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第5章 ~ペイン海賊団編~

―106― 襲撃(50)~回収、そして退却~

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 若き海賊たちは、不気味な雲へと次々に吸い込まれていく……
 整理好きで几帳面な性質の魔導士の手によって、甲板にいる男たちは、まず海賊か兵士であるかで、次に現時点で生者か死者であるかで、仕分けされ回収されていく……

 そして、ついに最後の1人となった海賊の靴底も、ニュブブッと灰色の雲の中へと吸い込まれていった。
 邪悪な雲は、海賊どもをまるで自身の養分とするがごとく、その体内へと完全に飲み込み尽くしたのだ。


 クリスティーナなる魔導士の仕事は早く、正確であった。
 しかし、クリスティーナはこれだけの力を持っているにも関わらず、下で唇を噛みしめ自分たちを睨み上げているアドリアナ王国の兵士たちには特に何もする気がないようでもあった。

 例えば、海賊たちも兵士たちも一緒くたに雲へと吸い込んだうえ、自身の分別能力を存分に生かし、兵士たちだけを雲より”頭から”ベッと吐き落とせば、兵士たちは頭が割れるか、首の骨が折れるかして、この機にほぼ全員、冥海へと行く船に乗せることができたというのに……

 回収完了。
 ”ペイン海賊団構成員”ならびに”現時点での生者”という条件に当てはまる若き男たち全員をクリスティーナは”甲板からは”回収し終わった。



「!!!!!」

 一方――
 ”アドリアナ王国の兵士”ならび”現時点での生者”という条件に当てはまる男たちの瞳は、頭上に広がる雲に起こった異変に気づき始めていた。

 一種の捕食者のごときあの不気味な雲は、オオオオオという呻き声を発しながら波打ち始めたのだ!
 まるで天地が逆になったかのような錯覚。
 いまや、空に広がっているのは、雲というより灰色の濁った波であった。それも下にいる者たちの本能的な恐怖を刺激する呻き声付きの……
 しかも、光無き灰色の濁った波の……その波間には、老若男女問わず、幾つもの人間の顔が浮かび上がっては消えていっている――
 幾人もの人間(の魂)が集まり集合体となり、あの雲を形づくり、そして動かしているかのように……

 浮かび上がっては消えていく顔のサイズ自体は、自分たちとそう変わりはないようであった。つい先刻、そそくさとこの甲板より引き上げていった、あの巨大で禍々しい灰色の手のように規格外の人体部位のサイズというわけではない。
 けれども、規格外の大きさで(ややチキンな性質の)得体の知れない魔力を前にしているのと、その大きさは規格内ではあるも無数の得体の知れない魔力を”上にしている”のとでは、どちらがより人間の恐怖心をあおるものであろうか?
 どちらが、より気持ちの悪い光景であろうか―´?
 
 しかし、頭上の不気味としかいいようがない波打ちは突如、ピタリと止まった。
 そして、雲ごとその姿を――形態を変え始めた。
 巨大な”灰色の鳥”の姿へと……

 青空が見え始めた。
 ルーク、ディラン、トレヴァー、ヴィンセント、フレディ、パトリック……甲板にいる生者たちの視界は晴れていく。
 鳥の羽ばたきの音までもリアルなまでに聞こえてきた。本物の鳥ではないというのに。

 巨大な灰色の鳥が――そして、その背に乗った海賊たちが、自分たちを見下ろしている。
 ”巨大”といっても、アダムが蹴散らした最初の漆黒の鳥ほどの大きさではない。船ごとの瞬間移動などは、とても行えそうにないだろう。ペイン海賊団の”初めての退却”という役割を果たすだけのキャリーバードでしかない。
 襲撃途中で引き上げる海賊たちの屈辱と怒りに燃えた瞳と、不完全燃焼となった殺意と敵意が上から、槍のごとく突き刺さってきた。


