感じさせて……。

紫倉 紫

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ゆめ6

二十

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 これは研修ではないんじゃ……と、はねのける気にはならない。
 それどころか、もっと触れて欲しくなってくる。
 快楽に流され始めている。
「外したぞ」
 奥村さんに声をかけられ我に返る。
「ありがとうございます」
 奥村さんは、荷物を持って奥に入っていった。
 洗面所に寄って手を洗っていると、奥村さんが来た。
「すぐ風呂だからほどほどでいいぞ」
 帰ってきたばかりなのに、研修はもう始まるらしい。私は黙っていた。
「気に入らない服を脱げるんだから好都合だろう」
「気に入らないわけでは」
 奥村さんが「そうか」とつぶやいた。
「それなら、明日、その服で出かけたらいい」
 どちらにしても、今日買って貰った服で行くことになる。
「わかりました」
「汚さないうちに脱いだ方が良い」
 奥村さんはバスルームへ入っていった。洗っているようだ。
 私はため息をついた。
 最初の頃のような緊張とはまた違う。でも、やけに落ち着かない。
 奥村さんが出てきた。
「たまるまで、買った服の確認をするか?」
 二人でリビングへいく。
 奥村さんは紙袋の中から服を出しソファの上に並べた。私だったら選ばないような、花柄のスカートや袖にリボンのついたブラウスがあった。
「そういや、最近は一部だけ上の服をスカートに入れるのが流行ってるのか?」
「さあ、全部出していたら森本さんに入れられて……」
 奥村さんがスカートのベルトのあたりをじっとみている。
「『入れるように言われた』ではないんだな」
 わざわざ確認されるとは思ってもみなかった。ここは嘘をついてごまかした方が良い気がする……
「いえ……」
 うまく言葉が出てこない。
「森本が試着室に入っていった時だな」
 奥村さんが私の背後に立った。手が、私の腕の横を通り過ぎて、スカートの上から下腹を撫でた。
 
  奥村さんの手が、スカートのベルト部分にさしいれられる。
 すぐに、スカートの中に入っていたトップスの裾を通り越して、地肌に触れた。さらに下まで……
「簡単に下着の中まで手が届く」
「そこまでは……」
「その気になれば、容易いだろ」
「ほんの一瞬だったので……」
 抗議をしたり抵抗したりする間はなかった。あまりに自然にされたので、なんとなく流してしまった。
 知り合いと言うほどでもない男性にされるのは、確かにおかしい。
 
 足に触れられたときも……そう、ごく自然に受け入れた。
「手の動きに、他意が感じられなかったので」 
 私は言い訳をした。
「下心がなさそうだからと言いたいのか?」
 概ねあっているので頷く。
「確かに、純粋に服を選ぶのが好きなようには、みえた」
「そうですよね」
「それより瑞樹……」
 奥村さんの手が、下着のさらに奥まで入ってきて敏感な場所に届いた。
「俺が下着に手を入れただけで、こんなに濡れるんだな」
 指の滑り具合で、自分がかなり濡れていることはわかった。
  奥村さんはあっさりと手を抜いた。
「研修を始めるか」
 バスルームへ行くよう指示される。今日はどんなことを研修されるのだろう。
 洗面所に入るなり「お前が、先に脱げ」と言われた。教授のノートに書いてあるのだろう。
 奥村さんがこちらをずっと見ているので、背を向けた。服を脱ぎ始める。
 奥村さんの方は、動いている気配がない。全部脱ぐまで、観察されるのだろうか……
 さっさと脱いで、バスルームに入ってしまう方がマシだ。
 ブラをとり、ショーツを下げる。奥村さんに名前を呼ばれた。
「糸を、ひいてるぞ」
 下着の糸がほつれたらしい。
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