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ミニ番外編
簡単更新 ハノンとメロディの雑談タイム
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「あら?一人で戻ってきたの?ルシーを捕獲するんじゃなかったの?」
北方騎士団から今日、ルシアンが王宮へ戻るとハノンから聞いたメロディ。
「キャッホーイ♡」と雄叫びながら医務室を飛び出して行ったにも関わらず、手ぶらで戻った彼女を見てハノンが首を傾げた。
メロディが狙った獲物を捕り逃がすはずがない。
そのメロディがニヤニヤとご機嫌な笑みを浮かべ、ハノンに言う。
「捕獲だなんてヤダ♡そんなヤボなコトはしないわヨ♡」
「野暮?」
また首を傾げるハノンに、メロディは「ふぅたりぃのたぁめ~ん゛♪せぇかいはあるぅのぉぉ~ん゛♪」と歌いながら中断していた処方箋整理を再開した。
そのいかにも意味ありげなコブシの利いた歌を聞き、ハノンは察する。
「あぁ、もしかしてルシーはミシェルと一緒にいたの?」
何の気なしにそう言ったハノンの言葉に、メロディが目をかっ開いて詰め寄る。
「ナニっ!?アンタ、あの二人のファーストラブに気付いてたのっ!?ヤダそれならどーしてアタシに教えてくんなかったのヨ!」
「そりゃあね。あの二人、無意識だろうけどいつも相手を目で追っているんだもの。それを見てるとわかるわよ。……あなたに言わなかったのは、子どもたちの初恋をベラベラ喋る気になれなかったし、淡い恋心をあなたの濃いぃパッションで感化されたくなかったからよ」
「モー!ハノンたら!恋にパッションは付きものなのヨ!あの二人、いつからフォーリンラブだったのっ!?」
「うーん……わたしが気付いたのは二人が魔術学園に通っている時だったわね。まだ学生だったのよ。だからそっとしておきたかったの」
「ナニヨ!その学園の卒業式で旦那とチョメチョメしたくせにっ!」
「チョメチョメっていやらしい言い方しないでよ!あれは医療行為だったのよ!人命救助よ!」
「チョメチョメをシタことに変わりはないわヨっ!」
「おだまりっ!」
人の口から発した言葉には魂が宿り、東方の国ではそれを“言霊”と呼ぶのだとか。
とかくこの異世界では魔力のある者の発言には特殊な影響を及ぼす事もしばしば……なのだそうだが、それだからだろうか。
その日の夜。
ハノンの夫でありチョメチョメにて命を救われた男フェリックスは不思議な夢を見た。
それは魔術学園在学中で、まだハノンの存在を知らなかった頃の夢であった……。
•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆つづく
え?続くの!?
ハイ、来週は挿話として、ヤングフェリックスを登場させたいと思います。
ヨロチクビ~(*´³`*) ♡
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「捕獲だなんてヤダ♡そんなヤボなコトはしないわヨ♡」
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「ナニっ!?アンタ、あの二人のファーストラブに気付いてたのっ!?ヤダそれならどーしてアタシに教えてくんなかったのヨ!」
「そりゃあね。あの二人、無意識だろうけどいつも相手を目で追っているんだもの。それを見てるとわかるわよ。……あなたに言わなかったのは、子どもたちの初恋をベラベラ喋る気になれなかったし、淡い恋心をあなたの濃いぃパッションで感化されたくなかったからよ」
「モー!ハノンたら!恋にパッションは付きものなのヨ!あの二人、いつからフォーリンラブだったのっ!?」
「うーん……わたしが気付いたのは二人が魔術学園に通っている時だったわね。まだ学生だったのよ。だからそっとしておきたかったの」
「ナニヨ!その学園の卒業式で旦那とチョメチョメしたくせにっ!」
「チョメチョメっていやらしい言い方しないでよ!あれは医療行為だったのよ!人命救助よ!」
「チョメチョメをシタことに変わりはないわヨっ!」
「おだまりっ!」
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とかくこの異世界では魔力のある者の発言には特殊な影響を及ぼす事もしばしば……なのだそうだが、それだからだろうか。
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それは魔術学園在学中で、まだハノンの存在を知らなかった頃の夢であった……。
•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆つづく
え?続くの!?
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ヨロチクビ~(*´³`*) ♡
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