58 / 70
第58話 ヒポクラテスとマーリン
しおりを挟む
マーリンが軽く呼吸をすると。
「魔法とはこういう風に使うのですよ、第一次元突破、第二次元突破。そうして、大三次元突破。次元の狭間の相手を見つけ出す事など容易な事です。そもそも、次元とは魔法で言うところの基礎的な部分でしてね、こいつですね、可愛らしい姿をしている子犬さんじゃーないですか」
「お、姿が見えた」
アレキサンダー大王が逃げながら方向転換して。
後ろを振り返り。
剣を上段に構える。
「キングキラーでも食らってろおおおお」
「そいつは犬だから、ドックキラーじゃぞ」
「いらねーよ突っ込み爺」
フェンリルの体が縦に半分に両断されて、まるで空気のように蒸発していく。
まるで作り物のようにシャボン玉をまき散らしながら消滅していく。
「では、次の魔法講座ですね、でかい物にはでかい魔法という基礎的なものがありますが、残念な事に俺の魔法は真っ直ぐに貫く槍のようなのですよ、まぁ、その槍でも棒のようなものですがね」
マーリンが高速で呪文を唱える。
「さて、無詠唱などと言うチートは使いませんよ、無詠唱使うと疲れますからねー頭の中で魔法理論を構築するのは疲れます疲れます」
無数の光の棒が投擲される。
張り付けにされるように、グロテスクな姿のロキの体のあちこちに突き刺さる。
「この魔法には動きを停止させる効果があるのですよ、いわゆるストップと言う魔法です、ではヒポクラテスさんよろしくお願いします」
「治療を開始する」
老人がゆっくりと腰を曲げながらロキの巨大すぎる足を登る。
それも90度によくわからない角度で、足の裏に何か吸着しているかのように。
アーサー王は足の裏からぎりそれが見えたが。
「てか、爺、そこにいると、重量増すからやめてくんねーかな」
「わしの体重は57.8999キログラムじゃぞ」
「何気に詳しかったし」
ぼきっと音が鳴った。
「ここに凝りが見られるのう、この塊が邪魔をしているようじゃ」
またぼきっと音が鳴る。
「いってえええし」
ロキの足が真上に飛ぶように跳ね上がる。
「ここは膝の壺みたいな物でのう、叩くと足が上に向くんじゃぞ」
「お、助かったし」
アーサー王が走り出す。
足がまた落下してくる。
地面に何度も足が雨のように飛来する。
「あっぶねー」
それを何なく勘でアーサー王は避け続ける。
「よっしゃー」
足のすねから走りながら腿を辿り、さらに腰を辿り、肩にまで登り。
「てか、爺はえーし」
「首のこりを治そうか、お、これは詰まってるのうう」
「ぐぎゃ」
ヒポクラテスの拳がグロテスクのロキの首にめきりとめり込んだ。
そのまま、ぼきっと音がなり。
「この塊をほぐすと血行がよくなるんじゃぞ」
「何気に本当に治療してるしいいい、くそ爺、俺はとっとと、ぶっ殺すぜ」
「医者は基本的に治療しかせぬぞ」
「なんで敵を治療してるんだよ」
アレキサンダー大王が地上から見上げて叫ぶ。
「魔法講座の第3幕ですが、光の棒はずっと永続は出来ません、それはなぜか、空気中に光元素が分散してしまい、しばらくすると空気と同一になるからです。ですので」
「うおりゃああ、とどめえええ」
「アーサー王逃げたほうが良いですよ」
「おっせんだよおおおおおおお」
突如動き出したグロテスクなロキが頭を振り乱す。
そのまま吹き飛ばされてしまうアーサー王、雲の上を彷徨いながら、何度も雲の中に潜っては、息をなぜか止めてしまう。
雲から出た瞬間。
そのまま大地に向かって落下していく。
「あーあ死ぬかなーでも、こういう時こそマーリンは」
「魔法とは空を飛ぶ為に使う物ではありませんが、こういう緊急の時こそ面倒くさい構築理論を脳内で繰り返す無詠唱魔法を使うものですよ」
アーサー王の体が浮遊する。
「よっしゃ」
「後3秒で落下するので、光の橋を設置しました」
「お、助かる」
アーサー王が光の橋の端から走り出す。
「ちなみに、触れたら橋は落下するので、即座に走ってください」
「うおおおおおおおおおお」
アーサー王が全力疾走で今までの人生経験を懐かしむ。
「あーあランスロットとか皆ー元気かなー」
エクスカリバーの大剣を大きく振り乱し。
最後の光の橋が崩壊していくと。
ロキの頭にアーサー王の剣が突き立った。
ぼきりと音を立てて。エクスカリバーが折れた。
「なんだってええええええええええええええ」
アーサー王の悲壮感溢れる声が口から飛び出るように吐き出される。
「あーあ死んじゃった」
ロキの体が光の粒の用になって消滅していく。
少しずつ少しずつ消えていく中で。
ロキのグロテスクな体が1人の子供の姿に戻り。
消え去る瞬間。
天使のような笑みを浮かべた。
「って、これ落下するやつうううう」
アーサー王は折れたエクスカリバーを何とか2つ掴むと。
そのまま体が落下していく。
「これはいつか飯をおごってくださいよ」
マーリンがまた浮遊魔法を何度もかけてくれて。
アーサー王は地面に着地した。
「まったく、患者を殺しおって」
「いやあんた何しに来たんだよ」
アレキサンダー大王がヒポクラテスに心から突っ込むのだが。
アーサー王は膝を屈してしくしくと瞳から大量の水滴を垂らしていた。
「気持ち悪いですよアーサー王、鼻水まで垂らして」
「だって、大事なエクスカリバーがああああ」
アーサー王の嘆きの声が辺りを支配した。
