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3巻
3-1
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この私――レイア・アーネスト・ヴォルドーは、今日も『ネームレス』ギルド本部で時間を潰している。センチネルという蟻のモンスターであり、同じ日本人の転生者であり、育ての親である――瀬里奈さんのところから帰ってきてまだ二週間程度。それなのに、もう噂になっているのか。やはり、光剣を持つ者が著名人ともなると当然の結果だろう。
ギルドの依頼書が貼られているボードを確認すると、義弟たちが持っている光剣が欲しいようで「同じ物の作成依頼」や「製作者の情報を高額で買う」などといった依頼が散見される。文字から察するに女性が多そうだが、中には男性のもある。きっと、ロマン兵器に魅了されたのだろう。その気持ちは大いに理解できる。私も瀬里奈さんから一本貰い、倉庫に飾っている。
依頼書を眺め終えて、ギルドで軽食を取りつつ周囲の会話に耳をそばだてていると……ゴリフターズの実家のある『ウルオール』では、義弟たちのせいで光剣が空前の大ブームになっているとのこと。
どの鍛冶屋も再現しようと必死に頭を悩ませているらしい。ただ、形だけは再現できるが、魔法なしでは蛍光色と音が再現できずに苦労している。
実際に再現するには、『風』の魔法を駆使し、かつ馬鹿みたいに魔力を消費する必要がある。だが、高ランク冒険者でもそれができる者はごくわずかだろう。
「――歓楽街で『不治の病』が流行しているらしいから、しばらく控えた方がいいかもしれん」
「バカを言うな!! あの人を予約するのにどれだけ苦労したと思っている。この日のために死に物狂いで金を貯めたんだぞ」
全く、人様が横で食事しているときに、下ネタの話はご遠慮願いたいものだ。飯が不味くなると文句の一つも言ってやりたい。そんな、人様に自慢できないような話を大声で話していると、冒険者の品位が疑われるぞ。
しかし……『不治の病』ね~。若干気になるが、この世界における『不治の病』なんて、「治癒薬の大量摂取」か「モンスターソウルによる身体強化」で大半はどうにかなる。それを実現するだけの金か力が必要になるがな。よって、大体の場合、金も力もない連中が『不治の病』だと騒ぎ立てているだけなのだ。
本当に希有な病で、金も力も通用しないとしたら、大金を積んでもサンプルとして確保したい。蛆蛞蝓ちゃんによる治療を試み、力にしたいものだ。
「仕方がない。帰るか」
食事も終えたし、美味しい依頼もない。夫の稼ぎを実家で待っているゴリフターズに申し訳が立たないが、幸いなことに領地運営は黒字なのだ。金の面で言えば、ギルドの依頼にこだわる必要はない。正直に言えば、夫の稼ぎなんて不要かもしれない。
ただ、冒険者というロマンで望んだ単身赴任とはいえ、稼ぎがないのはそれなりに悲しいものだ。お仕事が欲しいのに何も用意されていないなんて、ギルドは職務怠慢だろう。いつものことながら……
ギルドを出て宿への帰路につこうと思ったら、受付からマーガレット嬢が微笑みながら歩み寄ってきた。手には、隠そうともしないで依頼書を持っている。
「お待ちしておりました、レイア様。絶妙なタイミングで!! これぞまさに天の導きとも言えましょう。こんな人が多い場所ではアレなので、奥のお部屋へ」
嫌なタイミングである。ろくでもない内容であることは疑いようがない。それに、食事をしているときから明らかに声を掛けるタイミングを窺っていたくせに、「絶妙なタイミングで!!」とかよく言う。
「気遣い不要。これから、宿に戻ってゆっくり休ませてもらうところだ」
「そう言わずに。最高級のワインもご用意しておりますので……先方が。それを飲まれてから帰られてもいいと思いますが~。それに、他人の金で飲む酒は、美味しいですよ」
「タダより高いものはないという言葉を知っているかね、マーガレット嬢。それと、先日、私を尾行してきたギルドの愚か者についての謝罪がまだなのだが。ギルドとしては、そこら辺への対応はどうなっているのかね?」
瀬里奈さんのいる実家へ帰る途中に始末した愚か者の死体は、蟲たちに『ネームレス』ギルド本部に運ばせておいた。その意味が理解できないわけでもあるまい。
「ギルド長並びにギルド上層部も馬鹿ですよね。ランクAのお二人とレイア様が一緒にいるときに尾行が成功するはずがないのに。しかし、本件につきましては、証拠の類……具体的には、依頼書などが一切残っておりません。よって、ギルドの回答といたしましては、知らぬ存ぜぬになります」
随分と素直に喋る。それに、ゴリフターズが一緒だったところまでは確認済みか。これは、私たちが向かった場所――瀬里奈ハイヴの位置もある程度推測されていそうだ。
尾行者の連絡が途絶えた場所と近隣住民の目撃証言を照らし合わせれば、候補地はかなり絞られる。毎回移動ルートを変えているが限界がある。
