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第52話 宮本武蔵と佐々木小次郎の剣術
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ハデスの悪魔の軍勢。
それが津波のように押し寄せて、宮本武蔵と佐々木小次郎を他の仲間達から切り離されていった。
「うぉい、この島」
「なつかしいですねぇ」
ゴミ王国周辺はブラフマーの力により姿かたちを変化させてしまっていた。
そこは湖があり、島があった。
悪魔の軍勢で湖が埋まり、宮本武蔵と佐々木小次郎はその悪魔の上を闊歩しながら、島に辿り着いた。
「巌流島のようだな」
「あの時は色々ありました」
その島の真ん中には1人の、いや何かが立っていた。
羽衣のような衣服をゆったりとまとい。
腰には古びた刀が帯剣されていた。
「天照大神」
そう呟くと、陽炎のように消えた。
瞬間、高速で斬撃が飛来してきた。
「うぉおおっと」
「これはまぁ」
怒涛のように押し寄せる剣戟に武蔵と小次郎は防戦一方になる。
「日本の神ともあろうものが、異世界の下僕になりやがったな」
「それも仕方ない事でしょう」
「ですが、こうして、神に挑めるとは剣豪として冥利に尽きる」
「まぁ、死にたくはないですがね」
「お前達、日本の英雄なのですね」
顔を動かさず、消える斬撃を何度も飛ばしながら。
腕は高速で動き、足は止まっている。
「化物か」
「動きがおかしいですよ」
「質問している、お前達は、いや主達は日本の英雄か?」
「その英雄がどういう意味によるが」
「まぁ、日本で有名らしいですね」
「そうか、なら、殺してその名前そのものを消すとしようか、無の剣戟」
斬られたものはどうやら存在そのものを消されるらしい。
宮本武蔵がそう察した時。
脳裏によみがえったのは五輪書であった。
地・水・火・風・空の5巻で成り立っているそれは兵法の極意。
「だが、この世界ではスキルとなる! スキル:五輪書発動」
突如現れた5本の巻物。
5本の巻物が宮本武蔵の脳内に入ってくる。
生涯と兵法、剣術の構え、心構え、他の剣術、本質。
脳内に全ての流れが流れていく。
鼓動が止まる。
そして、動き出す。
宮本武蔵の髪の毛が逆立ち。
「5分だ! それ以上は体がもたん」
「では、こちらも本気を」
佐々木小次郎が構えようとしたとき。
天照大神の存在そのものを消す斬撃が小次郎の長い剣を弾き飛ばす。
小次郎が死に直面した時。
宮本武蔵が翻った。
「うぉりゃああああ」
怒涛の2刀の斬撃。
一瞬、天照大神の斬撃を全て弾いた。
足を前に、腰を後ろに、右手と左手を交互に、斜に構え、次から次へと見えない斬撃を弾く。
一瞬の隙間、空気の合間、呼吸と呼吸の感覚。
目で見るのではなく、剣が流れる風を感じる。
「はぁあああ」
宮本武蔵の目が赤く燃え上がる。
その目が見ているのは天照大神の剣ではなく、天照大神の心だった。
「神と言えどもおおおおお」
「では、終わらせるとしよう」
無情にも、神の一撃は重たかった。
宮本武蔵の2本の刀は弾かれていく。
右手と左手で構えた状態で、宮本武蔵の全身は切り刻まれていった。
斬られた箇所の存在が消える。
だが、まだ宮本武蔵は立っている。
「痛みそのものがあるか、後悔はしていないのかもな、存在が消えたとしても」
「何を勘違いしている? 殺さねば存在は消せぬ、体の一部を消したところで面白くないものよのう」
宮本武蔵の首が飛ぼうとしていた。
「何を死ぬつもりです? この佐々木小次郎がいるではありませんか」
伸びてきた長い剣。
それが斬撃をはじき返すと。
宮本武蔵はそこに倒れた。
佐々木小次郎は宮本武蔵の前に立つと。
「あなた、時間をよく忘れますけど、先に死ぬのは許しませんからね」
佐々木小次郎が嗤う。
そして笑い嗤う。
何度も。
その顔は般若のようであった。
「スキル:絶対極意」
佐々木小次郎の周囲に絶対的な領域が生まれる。
その領域の中では佐々木小次郎の極意が絶対適応される。
「ほう」
天照大神が笑う。
だが、佐々木小次郎は次から次へと、物干し竿という刀を手繰りよせて、今までに学んできた剣術の極意を叩きつける。
斬って、叩いて、裂いて、体が思うようにまるで踊るようにして、次から次へと動き続ける。
物干し竿がさらに長くなり、その斬撃は天照大神に到達したはずだった。
「だが、遅いな、残念だ、人間には神は殺せぬよ」
そう呟いて、佐々木小次郎の物干し竿が弾かれる。
見えない斬撃が飛来し。佐々木小次郎の全身を切り刻む。
血すら出ない激痛に悶えながら。
宮本武蔵と佐々木小次郎はその場に倒れていた。
「とどめといくか」
天照大神がゆっくりと歩いてくる。
だが2人はまだ諦めていない。
剣を拾い、ゆっくりと剣を杖にして立ち上がろうとする。
「まだ、立つか」
「武士はな逃げないんだよ」
「そうですね」
