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第55話 アキレウスとヘクトル
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アキレウスは右肩に銅の剣をぽんぽんと当てていた。
ヘクトルは左肩に銅の剣をぽんぽんと当てていた。
2人は眼の前から、まるで虫のように溢れかえる悪魔の軍勢を見ていた。
「まるで、タルタロスの地獄の世界だな」
「そもそも、ハデスはタルタロスの領域にいたのではないか」
「ヘクトルよ、ハデスは神様だろう? タルタロスと関係があってもおかしくない」
「だがな、アキレウスよ、あそこにいる滅茶苦茶むかつくイケメンスタイルのお兄さんがハデスだと思うのは俺だけか?」
「いんやーあれこそがハデスだな、闇色の王冠なんか付けちゃってさ」
「そもそもあれはなんだ?」
「空の空間にひずみが入ってるなぁ、どうせ地獄から悪魔の軍勢でも引き寄せてくるのさ」
「そんな余裕で大丈夫かアキレウス」
「何とも言えないけどな」
「そうかもしれないけどな」
すると、ハデスがこちらに振り向く。
ブラフマーが作り出したフィールド。
つまり、何かの建物の上にてハデスは腕組みしながらしかめっ面でこちらを見ていた。
こちらに指を向けると、アキレウスとヘクトルは跳躍していた。
まるで矢のように飛来してきた悪魔の軍勢。
「これはまずいな」
「そうとも言えるな」
2人は宙がえりしつつ、体を左右に動かしつつ。
相手の攻撃を避け続けていた。
攻撃と言うよりかは悪魔の軍勢が突っ込んでくる。
ハデスが指さした方角にだ。
「へぇ、なかなか避けるじゃん」
遠距離からハデスが少しずつ少しずつ大きくなる声で囁いた。
「お前等、ゴミムシみたいだから、すぐに殺せると思ったんだけどなぁ」
「これでも、過去の英雄なんだがな、アキレス腱が弱点だ。かかってこいよ」
「おい、アキレウス。それは自爆行為というものだぞ」
「そうか、アキレス腱か」
「だから言わんこっちゃない」
ヘクトルが思わず言うと。
ハデスは右手だけではなく左手も動かしだした。
指の向きをアキレウスに向けた。
悪魔の軍勢が指の方角に即座に動き出す。
まるで魚のように一直線に突っ込んでくる。
「うわぁっと」
アキレウスがその悪魔の軍勢の猛攻撃を避け続けるも。全ての悪魔の軍勢がアキレス腱を狙ってくる。
「って、これはまじーな」
だが、ヘクトルの方は攻撃されなくなったので。
ヘクトルは地面を殴るようにして走り出す。
両足が地を大地を蹴り上げる。
ハデスがいる建物の真上にまで、壁伝いに走りあがる。
思いっ切りハデスの真上に到達し、そのまま、剣を振り落とす。
だが、ヘクトルの左脇腹に衝撃が来る。
悪魔の軍勢が矢のように飛来してきたからだ。
「ぐるぁあああああ」
ヘクトルの叫び声が残響しながら、体がバウンドして壁にぶち当たる。
そのまま、止めとばかりに、巨大な顎を開いた悪魔の軍勢が襲い掛かり。
アキレウスが突如としてヘクトルの前に立つと。
「だから、よえーんだよ」
そう言って。右足を軸にしながら、回転斬りを繰り出した。
何度も何度も回転が続く中で、ハデスの悪魔の軍勢の攻撃が一時的に止まった。
しかし、ハデスそのものが眼の前にゆったりと浮遊しながら落下してくる。
その右手には鋭い闇の様な剣が握りしめられていた。
ぐさりと嫌な音を響かせて、ぬるりと生暖かい血がアキレウスの心臓を貫いていた。
「かは」
「アキレウス!」
ヘクトルがそう叫ぶが。
アキレウスはぐったりとして立ったまま動かない。
「ハデスともあろうものが戦わないとでも思ったか?」
とても傲慢そうにそう呟くと。
「だが、俺も、アキレス腱以外は無敵なんだよな」
「な、んだと」
血反吐を吐きながら、心臓は動き続ける。
心臓に刺さった剣がずるりとアキレウスの体から押し返されて。
傷口が治癒されていく。
「女神の力とは恐ろしいな」
ヘクトルがそう呟いていた。
「さぁてと、捕まえたぜ」
アキレウスが右手で剣を掴む。
そのまま手繰り寄せて、ハデスを近距離からぶん殴る。
アキレウスの剣はアキレウスの心臓に突き刺さった衝撃で地面に転がっている。
ハデスのイケメン面の歯がぼきりと折れて落下する。
アキレウスは叫び声をあげて、何度も何度もハデスの顔をぶん殴る。
ハデスの顔がぐちゃぐちゃになっていくと。
「ま、まってくれ」
そう叫ぶが。それを無視して何度も何度もアキレウスはハデスを殴り。
「はぁはぁ、疲れた」
だが、ハデスは諦めておらず。
指の向きをアキレウスのアキレス腱に向けた時。
ヘクトルがハデスの背後より剣を突き立てていた。
「ふ、ざけるな」
「人間を舐めて貰っては困るよ、ハデス」
ハデスの顔が歪む。
体が膨張していく。
そうして、爆発するかのように煙となって消失していく。
だが、異変が起きる。
ハデスそのものが巨大な扉となり。
悪魔の軍勢を吸い込みだす。
まるで巨大な穴のように吸い込んでいき。
