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カインはグイドの分体を追いかけており、その間レイン達は怪我を治療する為に魔法を放っていた。
「大丈夫レイン?」
「あぁ、もう大丈夫や」
レインは立ち上がり、手を開いたり握ったりして感触を確かめた。
「ちゃんと動くな。っし!ワイも参戦にしに行くか」
「ダメだよレイン」
「そうだな。宮殿は誰が守るんですかな?」
「フォッカーがいれば十分やろ?」
「大丈夫ではない」
それはフォッカーだけでは魔法戦を対抗することが出来ないからだった。
万が一魔導士が攻めてくる場合、レインやカインの様に魔法を斬ることはフォッカーにはできない。
「ほんま!?せやけど陛下もいるやないか」
現在リリノアール皇妃が皇帝の代わりに皇帝を務めている。
そんな訳があり、帝国の最強の魔導士として恐れられる皇帝がいるから魔法戦はむしろ宮殿が一番難しいと思ったレインだったがらフォッカーはそんなことはないという。
「陛下はなんというかそのですな。レイン様のが信じられるのですぞ」
「え、フォッカーってあんなに仲良くしてるのに?」
ロアーナの言うことは最もであり、下手したら皇帝であるチャリオットより仲良くしていた。
「リリノアール様は他国の姫で、前皇帝が無理を言ってチャリオット様の婚約者に据えましたからなぁ」
「陛下って帝国の人間じゃなかったんだ」
「他国の姫だから信用できないってことなん?」
「違いますぞ。勘と言いますかな?レイン様のが信頼を置くことが出来るのです」
「それは嬉しいんやけど勘ってなんやねん」
レインもフォッカーを父の様に兄の様に慕ってる節があり、彼から褒められるのはむず痒く嬉しいところがあった。
それ故に彼がリリノアールを他国の姫だからと嫌煙してるとしたらそれは少しだけ残念に思えたが、どうやら違う様だった。
「む?何か来ますぞ?」
「これも勘・・・ほんまや。ただならぬ気配を感じる」
そして訓練所の前に降り立つ一人の少女が現れた。
それはレインに手傷を負わせた少女だった。
「あいつは!」
「あの少女、レイン様の言った特徴に似てますな」
「まさかアハト達が負けたんか?いや見つからなかっただけか?」
「ふふっ、貴女達の命貰いに来たわ」
その少女から放たれた妖艶な気配と悪魔の様な笑みは、レインとフォッカーの剣を構えるには十分な理由になる。
「フォッカー、ロアを頼むで」
「わかりました!ご武運を」
「貴方一人で相手するのですか?私に負けたのをもうお忘れで?」
「人敗北を伴って成長するねん!負けた事のない人間はおらへんのや!」
しかし少女、グイドの分体は本体と違い魔物の性質を解除されていない。
故に色々な魔物の力を使うことが出来た。
「ソードグリズリーの剣か。硬いんやでそれ」
「貴方は全力で挑まないと負けてしまいますからね!」
レインは一度グイドと対決した際に何度かソードグリズリーの剣を出している彼女の腕を斬り落としている。
その時の性質である魔物の中で最も硬いゴーレムの腕だったのだが、それを斬られた以上警戒しすぎて損はないと判断した。
「今回の私はスライムの腕です。いくら斬られようとも、先ほどの様に上手くはいきませんよ?」
「なるほど、わざわざバラすんはアホのすることや」
「どうでしょうか?証明して見せましょう」
二人の剣がぶつかり合うも、技量はレインのが圧倒的に上であり、ソードグリズリーの剣は何度も折られてしまう。
「強いわね。朕の本体が戦っているアハトやルルシアも中々だったけど、一線を画してるわ」
「本体?なんや自分分身かなんかなんか?」
「自我があるし本体とは性格も違うから、別人と言っても差し支えないわね」
「なんやねん。よくわからんな。でもアハト達は無事なんやな」
「まぁこれからはどうなるかはわからないけど、彼らは無事に乗り切るでしょうね。聖騎士の小僧がこちらに向かってるし、さっさとケリをつけたいわ。行くわよ」
「まだ本気じゃなかったんか。なんやこれ?」
グイドの身体がみるみると膨れ上がっていき、最終的には巨大な角の生えた巨体へと変わった。
この特性の魔物をレインは知らない。
「なんやこれ。こんな魔物おるんか?」
「レイン様、それは魔物の到達点と呼ばれる魔神です」
「魔神やて!?魔物が百年以上生きたら進化する言われとるあれか!?」
「そうよ!ドラゴンですら赤子のように捻りつぶす」
レインに向かってグイドのこぶしが振るわれる。
剣でその拳を受け止めたが、あまりの威力に吹き飛ばされてしまった。
「ぐあっ!」
「レイン!」
「はっはっは!次で終わりにしよう!死ねぇ!」
無情にも拳が振るわれたが、その拳がレインに届くことはなかった。
拳を受け止めている別の人物がいたからだ。
「させるかよ。レイン、だらしねぇぞ」
「カインか。死ぬかと思ったわ。ほんま助かった」
「たかが魔神?とやらの拳くらい受け止めろよ」
カインがここに来たことにより形成が逆転した。
レインとカインのコンビにグイドの分体は少しだけ冷や汗を流している。
「大丈夫レイン?」
「あぁ、もう大丈夫や」
レインは立ち上がり、手を開いたり握ったりして感触を確かめた。
「ちゃんと動くな。っし!ワイも参戦にしに行くか」
「ダメだよレイン」
「そうだな。宮殿は誰が守るんですかな?」
「フォッカーがいれば十分やろ?」
「大丈夫ではない」
それはフォッカーだけでは魔法戦を対抗することが出来ないからだった。
万が一魔導士が攻めてくる場合、レインやカインの様に魔法を斬ることはフォッカーにはできない。
「ほんま!?せやけど陛下もいるやないか」
現在リリノアール皇妃が皇帝の代わりに皇帝を務めている。
そんな訳があり、帝国の最強の魔導士として恐れられる皇帝がいるから魔法戦はむしろ宮殿が一番難しいと思ったレインだったがらフォッカーはそんなことはないという。
「陛下はなんというかそのですな。レイン様のが信じられるのですぞ」
「え、フォッカーってあんなに仲良くしてるのに?」
ロアーナの言うことは最もであり、下手したら皇帝であるチャリオットより仲良くしていた。
「リリノアール様は他国の姫で、前皇帝が無理を言ってチャリオット様の婚約者に据えましたからなぁ」
「陛下って帝国の人間じゃなかったんだ」
「他国の姫だから信用できないってことなん?」
「違いますぞ。勘と言いますかな?レイン様のが信頼を置くことが出来るのです」
「それは嬉しいんやけど勘ってなんやねん」
レインもフォッカーを父の様に兄の様に慕ってる節があり、彼から褒められるのはむず痒く嬉しいところがあった。
それ故に彼がリリノアールを他国の姫だからと嫌煙してるとしたらそれは少しだけ残念に思えたが、どうやら違う様だった。
「む?何か来ますぞ?」
「これも勘・・・ほんまや。ただならぬ気配を感じる」
そして訓練所の前に降り立つ一人の少女が現れた。
それはレインに手傷を負わせた少女だった。
「あいつは!」
「あの少女、レイン様の言った特徴に似てますな」
「まさかアハト達が負けたんか?いや見つからなかっただけか?」
「ふふっ、貴女達の命貰いに来たわ」
その少女から放たれた妖艶な気配と悪魔の様な笑みは、レインとフォッカーの剣を構えるには十分な理由になる。
「フォッカー、ロアを頼むで」
「わかりました!ご武運を」
「貴方一人で相手するのですか?私に負けたのをもうお忘れで?」
「人敗北を伴って成長するねん!負けた事のない人間はおらへんのや!」
しかし少女、グイドの分体は本体と違い魔物の性質を解除されていない。
故に色々な魔物の力を使うことが出来た。
「ソードグリズリーの剣か。硬いんやでそれ」
「貴方は全力で挑まないと負けてしまいますからね!」
レインは一度グイドと対決した際に何度かソードグリズリーの剣を出している彼女の腕を斬り落としている。
その時の性質である魔物の中で最も硬いゴーレムの腕だったのだが、それを斬られた以上警戒しすぎて損はないと判断した。
「今回の私はスライムの腕です。いくら斬られようとも、先ほどの様に上手くはいきませんよ?」
「なるほど、わざわざバラすんはアホのすることや」
「どうでしょうか?証明して見せましょう」
二人の剣がぶつかり合うも、技量はレインのが圧倒的に上であり、ソードグリズリーの剣は何度も折られてしまう。
「強いわね。朕の本体が戦っているアハトやルルシアも中々だったけど、一線を画してるわ」
「本体?なんや自分分身かなんかなんか?」
「自我があるし本体とは性格も違うから、別人と言っても差し支えないわね」
「なんやねん。よくわからんな。でもアハト達は無事なんやな」
「まぁこれからはどうなるかはわからないけど、彼らは無事に乗り切るでしょうね。聖騎士の小僧がこちらに向かってるし、さっさとケリをつけたいわ。行くわよ」
「まだ本気じゃなかったんか。なんやこれ?」
グイドの身体がみるみると膨れ上がっていき、最終的には巨大な角の生えた巨体へと変わった。
この特性の魔物をレインは知らない。
「なんやこれ。こんな魔物おるんか?」
「レイン様、それは魔物の到達点と呼ばれる魔神です」
「魔神やて!?魔物が百年以上生きたら進化する言われとるあれか!?」
「そうよ!ドラゴンですら赤子のように捻りつぶす」
レインに向かってグイドのこぶしが振るわれる。
剣でその拳を受け止めたが、あまりの威力に吹き飛ばされてしまった。
「ぐあっ!」
「レイン!」
「はっはっは!次で終わりにしよう!死ねぇ!」
無情にも拳が振るわれたが、その拳がレインに届くことはなかった。
拳を受け止めている別の人物がいたからだ。
「させるかよ。レイン、だらしねぇぞ」
「カインか。死ぬかと思ったわ。ほんま助かった」
「たかが魔神?とやらの拳くらい受け止めろよ」
カインがここに来たことにより形成が逆転した。
レインとカインのコンビにグイドの分体は少しだけ冷や汗を流している。
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