「なら死ね」
「なぁ、あんた、つーえのか」
そこにいたのは、織田信長であった。
それが津波のように押し寄せて、宮本武蔵と佐々木小次郎を他の仲間達から切り離されていった。
「うぉい、この島」
「なつかしいですねぇ」
ゴミ王国周辺はブラフマーの力により姿かたちを変化させてしまっていた。
そこは湖があり、島があった。
悪魔の軍勢で湖が埋まり、宮本武蔵と佐々木小次郎はその悪魔の上を闊歩しながら、島に辿り着いた。
「巌流島のようだな」
「あの時は色々ありました」
その島の真ん中には1人の、いや何かが立っていた。
羽衣のような衣服をゆったりとまとい。
腰には古びた刀が帯剣されていた。
「天照大神」
そう呟くと、陽炎のように消えた。
瞬間、高速で斬撃が飛来してきた。
「うぉおおっと」
「これはまぁ」
怒涛のように押し寄せる剣戟に武蔵と小次郎は防戦一方になる。
「日本の神ともあろうものが、異世界の下僕になりやがったな」
「それも仕方ない事でしょう」
「ですが、こうして、神に挑めるとは剣豪として冥利に尽きる」
「まぁ、死にたくはないですがね」
「お前達、日本の英雄なのですね」
顔を動かさず、消える斬撃を何度も飛ばしながら。
腕は高速で動き、足は止まっている。
「化物か」
「動きがおかしいですよ」
「質問している、お前達は、いや主達は日本の英雄か?」
「その英雄がどういう意味によるが」
「まぁ、日本で有名らしいですね」
「そうか、なら、殺してその名前そのものを消すとしようか、無の剣戟」
斬られたものはどうやら存在そのものを消されるらしい。
宮本武蔵がそう察した時。
脳裏によみがえったのは五輪書であった。
地・水・火・風・空の5巻で成り立っているそれは兵法の極意。
「だが、この世界ではスキルとなる! スキル:五輪書発動」
突如現れた5本の巻物。
5本の巻物が宮本武蔵の脳内に入ってくる。
生涯と兵法、剣術の構え、心構え、他の剣術、本質。
脳内に全ての流れが流れていく。
鼓動が止まる。
そして、動き出す。
宮本武蔵の髪の毛が逆立ち。
「5分だ! それ以上は体がもたん」
「では、こちらも本気を」
佐々木小次郎が構えようとしたとき。
天照大神の存在そのものを消す斬撃が小次郎の長い剣を弾き飛ばす。
小次郎が死に直面した時。
宮本武蔵が翻った。
「うぉりゃああああ」
怒涛の2刀の斬撃。
一瞬、天照大神の斬撃を全て弾いた。
足を前に、腰を後ろに、右手と左手を交互に、斜に構え、次から次へと見えない斬撃を弾く。
一瞬の隙間、空気の合間、呼吸と呼吸の感覚。
目で見るのではなく、剣が流れる風を感じる。
「はぁあああ」
宮本武蔵の目が赤く燃え上がる。
その目が見ているのは天照大神の剣ではなく、天照大神の心だった。
「神と言えどもおおおおお」
「では、終わらせるとしよう」
無情にも、神の一撃は重たかった。
宮本武蔵の2本の刀は弾かれていく。
右手と左手で構えた状態で、宮本武蔵の全身は切り刻まれていった。
斬られた箇所の存在が消える。
だが、まだ宮本武蔵は立っている。
「痛みそのものがあるか、後悔はしていないのかもな、存在が消えたとしても」
「何を勘違いしている? 殺さねば存在は消せぬ、体の一部を消したところで面白くないものよのう」
宮本武蔵の首が飛ぼうとしていた。
「何を死ぬつもりです? この佐々木小次郎がいるではありませんか」
伸びてきた長い剣。
それが斬撃をはじき返すと。
宮本武蔵はそこに倒れた。
佐々木小次郎は宮本武蔵の前に立つと。
「あなた、時間をよく忘れますけど、先に死ぬのは許しませんからね」
佐々木小次郎が嗤う。
そして笑い嗤う。
何度も。
その顔は般若のようであった。
「スキル:絶対極意」
佐々木小次郎の周囲に絶対的な領域が生まれる。
その領域の中では佐々木小次郎の極意が絶対適応される。
「ほう」
天照大神が笑う。
だが、佐々木小次郎は次から次へと、物干し竿という刀を手繰りよせて、今までに学んできた剣術の極意を叩きつける。
斬って、叩いて、裂いて、体が思うようにまるで踊るようにして、次から次へと動き続ける。
物干し竿がさらに長くなり、その斬撃は天照大神に到達したはずだった。
「だが、遅いな、残念だ、人間には神は殺せぬよ」
そう呟いて、佐々木小次郎の物干し竿が弾かれる。
見えない斬撃が飛来し。佐々木小次郎の全身を切り刻む。
血すら出ない激痛に悶えながら。
宮本武蔵と佐々木小次郎はその場に倒れていた。
「とどめといくか」
天照大神がゆっくりと歩いてくる。
だが2人はまだ諦めていない。
剣を拾い、ゆっくりと剣を杖にして立ち上がろうとする。
「まだ、立つか」
「武士はな逃げないんだよ」
「そうですね」
「なら死ね」
「なぁ、あんた、つーえのか」
そこにいたのは、織田信長であった。
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