「魔法とはこういう風に使うのですよ、第一次元突破、第二次元突破。そうして、大三次元突破。次元の狭間の相手を見つけ出す事など容易な事です。そもそも、次元とは魔法で言うところの基礎的な部分でしてね、こいつですね、可愛らしい姿をしている子犬さんじゃーないですか」
「お、姿が見えた」
アレキサンダー大王が逃げながら方向転換して。
後ろを振り返り。
剣を上段に構える。
「キングキラーでも食らってろおおおお」
「そいつは犬だから、ドックキラーじゃぞ」
「いらねーよ突っ込み爺」
フェンリルの体が縦に半分に両断されて、まるで空気のように蒸発していく。
まるで作り物のようにシャボン玉をまき散らしながら消滅していく。
「では、次の魔法講座ですね、でかい物にはでかい魔法という基礎的なものがありますが、残念な事に俺の魔法は真っ直ぐに貫く槍のようなのですよ、まぁ、その槍でも棒のようなものですがね」
マーリンが高速で呪文を唱える。
「さて、無詠唱などと言うチートは使いませんよ、無詠唱使うと疲れますからねー頭の中で魔法理論を構築するのは疲れます疲れます」
無数の光の棒が投擲される。
張り付けにされるように、グロテスクな姿のロキの体のあちこちに突き刺さる。
「この魔法には動きを停止させる効果があるのですよ、いわゆるストップと言う魔法です、ではヒポクラテスさんよろしくお願いします」
「治療を開始する」
老人がゆっくりと腰を曲げながらロキの巨大すぎる足を登る。
それも90度によくわからない角度で、足の裏に何か吸着しているかのように。
アーサー王は足の裏からぎりそれが見えたが。
「てか、爺、そこにいると、重量増すからやめてくんねーかな」
「わしの体重は57.8999キログラムじゃぞ」
「何気に詳しかったし」
ぼきっと音が鳴った。
「ここに凝りが見られるのう、この塊が邪魔をしているようじゃ」
またぼきっと音が鳴る。
「いってえええし」
ロキの足が真上に飛ぶように跳ね上がる。
「ここは膝の壺みたいな物でのう、叩くと足が上に向くんじゃぞ」
「お、助かったし」
アーサー王が走り出す。
足がまた落下してくる。
地面に何度も足が雨のように飛来する。
「あっぶねー」
それを何なく勘でアーサー王は避け続ける。
「よっしゃー」
足のすねから走りながら腿を辿り、さらに腰を辿り、肩にまで登り。
「てか、爺はえーし」
「首のこりを治そうか、お、これは詰まってるのうう」
「ぐぎゃ」
ヒポクラテスの拳がグロテスクのロキの首にめきりとめり込んだ。
そのまま、ぼきっと音がなり。
「この塊をほぐすと血行がよくなるんじゃぞ」
「何気に本当に治療してるしいいい、くそ爺、俺はとっとと、ぶっ殺すぜ」
「医者は基本的に治療しかせぬぞ」
「なんで敵を治療してるんだよ」
アレキサンダー大王が地上から見上げて叫ぶ。
「魔法講座の第3幕ですが、光の棒はずっと永続は出来ません、それはなぜか、空気中に光元素が分散してしまい、しばらくすると空気と同一になるからです。ですので」
「うおりゃああ、とどめえええ」
「アーサー王逃げたほうが良いですよ」
「おっせんだよおおおおおおお」
突如動き出したグロテスクなロキが頭を振り乱す。
そのまま吹き飛ばされてしまうアーサー王、雲の上を彷徨いながら、何度も雲の中に潜っては、息をなぜか止めてしまう。
雲から出た瞬間。
そのまま大地に向かって落下していく。
「あーあ死ぬかなーでも、こういう時こそマーリンは」
「魔法とは空を飛ぶ為に使う物ではありませんが、こういう緊急の時こそ面倒くさい構築理論を脳内で繰り返す無詠唱魔法を使うものですよ」
アーサー王の体が浮遊する。
「よっしゃ」
「後3秒で落下するので、光の橋を設置しました」
「お、助かる」
アーサー王が光の橋の端から走り出す。
「ちなみに、触れたら橋は落下するので、即座に走ってください」
「うおおおおおおおおおお」
アーサー王が全力疾走で今までの人生経験を懐かしむ。
「あーあランスロットとか皆ー元気かなー」
エクスカリバーの大剣を大きく振り乱し。
最後の光の橋が崩壊していくと。
ロキの頭にアーサー王の剣が突き立った。
ぼきりと音を立てて。エクスカリバーが折れた。
「なんだってええええええええええええええ」
アーサー王の悲壮感溢れる声が口から飛び出るように吐き出される。
「あーあ死んじゃった」
ロキの体が光の粒の用になって消滅していく。
少しずつ少しずつ消えていく中で。
ロキのグロテスクな体が1人の子供の姿に戻り。
消え去る瞬間。
天使のような笑みを浮かべた。
「って、これ落下するやつうううう」
アーサー王は折れたエクスカリバーを何とか2つ掴むと。
そのまま体が落下していく。
「これはいつか飯をおごってくださいよ」
マーリンがまた浮遊魔法を何度もかけてくれて。
アーサー王は地面に着地した。
「まったく、患者を殺しおって」
「いやあんた何しに来たんだよ」
アレキサンダー大王がヒポクラテスに心から突っ込むのだが。
アーサー王は膝を屈してしくしくと瞳から大量の水滴を垂らしていた。
「気持ち悪いですよアーサー王、鼻水まで垂らして」
「だって、大事なエクスカリバーがああああ」
アーサー王の嘆きの声が辺りを支配した。
0
あなたにおすすめの小説
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる