 カボチャの魔法使い。
 空を飛びながらカボチャはいつだってカボチャだった。
 魔女に追いかけられ魔人に追いかけられて、逃げた先がここだった。
 だが、カボチャの姿になる前は1人の子供だった。
 カボチャに呪われたカボチャの魔法使い。

「名前をリザー」

 リザードマンキング。
 とある島のリザードマンキングは仲間達に裏切られる。
 何もかも失った彼はただのリザーとなりここに来た。

「名前をベ・ル・フ」

 醜いマッチョなエルフの少女。
 顔や体の筋肉がムキムキになっており、周りから見たら屈強なエルフそのもの。

 原初の種族とされるエルフ族の生き残りで、彼女は元々美少女であった。
 しかしとある魔女に呪われて醜い姿へと変貌してしまった。
 追放されて、ここへ来た。

「名前をボウ」

 生れた時から顔が無かった。
 しかし天使族の仲間達は彼を神のようにあがめた。
 しかし、突如として謎の勢力により天使族の森は燃やされてしまう。
 彼だけが唯一生き残った。

「名前をサンバー」

 サンダーバード族。
 雷の鳥人間。
 彼は普通の鳥でもなければ人間でもない。
 サンダーバード族はとてつもなく少ない。
 しかし、彼は卵から孵ると即座に親が死んだ。
 拾ったのはトパルであった。

「最後は私よ」

 幽霊族のユウ。
 幽霊族とはそのままで生れた時何かしらの原因で魂だけとして生まれてくる。
 彼女は絶望した。
 しかし、体は成長していき、1人の女性となる。
 誰も自分の存在に気付かなくなっていく。
 皆から忘れ去られていく。
 それでもトパルだけが気付いてくれた。

 10人の物語はまだまだ続いていく。
 そこにはまだまだ謎があり、まだまだ深い感情が宿っている。
 思わずドリーム・ウェイトは涙をぽろりと流していた。
 エイプリルにもそれが伝わるように左手で手を掴んでいた。

 エイプリルは嗚咽を漏らしてた。

「おめーらすげーな」

 エイプリルがひたすら笑いかける。

「そうか? そうでもない人生だぞ、ここでぼくたちは死んだ事にした。そうして新しい人生が始まったんだ。ぼく達は最高な傭兵団だ!」

 トパルが力説している。

「そうか、それは良い、これからぼく等は本土に戻って、エルレイム王国へ行くんだけど、君達も来るかい?」

「いや、ぼくたちは、伝説の勇者に借りをを返さないといけない、それに」

「それに?」

「奴等はゴミ王国へ向かっているはずだ」

「ゴミ王国-あまり好きじゃないなー奴隷ばかり集めている」

「今は奴隷を解放して自由な国になりつつあるらしいぞ」

「そうだったのか、時代は移り変わるねー」

「もしよかったら、転送スキルで案内するが? エルレイム王国までは無理だが、近くのカーゼル村にまでならいけるはずだ」

「そりゃー助かるね、また船で進む必要があるとはな」

「なぁ、ドリームすまない」

「どうしたんだいエイプリル」

「墓場の傭兵団達の事を知ると、今までして来たことが最低な事だと気づいたよ」

「そうかい」

「ゴミ王国へ行く、ゴイルに謝らないといけない」

「それなら、一緒に行こうエイプリル」

 団長トパルが全員の手を掴むと。
 一瞬で消滅した。


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