そろそろ、本気でギルドの膿を潰しにかかろうかな。
「今日は、随分と素直に喋るね」
「バレているでしょうし……下手に嘘をついても、レイア様が蟲を使って記憶を読み取れるのは、存じておりますので。無駄なことはしない主義です。蟲に記憶を読まれるくらいなら、素直に話した方が幾分かマシです」
仕事ができる女は違う。考えるに、末端であるギルド受付嬢は、さして問題ではない。やはり、金と権力に執着するギルドの老害どもが問題なのだろう。末端はこれほど優秀なのに、なぜ上が腐る。
「素直なのはいいことだ。いいだろう、話くらいは聞こう」
マーガレット嬢は、面倒な依頼を持ってくるときは必ず生誕祭で手に入れた『絹毛虫ちゃん香水』を使ってくる。そういった気配りは、実にいやらしい限りである。まあ、言い換えれば、効果的と言えるのだがね。
「ありがとうございます。奥の個室でギネビア様がお待ちです」
ギネビア――私の記憶が確かなら、歓楽街の元締めがギネビア・クローセルという女性のはずだ。冒険者上がりの切れ者との噂だ。今は、老婆と言っても差しつかえない年齢だったと記憶している。
「ギネビア・クローセル。歓楽街の元締めだと風の噂で聞いたが」
「よくご存知ですね。そのご本人です」
マーガレット嬢の目が、レイア様もそれを知っているということは、結構遊ばれていますね、と言ってくるのが気に入らない。全く、失礼極まりない。私の女性関係は、ゴリフターズ以外にありえない。根も葉もないくだらない噂が立つのは非常に遺憾だ。
そんな噂がゴリフターズの耳に入れば、二人を悲しませてしまうだろう。もっとも、そんな噂を立てる勇気がある者がいたら挨拶に伺わせてもらうがな。
マーガレット嬢に案内されて依頼主が待つ部屋へと入った。身だしなみがしっかりした気品あるご婦人が待っていた。歓楽街の元締めということだから、肥えた豚のような顔をしているかと思ったが違った。先入観というのはいけない。
「お待ちしておりました、レイア・アーネスト・ヴォルドー様。ギネビア・クローセルと申します。今、軽食とお飲み物を用意させております」
「お気遣い感謝します。冒険者として話を伺いにきたので、レイアで結構ですよ。ただし、受ける保証はいたしませんけどね」
ギネビアの対面に座った。席に着くとすぐに、ギネビアの横で控えていた執事がグラスにワインを注ぐ。ふむ、感じる魔力と動きから察するにランクC程度か。
護衛としては、悪くないレベルだ。
「ええ、それで構いません。依頼を受けるも受けないも冒険者の自由。それを侵害する権利は、誰も持ち合わせておりません」
ふむ。話の分かるご婦人だな。
元冒険者だけのことはある。少し気に入った。それに、良質なワインを出してくれるじゃないか。一本でギルド職員の平均月収程度か。
さらに、代理人を立てずに直接本人が来たのもポイントが高い。貰えるものさえ貰えれば代理人だろうと気にしないタイプだが、誠意を見せる依頼人は覚える価値があると思っている。
「依頼内容を伺わせてもらおうか」
「ええ、最近ネームレスの歓楽街で『不治の病』が流行っているのは、ご存じでしょうか?」
「私が知る限り、『不治の病』と呼ばれるものはいくつかある。だが、仰っているのは昨今流行しはじめているもののことかな?」
まさかと思うが、『恋の病』なんて馬鹿げた依頼だったら早々に帰ろう。間違いなく『不治の病』と言えるが、自力で解決しろと言いたい。どうしても解決して欲しいというなら、本人か対象をこの世から抹消する。
「呆れた顔をなさらなくても『恋の病』のようなロマンチックなものではございません」
「人の顔色を読むのは、やめてほしい。まあ、歓楽街という場所から察するに……性病であろう」
前世でもこの手の病気が複数存在した。そして、この世界でも同様の病が存在する。人というのは世界が違えど変わらないものなのか。気持ちは理解できるが、節度を守って欲しい。
「お察しの通りです。ですが、事態はさらに複雑になってきております」
「具体的には?」
「私が経営する直営店の子が一人、『不治の病』に掛かった状態で客と駆け落ちしました」
よくあることとは言わないが、年に何度かはある事例じゃないか。もっとも、商売女との駆け落ちの成功率は極めて低い。なぜなら、そういう輩の対応に専任の冒険者を雇っているお店がほとんどだから。
そもそも駆け落ちなんて危険な橋を渡るのが不思議だ。この世界では、他人を奴隷とすることには極めて厳しい罰がある。よって、歓楽街で働く者たちの大半は、借金や生活のためだ。すなわち、駆け落ちなどせずとも、借金の肩代わりや安定した生活を提供することで、比較的スムーズに身受けできるのだ。
「腑に落ちんな。ギネビアの店は、俗に言う高級店だろう。そこに通えるだけの財力がある者が駆け落ちするとは考えにくい。で、続きがあるんだろう」
『ネームレス』で一番の高級店であるギネビアの店――ナイトムーン。女性と一夜過ごすだけで、私が宿泊しているスイートルームに匹敵するお値段である。……最低価格がな!!