次から次へと悪魔の軍勢が掃除されていく。
しばらくの沈黙ののち。
アキレウスとヘクトルは勝利を得た。
ヘクトルは左肩に銅の剣をぽんぽんと当てていた。
2人は眼の前から、まるで虫のように溢れかえる悪魔の軍勢を見ていた。
「まるで、タルタロスの地獄の世界だな」
「そもそも、ハデスはタルタロスの領域にいたのではないか」
「ヘクトルよ、ハデスは神様だろう? タルタロスと関係があってもおかしくない」
「だがな、アキレウスよ、あそこにいる滅茶苦茶むかつくイケメンスタイルのお兄さんがハデスだと思うのは俺だけか?」
「いんやーあれこそがハデスだな、闇色の王冠なんか付けちゃってさ」
「そもそもあれはなんだ?」
「空の空間にひずみが入ってるなぁ、どうせ地獄から悪魔の軍勢でも引き寄せてくるのさ」
「そんな余裕で大丈夫かアキレウス」
「何とも言えないけどな」
「そうかもしれないけどな」
すると、ハデスがこちらに振り向く。
ブラフマーが作り出したフィールド。
つまり、何かの建物の上にてハデスは腕組みしながらしかめっ面でこちらを見ていた。
こちらに指を向けると、アキレウスとヘクトルは跳躍していた。
まるで矢のように飛来してきた悪魔の軍勢。
「これはまずいな」
「そうとも言えるな」
2人は宙がえりしつつ、体を左右に動かしつつ。
相手の攻撃を避け続けていた。
攻撃と言うよりかは悪魔の軍勢が突っ込んでくる。
ハデスが指さした方角にだ。
「へぇ、なかなか避けるじゃん」
遠距離からハデスが少しずつ少しずつ大きくなる声で囁いた。
「お前等、ゴミムシみたいだから、すぐに殺せると思ったんだけどなぁ」
「これでも、過去の英雄なんだがな、アキレス腱が弱点だ。かかってこいよ」
「おい、アキレウス。それは自爆行為というものだぞ」
「そうか、アキレス腱か」
「だから言わんこっちゃない」
ヘクトルが思わず言うと。
ハデスは右手だけではなく左手も動かしだした。
指の向きをアキレウスに向けた。
悪魔の軍勢が指の方角に即座に動き出す。
まるで魚のように一直線に突っ込んでくる。
「うわぁっと」
アキレウスがその悪魔の軍勢の猛攻撃を避け続けるも。全ての悪魔の軍勢がアキレス腱を狙ってくる。
「って、これはまじーな」
だが、ヘクトルの方は攻撃されなくなったので。
ヘクトルは地面を殴るようにして走り出す。
両足が地を大地を蹴り上げる。
ハデスがいる建物の真上にまで、壁伝いに走りあがる。
思いっ切りハデスの真上に到達し、そのまま、剣を振り落とす。
だが、ヘクトルの左脇腹に衝撃が来る。
悪魔の軍勢が矢のように飛来してきたからだ。
「ぐるぁあああああ」
ヘクトルの叫び声が残響しながら、体がバウンドして壁にぶち当たる。
そのまま、止めとばかりに、巨大な顎を開いた悪魔の軍勢が襲い掛かり。
アキレウスが突如としてヘクトルの前に立つと。
「だから、よえーんだよ」
そう言って。右足を軸にしながら、回転斬りを繰り出した。
何度も何度も回転が続く中で、ハデスの悪魔の軍勢の攻撃が一時的に止まった。
しかし、ハデスそのものが眼の前にゆったりと浮遊しながら落下してくる。
その右手には鋭い闇の様な剣が握りしめられていた。
ぐさりと嫌な音を響かせて、ぬるりと生暖かい血がアキレウスの心臓を貫いていた。
「かは」
「アキレウス!」
ヘクトルがそう叫ぶが。
アキレウスはぐったりとして立ったまま動かない。
「ハデスともあろうものが戦わないとでも思ったか?」
とても傲慢そうにそう呟くと。
「だが、俺も、アキレス腱以外は無敵なんだよな」
「な、んだと」
血反吐を吐きながら、心臓は動き続ける。
心臓に刺さった剣がずるりとアキレウスの体から押し返されて。
傷口が治癒されていく。
「女神の力とは恐ろしいな」
ヘクトルがそう呟いていた。
「さぁてと、捕まえたぜ」
アキレウスが右手で剣を掴む。
そのまま手繰り寄せて、ハデスを近距離からぶん殴る。
アキレウスの剣はアキレウスの心臓に突き刺さった衝撃で地面に転がっている。
ハデスのイケメン面の歯がぼきりと折れて落下する。
アキレウスは叫び声をあげて、何度も何度もハデスの顔をぶん殴る。
ハデスの顔がぐちゃぐちゃになっていくと。
「ま、まってくれ」
そう叫ぶが。それを無視して何度も何度もアキレウスはハデスを殴り。
「はぁはぁ、疲れた」
だが、ハデスは諦めておらず。
指の向きをアキレウスのアキレス腱に向けた時。
ヘクトルがハデスの背後より剣を突き立てていた。
「ふ、ざけるな」
「人間を舐めて貰っては困るよ、ハデス」
ハデスの顔が歪む。
体が膨張していく。
そうして、爆発するかのように煙となって消失していく。
だが、異変が起きる。
ハデスそのものが巨大な扉となり。
悪魔の軍勢を吸い込みだす。
まるで巨大な穴のように吸い込んでいき。
次から次へと悪魔の軍勢が掃除されていく。
しばらくの沈黙ののち。
アキレウスとヘクトルは勝利を得た。
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