 何を思ったのかジムが、自分の足元に横たわっていた、もはや虫の息である海賊の――自分の仲間である者の靴を両方とも素早く脱がした。
「てめえら!! 覚えてろよ!!」
 怒声とともに、ジムはその二足の靴を甲板へ向かって連続でブン投げた。
 靴の主である海賊の”最期の日”となる今日まで、散々に履き古され血を吸い込んできたであろう、その臭い靴たちは、運動神経と動体視力にすこぶる優れたジムの狙い通り、殺し損ねた2人(甲板にいる野郎どもの中で抜きんでてムカつく2人)であるディランとフレディの頭にそれぞれスコーン!、スコーン! とクリティカルヒットした。

「――俺もやる! 誰か靴よこせ!!」
 ルイージが血の混じった唾を飛ばさんばかりに、周りの海賊たちへと声を荒げた。
 投げたいなら自分の靴を投げればいいのに、ルイージは他の者に靴を用意しろ、自分に捧げろと言っている。
 しかし、奴らを乗せた灰色の鳥は”さあ、もう、帰るわよ♪”と言うるように首を後ろへと傾け、さらにググッと上昇した。
 もし、ルイージが靴を手に入れることができていたなら、奴は間違いなくルークとトレヴァーを狙って靴をブン投げていたであろう。

 もちろん、エルドレッドも海賊どもの中にいた。
 ジム、ルイージ、そしてボールドウィン(エクスタシー海賊)含む、その他の海賊らしく気性の荒々しい者たちが束となり、”てめらああ! 次に会った時はぜってえ、ブッ殺すぞ!”と、恐ろしいメンチを切りまくっているなか、彼だけは違っていた。
 エルドレッドは、醸し出す雰囲気だけでなく、この退却時に見せる表情までが周りの海賊たちとは異なっていた。

 エルドレッドの瞳には、かつての2人の友が映っていた。

――ルーク……ディラン……
 
 数年前まで寝食を共にし、同じ時間を共有していた者たち。
 横暴な親方の怒鳴り声と、気の荒い年上の奴ら(正確に言うとジムとルイージ)の暴力を度々受けながら、それほど腹も懐も潤すことのない賃金で、ともに”助けあいながら”生きてきた時間を人生の中に確かに刻んだというのに、今や敵同士となってしまった者たち。


 その時――
 エルドレッドは、何かに気づいたらしくハッとした。
 いや、”気づいた”のではない。彼はルークとディランを見て、思い出したのだ。
 怒りと屈辱の炎に各々の肌を焼きこがさんばかりに燃え上がっている海賊たちよりも、かなり冷静にこの状況を見ていたエルドレッドが思い出したこと。
 それは――
「クリスティーナ! 待ってくれ! 後ろの船にはまだ、ラ……」

 だが、エルドレッドが最後まで言い終わらないうちに、鳥の形をとっていた灰色の雲はビュウウンッと穏やかに吹いていた”本来の風”を巻き込むような音を立て、青き空より消失した。
 もちろん、鳥の背にいる海賊たちの姿も鳥とともに、空より掻き消えた。



 海賊たちは去った。
 完全に退却した。
 あのペイン海賊団に目を付けられて無事であった船は、記録に残っている限り、今まで一隻もないはずであった。そう、今日までは。
 
 アドリアナ王国兵士軍団とペイン海賊団の”全体として見た戦闘能力”はほぼ互角であった。
 ペイン海賊団壊滅ではなく、奴らは引き分けのまま退却していったとはいえ、自分たちは多大な犠牲を払いながらもペイン海賊団からこの船を守ることだけはできたのだ。
 この”甲板から奥”には海賊どもの血塗られた手を伸ばさせやしなかった。
 そして、これは一兵士バーニー・ソロモン・スミスの功績であるが、外側から操舵室へと襲撃をかけてきた3人の海賊たちの血塗られた手も、”操舵室からさらに奥には”伸ばさせやしなかった。


 今、操舵室では――
 ただ1人、副船長ブロック・ダン・アンドリュースが船の舵を握っていた。
 血に染まりズキズキと脈打つ右肩に切り裂いた衣服を巻きつけ、とりあえずの止血をしたアンドリュース。
 何があっても、決して自分の持ち場を離れまいと、この船と運命をともにせんと、強く舵を握り続ける彼の背後には、3人の男の骸があった。
 バーニー・ソロモン・スミスによって、成敗された2人の海賊はその事切れた体勢のまま床に転がっている。

 船長ソロモン・カイル・スミスだけは、足を揃えた体勢で”床へと横たえられていた”。
 両手はその胸の前で組まれ、瞼も閉じられていた。海賊の手によって切り裂かれたスミス船長の喉元には、息子バーニー・ソロモン・スミスが引きちぎった服の切れ端が巻かれ、無残に切り裂かれた傷口が隠されてもいた。

 息子が父の傷口を隠そうとした時、父は既にこの世の人ではなかった。
 父と違う道を歩みながらも、父の背中を見ていた息子は分かっていたのだろう。
 威厳のある身なりというものに気を遣っていた父は、パックリと広がった自身の傷口を、例え死したとしても人目にさらすことを嫌がったに違いないと……

――船長……
 鼻をすすったアンドリュース。
 彼の息子であるバーニー・ソロモン・スミスは、溢れ出て止まることのない涙をゴシゴシと袖口で拭いながら、「俺は戻る! あいつらと戦わなきゃなんねえ!!」と操舵室の扉をあけ、”アドリアナ王国の兵士”として、走っていった。

 今、アンドリュースの眼前に広がるのは、割れた――いや、割られた窓の向こうに広がる、穏やかな青い海と晴れ渡る青空であった。
 海の匂いが風とともに操舵室へと流れ込み、立ち込める血の匂いをわずかに薄めた。
 アンドリュースも、この船が何やら暗い影に包まれた、いや落とし込まれたという異変を操舵室にいながらも感じていたが、今は完全に元の視界へと――襲撃前のスミス船長も生きていた時の視界へと戻っている。海賊どもの船も、もはや見えなくなっている。
 今、甲板で何が起こっているのか、この船の舵を握っているアンドリュースは見ることができない。
 だが甲板からの怒声や、(ペイン海賊団が勝ったとしたなら)この船内を蹂躙しようとするであろう荒々しい足音などは一切、聞こえてはこない。
 勝敗は分からないが、ペイン海賊団の襲撃は終わったということなのか?
 
 

「救護優先だ! 動ける者は救護にあたれ! 生きている者がいても、すぐには動かすな!」
 パトリックの指示。
 あの不気味な雲は、”現時点では生者側に振り分けられた”海賊の回収もしていった。ということは、当然ながらこの甲板にも生者側へと振り分けられる兵士もいるということだ。
 痣だらけ、傷だらけの兵士たちも、パトリックの指示へと従い、血の海の中へと横たわる生者を探さんと、めいめいに散らばった。
 しかし、中には立っているのがやっとであったほどの深手を負っていた兵士もやはり”当然のごとく”おり、糸が切れたようにその場に崩れ落ち、近くの者が救護にあたっていた。
 当のパトリックも、全身ぐっしょりとずぶ濡れであり、鼻血は止まったようであったが、そのずぶ濡れの服の至る所に血がジワジワと滲んでき始めていた。

「兵士隊長! 先に手当てを……!」
「いや、俺は構わん! 早く生きている者の救護を優先しろ」
 兵士の1人に伝えたパトリックは、甲板へと横たわる者たちの首筋に触れ、兵士か海賊かに関わらず次々に脈を確認していった。
 パトリックが念のため脈を確認していった者の中には、ニヤニヤしながら自分を挑発してきたうえ、ギョロギョロとした瞳を爛々と輝かせ、自信満々に真っ先に鉈を振り上げてきた海賊・ロジャーもいた。
 このロジャーという海賊は、不健康な生活をしていると一目で分かるほどに肌理の粗いがさついた肌をしていたため、結構老けては見えていたが、その顔立ちだけを改めて近くで確認すればまだ20代前半ぐらいかと思われた。
 船を守るためとはいえ、そして悪党であるロジャー自身に非があり過ぎるとはいえ、10以上も年の離れた若者を斬り殺したパトリックは、目を見開いたまま死んでいるロジャーの顔を見て、何も思わないわけなどはなかった。


「――今、止血をいたしますからね!」
 パトリックがその声に振り返ると、自分と同じく、ずぶ濡れのヴィンセント・マクシミリアン・スクリムジョーが他の兵士たちと救護にあたっていた。
 ヴィンセントの左腕も今もなお、血で赤く染まってはいる。
 しかし……ヴィンセントの左腕は、今は通常通り痛みを訴えることなく、動かせるようであった。

「!?」
――まさか、あいつの左腕の傷”も”もうすでに治っているのか? 服は血に染まっているも、その服の下の傷は、すでにふさがっているということか?

 けれども、ヴィンセントの頬にある”薄い斬り傷”は治ってなどいない……
 まるで、一番の深手を優先的に”海の中で治してもらった”かのように――

 何より、パトリック自身、あの不気味で巨大な手の張り手によって、もっと深手を負っているはずであった。普通ならこんなに動き回って、倒れ伏した者たちの脈を確認することなどはできないだろう。


 あの時――
 ゴオッと風をまとった巨大な手に、真正面から強烈な張り手をくらった瞬間のパトリックは、肋骨やあばら骨の一、二本は確実に折れたに違いないことを瞬時に悟っていた。
 全身の骨を粉砕されたかのごとき痛みに覆いつくされた彼の肉体は、海へと叩きつけられた。
 冷たさのなか、パトリックの意識は遠のいていく……
 鼻から流れた血も、口から溢れた血も、闇へと包まれゆく彼の視界でくすぶる煙のごとく、揺らめていた。
 気を失ったら、この痛みと苦しみからは逃れられる。
 けれども、気を失ってしまったら「死」しかない……
 
 パトリックの脳裏に、国王ルーカス・エドワルド、王子ジョセフ・エドワード、愛しい妻と可愛い3人の娘たち、そして入隊以来、苦楽をともにしてきた同僚たちの顔と様々な思い出が、そして若き日の彼の目に焼き付き色褪せることのない美しきエヴァ・ジャクリーン・ホワイトの姿までもが、一瞬のうちに駆け抜けていった。
 死へと赴きつつあるパトリックであったが、何者かの「しっかり」という声を聞き、手をギュッと握られたのを感じた。
 水中にいるというのに、その声はパトリックの魂に直接響いてくるようであり、なお、パトリックが”幾度も聞いたことのある声”であった。
 痛みが、苦しみが静まっていく……
 意識が、そして闘志が、死の底より蘇ってくるのをパトリックは感じた。
 まだぼやけている視界の中で、彼は自分の手を”熱く握る”その声の主を、そして、その顔までもしっかりと見た。
 長身で引き締まった肌身にうっすら透けた白い薄布だけを巻いた、海の精のごとき風体のその男は、”滅多に見ないほど”美しい男であった。
 しかし、滅多に見ないはずであった美貌の男は2人に増えていた。
 その男は、もう片方の手で”自分と全く同じ顔、同じ燃えるような赤毛の美貌の男”の手を握っていたのだから。
 パトリックと同じく傷つき、気を失いかけていたヴィンセント・マクシミリアン・スクリムジョーの手を……
 手をつなぎ合った、自分たち3人は眩く懐かしい光に包まれ、その後、なぜかこの甲板に戻っていたのだ。
 
――海の中で、スクリムジョーは確かに2人いた。俺は”あいつに”助けられた。”双子でもない限り”あれだけ同じ顔と同じ声をしているということはあり得ない。(出国前の身辺調査では、父母も不明の捨て子であり、幼い頃に拾い主である教師の養子となった)あいつに双子の兄弟がいたとしても、その片割れが海の中に住んでいたとでもいうのか? いったい、一体、何者なんだ? あいつは……!?


 が、その時――
 パトリックの思考は、摩訶不思議なヴィンセントの正体について考えるよりも、別のことに切り替わった。
 突如、甲板の入り口の扉が開き、そこから姿を見せた者に(いろんな意味で)ハッと目が釘付けになってしまったのだから。

 甲板へと飛び込んできたのは”絶世の美”であった。
 釘付けになったのは、パトリックだけではない。
 海賊どもに荒らされ尽くした甲板に、光のごとく飛び込んできた、絶世の美。
 透き通るように白く穢れなき肌。美しく波打つ金色の柔らかな髪。どんな状況にあっても、彼女を目にした者全ての時を止めるほどの、天上の女神か天使のごときこの世のものとも思えぬ美しさ。


――マリ……いや、レイナ・アン・リバーフォローズ!

 何を思ったのか、狼たちの群れに――正確に言うなら、先ほどまで”もっと凶悪で無慈悲な狼たちが牙を剥いていた”この甲板へと飛び込んできた羊のごとき、頼りなげな少女・レイナ。
 絶対に、ここに来てはいけない者が姿を見せた。
 隠し部屋の中に身を潜めていろと伝えていたはずの者が姿を見せた。
 ”またしても”不用意な行動を……!

 レイナは、全速力でここまで駆けあがってきたらしく、白い頬はピンク色に染まり、(露出はしていないものの)その年の割には豊かな膨らみであることが服の上からでも分かる胸を押さえ、ゼイゼイと息を整えていた。
 そして、今の甲板の惨状を目にし、”ヒイッ!!”と怯え、後ずさった。
 しかし、彼女は――
「ごめんなさい! 誰か……誰か、助けてください! 下に知らない男の人が侵入していて……っ……ダニエルさんがっ……」

「!!!」
 青く美しき瞳を波打たせるように潤ませ、恐怖に震えながらも、泣き声にも近い声で叫んだレイナの言葉を聞いた全ての男たちがハッとした。
 
 ”知らない男の人”――この状況からすると、絶対にペイン海賊団の奴としか、考えられない。
 そのうえ、あのダニエル・コーディ―・ホワイトに何が……!?



 自分たちににその不気味な力は見せたものの、最後まで姿を見せることのなかった魔導士クリスティーナの、”甲板における”海賊たちの回収は完璧であった。
 しかし、この船の甲板以外の場所にいた海賊たちについては、回収モレとなっていた。

 先ほどの去り際に(消失前に)ペイン海賊団の弓矢使い・エルドレッドも、「クリスティーナ! 待ってくれ! 後ろの船にはまだ、ランディーがいる!」と言いかけていたのだ。
 エルドレッドは、後方の”囚われの船”の甲板にて、聞こえてくる怒声に震え、縮こまっているに違いないランディーのことを真っ先に思い出したのだ。

 しつこいが、ペイン海賊団が”襲撃完了”ではなく、”襲撃途中”で引き上げるのは、今日が初めてだ。本日の襲撃が”いつも通り”ペイン海賊団の勝利に終わっていたとすれば、ランディーは頃合いを見計らって本船へと戻り、見張りとピートの世話に従事することになっていただろう。
 それに、結果的に置き去りにしてしまうことになったペイン海賊団構成員は、ランディー1人だけではない。後方の船の操舵室には、船を動かしていたペイン海賊団構成員もそのままのはずだ。

 そして、何よりも、この船の内部に潜り込んでいた海賊がいたのだ。
 そう、元旅芸人の軽業師であり、その身長に不釣り合いほどに盛り上がった両肩の筋肉を有している現・鉤爪使い。さらにそのうえ、ペイン海賊団において上位10名に入るほどの戦闘能力を有するレナート・ヴァンニ・ムーロが……!
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