「ええ。駆け落ちした子は、アイリスと言います。アイリスが『不治の病』を発病してすぐに治療を行いました。どなたとは申しませんが、同時期に治癒薬を買い占めた方がおられて苦労いたしましたが、色々とツテを使い、なんとか治癒薬を集めて完治させた……つもりでした」
私を真顔で見るのはやめろ。金を払って治癒薬を買ったのだ、なんら問題あるまい。補充が間に合わなかったのは、『ネームレス』ギルド本部のせいだろう。
「だが、治っていなかったということか」
「はい。数日して、再発しました。あろうことか、アイリスと同じ療養所に住まわせている者まで同じ病になったのです。もちろん、アイリスと接触はさせておりません」
「接触がなかった? では単に、第三者から『不治の病』がうつされたのではないのか?」
「それは、ありえません。新しく発病した者は、まだ客を取っておらず、裏方作業しかさせておりませんでした」
「く、空気感染!?」
か、考えたくはないが、空気感染したとしか思えない。性病が、変異したというのか!? 洒落にならん。早急に原因を消去して、感染の疑いがある者を隔離せねば、何人死ぬか分からない。
というか、性病の空気感染など本気で笑えない。迷惑極まりない。
不幸中の幸いなのは、私はその程度の病には掛からない。迷宮の猛毒が気化した場所で深呼吸ができる肉体だ。悪いが、免疫力に関しては全冒険者の中でも飛び抜けて優秀だと自負している。それに、万が一の場合でも蛆蛞蝓ちゃんを頼れば治癒できる自信がある。
今の蛆蛞蝓ちゃんでも手に余るならば、蛆蛞蝓ちゃんがさらに進化するまでのことだ。
「レイア様の仰る空気感染というのが、どのようなものかは分かりませんが……状況がかなりまずいと判断し、すぐに彼女ごと療養所を焼き払う決断をしました。ですが残念なことに、彼女を大層気に入っている上客の高ランク冒険者が、それを良しとせず連れて逃げ去ったのです」
「高ランク冒険者の風上にも置けない。紳士なら、率先して介錯を務めるくらいの意気込みでなければ……で、そちらは対象を取り逃がしたのか? それとも、逃がしたのかどちらなのかな?」
この場合、『不治の病』を撒き散らすアイリスを意図的に逃がした可能性もある。
感染が既に拡大しつつある中、歓楽街の元締めの力をもってしても事態が収拾に向かわないことに現実味が出てきた。ゆえに、頑張ったけど元凶に逃げられましたという猿芝居をうって、国家に援助を求める作戦かもしれない。そうすれば、この事態収拾に掛かる費用負担などは税金になる。
「お疑いになるお気持ちも理解できます。しかし、相手は剣魔武道会の本選に残るほどの実力者で、私の手勢で止められる者は、おりませんでした」
「剣魔武道会で……本選出場!? まさか、クラフトとかいう冒険者のことか!! で、今どこにいるんだ?」
「そのクラフトという冒険者が上客です。現在位置は、定かでありません。『モロド樹海』に逃げ込んだところまでは、確認済みです。治癒薬では完治できなかったことから、アイリスのパワーレベリングを行うつもりかと」
そこまで分かっていながら、なぜ私に依頼するのだ。人海戦術で迷宮を虱潰しに探せばいいだろう。高ランク冒険者だけでパーティーを組ませて挑ませれば、剣魔武道会本戦出場者であるクラフトといえども、取り押さえることは容易のはず。
……あ。
「ああ~、大改変の時期か」
「はい。それに伴い、トランスポートの定期調整作業も行うようです。よって一週間は、利用できません」
大改変とトランスポートの整備。クラフトもそれが分かった上で逃げ込んだのか。うまくいけば、追っ手が来る前に病を治せる可能性もある。だが、元凶が完治したとしても、二次感染させられた者たちはどう思うだろうね。
決して許してくれないだろう。
「この件は、どのレベルまで知っていることだ?」
「歓楽街で一定以上権力がある者ならば誰でも知っております。ギルドも一部の者は既に耳にしているかと。一般の方や冒険者の方は、歓楽街によく来る常連の人は知っているかと……」
要するに、一部の者しか『不治の病』が大流行しつつある事実を知らないのか。
「この件が公になれば『ネームレス』が大混乱になるだろう。事態の収拾がつかなくなり、我が身可愛さに治癒薬の確保に走る者たちが続出することは目に見えている。となれば、その一部の者たちは、自分らの安全が確保できるまで伏せておくつもりか」
「肯定します。しかし、我々とて無為に時間だけを経過させたわけではありません。ギルド上層部と会談を行いました。そして、優先的に治癒薬を回してくれる確約も得ております」
「だが、感染した者の治癒薬の代金を肩代わりするわけではないのだろう。貴方たちの不手際によって広まったというのに。まあ、最大限の努力はしているみたいだし、そこら辺は別に責めないけどね。で、肝心の依頼内容は?」
今更だが、肝心の依頼内容について聞いていなかった。いくつか推測が立つが、答えは決まっている。
「そうでした。レイア様には、この事態収拾へのご協力、迷宮に逃げ込んだアイリス及びクラフトを始末していただきたい。報酬は二億セルご用意しております。病が治っていたとしても、この事態を招いた者たちには、それ相応の報いが必要です」
「その程度のことならば、私に依頼せずとも達成できるメンバーは他にもいる。元凶への対応は理解できた。だが、この依頼……断る!!」
身体能力的に感染しないと分かっていても、空気感染する性病など近づきたくもない。
それに、二人の始末で二億セルなら納得できるが、事態収拾のためとかいう前置きが気にくわない。これは、元凶である二人を殺したとしても、事態収拾のため別方面でも尽力させるものであろう。すなわち、二次感染で広がりつつある対応も行えと示唆しているのだ。
「……理由をお伺いしてもよろしいですか?」
「情報を公開せず、真実を隠蔽している態度が気に食わない。事態収拾のため、努力していることは認めるが、全力を出していないだろう。さらに、そんな新種かつ感染力が高い『不治の病』の始末を、事態収拾という名目で全面的に私にやらせるのに、二億セル程度では話にならない」
早急に、荷物を纏めて宿を引き払おう。それと、『ネームレス』の倉庫に眠っている私物一式も実家に持ち帰っておくべきだろう。この件が公になり、暴動が勃発すれば、ギルドから借用している私の個人倉庫の品だって略奪される可能性がある。
「レイア様は、珍しい病気や治癒不能と言われている怪我などをいくつも治されたと聞いております。もし、依頼を受諾していただければ二次感染した者を……」
「確かに、怪我や病の治癒は行っている。だが、感染拡大中の『不治の病』だ。貴方たちに頼らずとも、患者はたくさん出るだろう。検体の確保に困ることはない。では、事態収拾ができることを切に願っております」
良質なワインをご馳走になったことと感染拡大中の病の情報に対して礼を述べて席を立った。部屋の外に出てみると、何名かの受付嬢がこちらを見ている。何を期待しているかはよく分かっているので、紳士である私が伝えることは一つだ。
「マーガレット嬢、至急、倉庫の鍵を用意してくれ」
「倉庫? 何か必要なものでも? ギルド長から最大限の協力をするようにと仰せつかっております。倉庫に行かれずとも、必要なものは至急ご用意させます」
私が素直に依頼を受けたと思っているのだろう。
世の中、そんなに甘くはないのだよ。マーガレット嬢含むギルド嬢は、仕事である程度世話になっていることもあるから、忠告だけはしておいてあげよう。
「ギルドの支援などいらんよ。あと、顔なじみだから忠告しておく。余裕があるうちに治癒薬を購入しておけ。そして、神に祈っておくといいだろう。それと、二次感染したら私のもとに訪れるといい。先着一名に限り無償で治療してやろう。多少の副作用は、あるかもしれないがな」
「えっ!? ま、まさかレイア様、ギネビア様からのご依頼を!?」
「無論、断ったとも。二次感染も怖いし、二億セルなんてはした金では割に合わん。せめて、その百倍は提示してもらわないと」
大改変後で、トランスポートも使えない状況。さらには、迷宮のどこにいるかも分からないクラフトとアイリスを探し当てて始末するなど、本来ならば大規模に冒険者や騎士を動員して行う作戦だ。
そう考えれば、二人始末して二億セルだったとしても、安く思える。
「レイア様!! 領地で事務員なんて募集していませんか!? ここに事務処理が得意で、蟲たちに抵抗感がない人材が落ちておりますよ」
「素晴らしい見切りの早さだ。だが、残念だ。当家の人材は、マーガレット嬢が思っている以上に優秀だ。事務処理から戦闘まで何でもこなすメイドが数名いる。では、頑張って仕事に励みたまえ」
倉庫の鍵を受け取り、『ネームレス』ギルド本部から離れた。離れ際に見えたが、治癒薬を確保すべく、ギルド職員たちが職権乱用をしているのが確認できた。
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